見出し画像

夢の実現に必要なもの

Twitterでキャンプ場をやるのが夢です。という若人(わざとジジィをアピールしてみました)のTweetを見た。

その夢のキャンプ場を実現するために寄付を募り、足りない分は自らもローンを組んで資金調達をしようとしているらしいのだけどちょっとモヤモヤしたものを感じたので、noteに書いてみようと。

彼?は募金は100円でも500円でも良いというけれど、いくら”夢”の実現とは言っても夢見すぎなのではないかと思うのだ。

まず、キャンプ場を作るにあたって、広大な土地が必要になるんだけど、広大な土地ってどのくらいの広さだろうか・・・。
BoseIronFactory(OkushumbetsuCampField)の土地面積は約2,000坪。
そこにD型倉庫の倉庫兼工房があって、母屋があって、バイクのガレージがあって、駐車スペースもあって、木立もある。
2,000坪と言ったってキャンプ場としては非常に狭い部類になる。
利用料の設定にもよるけれど、どんなに高くとも1人アタマ5,000円となったら素泊まりで民宿やホテルに泊まるだろうから、高くても3,000円が限界だろう。
ソロ、ファミリーも含めて最大20組として、シミュレーションしてみる事にしましょう。

さて、ウチの2,000坪に20組も入れたら(入ることはありえないけど)相当手狭に感じるはず。
彼(?)もそんな手狭なキャンプ場なんて夢にも思わないだろう。

管理棟や水場、トイレなども考え、キャンプ場だけで生活していくとなると最低でも5,000~10,000坪は必要になってくる訳で・・・。

もちろん場所にもよるけれど、まだアホみたいに安い北海道のど田舎でも土地の取得費用だけで2~4,000万は必要になってくる。

そしてウチみたいなミニマムな設備では無く、キャンプ場として普通に運営していく上で水場とトイレは必須だし、トイレは男女別で作らないと無理。
その建設費用だけでも4~500万は必要。
管理棟も建てるとして700~1000万。

自然そのままの地形でテント泊なんてキャンプ場ではなく単なる野営となるし、ファミリー向けのテントなんて建てられるだけのフラットな土地は無いので、造成が必要。
ブルやユンボ買って自分でやるとしても2~300万はかかるし、5,000坪の土地を業者さんに頼むとしたらその倍はかかる。
既にこの時点で2,000万+400万+700万+200万=3,300万

OkushumbetsuCampFieldよりはマシとはいえ、新しくキャンプ場を始めようとすると最低でも3,300万は必要になる訳で・・・。

これで利用料を3,000円も取ったら、ボッタクリ以外の何物でも無いけれど、1人3,000円ボッタクったとして、3,300万円をペイするには11,000人の利用者が必要になってきます。
365日年中無休で営業したとして、3年でご利用者が11,000人になるには1年で3,666人のご利用者が必要で、1日平均10人強(30,000円の収入)が必要になってくる。
もちろんこの3年間、キャンプ場オーナーの若人は飲まず食わずで1円も使わずに生活していかなくてはいけないし、維持費もゼロという前提。

まぁ、無理ですねぇ・・・。
第一にオフシーズンに営業出来るかという問題もあるし、仮に冬の間営業できないとすると、途端にペイに要する期間は延びるし。1日10人平均で3年って余程立地条件の良い土地でないと無理です。

逆に3,300万を寄付金で賄うには、若人は1人100円でも500円でも良いと言っていたので500円人しても、66,000人が500円の寄付。
まぁ、それも現実的では無いでしょうし、100円だったとしたら33万人から寄付を募らないと。

若人に限らず、弟子屈みたいなところに住んでいると、cafe初めたいとか、ペンション初めたいとか、キャンプ場初めたいとか、多くの人が夢を持って移住してきます。
ですけれど、現実はどれも同じように厳しいです。

こんな雑で都合の良いシミュレーションでさえ、ほぼ無理という状態なのでキチンとシミュレーションしたらもっと無理になるでしょう。
でもcafeやペンションを始める人はたくさんいる。
それだけで生活しようとしている人は3年くらいで資金が底をついて店を止めます。

続けている人って、潤沢な資産を持っていたり、本業でしっかりと稼いでいたりする人がほとんどです。


若人の夢を壊すような真似はジジィとしてもあまりしたくは無いのだけど、最低限自分の夢を実現するために他人のお金を頼るようでは、考えが甘すぎない?と言わざるを得ませんねぇ・・・。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?