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著書「私たちは子どもに何ができるのか」がすごかった

著書内容まとめ

今週は著書「私たちは子どもに何ができるのか?」(ポール・タフ著 高山真由美訳 英治出版)を読みました。

ポール・タフさんの著書はどれも評価が高いので何冊か購入していたのですが、割とボリュームがあることと難解な内容のものもあったため、体力があるときでないと読めないと思ってましたが、今週は体力があったので読めました。笑

内容は以下の通りです。

・子どもにとって重要なものは「認知能力(学力・IQ・読み書き能力)」だけでなく「非認知能力」も重要

・非認知能力とは「自制心」「好奇心(内発的モチベーション)」「やり抜く力(GRIT)」「楽観的」「誠実さ」など

・非認知能力は、将来的な「収入の高さ」「健康状態」「犯罪に関わる確率」「学歴、学力、卒業率」に大きく関与する能力

・認知能力が高い子が非認知能力も高いとは限らないが、非認知能力が高い子は認知能力も高い傾向がある

・非認知能力を上げるのにノウハウやテクニックはなく「環境」がすべて

・非認知能力を上げる環境は「①就学前の家庭環境」「②内発的モチベーションが上がる環境」

・①理想の家庭環境とは「栄養価の高い食事」「知的刺激(本、玩具、両親から受ける語彙)」も影響するが、1番大きな影響は「サーブとリターン(子供の行動や発言に対し、リアクションしてあげること)」

・「サーブとリターン」を受けることができないとアタッチメント(愛着)を感じられず、ストレスを感じ、子供は安心することができない。子供は安心することができなければ、明るいイメージは湧かず非認知能力も伸びない。

・その他に大事な家庭環境は「両親同士が仲が良い」「失敗に対して感情的でなく、落ち着いて対応してくれること」など

・②内発的モチベーションを起こしてくれるのは「有能感」「自律性」「人間関係」

有能感:やり遂げることはできるが簡単すぎるわけではないタスクに取り組み、達成できること

自律性:自分で選び、自分の意志でやっていること

人間関係:教師や両親に好感を持たれ、価値を認められ、尊重されていると感じること

・報酬やご褒美といった「外発的モチベーション」は効果がないだけでなく、非認知能力を落とす

・貧困と非認知能力は大きく関わる

・貧困層は「知的刺激が少ない」「栄養価が低い食事」「両親の語彙力が落ちる」「シングルペアレント」「ネグレクト、DV」「ストレス」といった傾向がある

・貧困が幼児期の貴重な成長の場を奪い、思考や感情制御の発達を損ない、情報も処理できなくなってしまう。欧米では個人の問題ではなく国の問題として捉えている。

・ネグレクト(育児放棄)は非認知能力だけでなく、身体の成長にも大きく影響する。具体的には「身長」「体重」「胸囲」の成長が著しくない。栄養状態がどれだけ高くても、ストレスを抱えていれば成長しない。

・子供時代の逆境は「ぜんそく」「心疾患」「肝臓病」「肺気腫、気管支炎」を2~4倍にさせる

・非認知能力(=自制心、好奇心、やり抜く力、楽観性)が低下したまま義務教育がスタートすることになるので、学校の勉強や集団行動についていけず、非行の道に走りやすい

・後天的にいかに非認知能力を上げるか?

・「内発的モチベーション」を引き出してくれる環境、教師、大人が必要

・内発的モチベーションとは

「やればできる、成功体験(有能感)」

「やらされる&一方的に怒られるのではなく、自分で考え、自分の意志で行動する経験(自律性)」

「自分の存在を認めてくれる環境、人間が必要(人間関係)」

「報酬をゴールにするのではなく、自分自身の成長を体感させること」

を積み重ねることが重要

子供の教育システムは大人にも使える

「教育」「子育て」の著書には良書が多く、

・自分自身や人材育成のヒントになることが多いこと

・ビジネスやトレーニングに使えることも多いこと

も大きな要因です。

トレーナーも経営者も

「自分自身が成長する」

「関わる人(スタッフ、お客様)が成長する」

といったことがものすごく重要で、ここができれば大半が好転します。

例えば、学校で同じ指導をしても、伸びる生徒と伸びない生徒がいます。

良かれと思ってアドバイスをしても、素直に受け入れてポジティブに受け止める人と、「怒られている」「責められている」とマイナスに受けとめる人もいます。

こういった要因の一つに「マインド」がそもそも違うことがあります。

「やればできる」と思っている人と、

「どうせできっこない」と思っている人では成長のスピードが全く違います。

だからこそ自分自身もスタッフもお客様も「マインドセット」が重要で、ここが変われば成長スピードもまったく変わります。

「やらされている」から「やる」へ

今回の著書でも出てきましたが「幼少期の家庭環境や教育環境が、大人になって大きく影響が出る」というのは事実だと思います。

幼少期に愛情を受けていないと、物事を歪んで捉えたり、すべてネガティブに捉えがちです。

だからといって、大人になってから打つ手がないかと言えばそうでもなくて、

著書にも出た「内発的モチベーション」が生まれれば、驚くほど成長します。

例えばうちのジムでは、実際のセッションをできるまで、新しいスタッフはお店の掃除をすることが最初の仕事になります。

トレーナーの活動をしたくて入社したのに、掃除を積極的にやれる子はほとんどいません。

けれども、

・きれいな環境にすることでお客様も喜んでくれる

・小さな汚れに気づくことが、セッションでもお客様の体をチェックすることに役立つ

いかに正確に早く終わらせるかという「段取り」の練習になる

などに気づくと、「やらされる」から「やる」に変わり、内発的モチベーションを上げる要因の一つの「自律性」につながります。

僕自身もそうですが、自分で決めて自分でコントロールできない仕事にはモチベーションが上がらず、当然成果も出ません。

だから組織の中で動くことは無理だと自覚して、自分で会社をつくり「組織をつくる」側に回りました。

勉強もスポーツも仕事も「やらされている」うちは成長しないということも、今回の著書から学んだ一つです。

ミリオネアも子供も「楽観的」が重要

話は変わりますが、稼ぎが億を超える「ミリオネア」の特徴として、

①目標思考②情熱的③楽観的

の3つが上がられるそうです。

③の「楽観的」は子供の「非認知能力」にも関わります。

個人的に解釈すると、

「失敗の捉え方が全く違う」

と言えると思います。

失敗したらすべてが終わりと思うのか、

失敗から学んで次につながれば良いと思うのか、

「同じ失敗」でも考え方がそもそも違うと思います。

つまり、ここでいう「楽観的」は、

「何も考えていない」「プラス思考」

というよりも、

「失敗やネガティブなこともプラスに変えれる」

ということだと思います。

ミリオネアには大きな失敗を経験している人が多いそうですが、

それもプラスに変えていける「楽観的」な考えがあったからこそ、

またやり直して成功できたのではないかと思います。

今回の著書から、

「非認知能力(楽観的、自制心、好奇心、GRIT」がビジネスにも役立つ能力だと学びましたし、

非認知能力を強化するための「内発的モチベーション(=有能感、自律性、人間関係)」を使いながら仕事にも取り組みたいと感じてます。


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