あの人が、本気で商売に目覚めたら?【No.004・ドラゴンクエスト/勇者編】
■人材ビジネスで急伸するロト(代表・勇者)。独自の人材育成ノウハウが話題
人材育成ビジネスで急成長を続ける注目株が、株式会社ロトだ。同社はCEOを務める勇者氏が創業。同氏は、各国のバックアップを得て長年にわたり害獣を専門で駆除するハンターとして活躍したほか、未知の土地を開拓する冒険家としても世界的に有名な人物だ。
同社がグループ会社「ルイーダの酒場」と連携して展開しているのが、1から優秀な人材を育成するビジネスである。ルイーダの酒場で基本的な経験を積んだ後、CEOである勇者氏によるOJTで、それぞれの職業についてさらなる経験値を貯めていく。
「どんな遊び人でも、実務に役立つレベルに到達させられるのが当社の売り」と話す勇者氏。一定レベルに到達すればジョブチェンジを図り、他職種のスキルを習得するなど、目的に応じてゼネラリストの育成も可能だという。
同社のキーパーソンの一人が、COOを務めるトルネコ氏だ。同氏は元々、刀剣販売会社のサラリーマンだったが、貿易ビジネスで成功を収める一方、その類い稀な交渉術で、紛争状態にあった二国を停戦に導く。
その功績により国の後ろ盾を得て自身の店舗を開業。その後も国家プロジェクトである地下トンネル工事への投資事業に成功するなど、一代にして巨万の富を築き上げた世界屈指の実業家として知られる。株式会社ロトに招聘されて以降も、持ち前の希有な才覚を発揮し、同社の発展を力強く支えている。
■高度なスキル習得のノウハウを集めた「悟りの書」を書店販売か
同社の強みは、どんな遊び人でも、着実に努力を重ねていけば高度なスキルを習得できる独自のメソッド「悟りの書」の存在だ。
同社では、このメソッドをまとめて書籍化し、世界各地のショップで販売する新たな事業を模索している。これが実現すれば「ベストセラーは確実」と推す専門家も多く、同社の売上を大きく押し上げる可能性を秘めている。
ただ、懸念されるのが創業者の「黒い疑惑」である。CEOの勇者氏は、少年時代から住宅・商業施設などに押し入り、手当たり次第に窃盗を繰り返してきたとの噂がある。
未成年であったことなどを勘案し、結果的に不起訴となっているが、コンプライアンスが強く求められる昨今、いつ問題視されてもおかしくない状況ではある。
また、この窃盗で得た金品が同社の創業資金になっているとすれば、多額の賠償請求を提起される可能性も否定できず、今後の情勢は不透明だといえそうだ。
【勇社長に独占インタビュー】
ーー最近の業績好調の要因を教えてください。
勇社長 ……。
ーー御社独自のメソッド「悟りの書」を書籍化する話は本当ですか?
勇社長 ……。
ーー創業前に繰り返し窃盗を行っていたという噂が浮上していますが?
勇社長 ……。
(へんじがない。ただのしかばねのようだ)
※この記事はフィクションです。
※一部修正を加えて「空想ビジネスオンライン」から転載しています。
【空想ビジネスオンライン…https://kusobusiness.hatenablog.com/】
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