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TERRACE HOUSE打ち切り

テラスハウスが打ちきりだそうだ。参加者の自殺が出てしまっては続けるのは困難。

納得せざるを得ないが、責任の所在や問題点は今後の課題として大いに議論し、対策を打たなければならないだろう。同じ悲劇を繰り返さないために。

こんなとき、サカナクションの「エンドレス」の歌詞が頭によぎる。

https://www.youtube.com/watch?v=HZZk2Mq_yjA

♪悲しくて泣く人の後ろにも
それを笑う人
それをまた笑う人と
悲しむ人♪

インターネット社会の闇がこの歌詞から読み取れる。顔が見えないからこそ、陰険な笑いは必ずまた誰かを悲しませる。無機質な電子の集合体はかくも人を傷つける。
サカナクションのこの歌ほど現実と仮想空間のひずみを的確に表しているものはないだろう。


テラスハウスはファーストシーズンしか見ていない。しかも後半はほとんど見ていなかった気がする。映画化されてマンネリ感がでてきて、その後はさっぱり見なくなった。

リアリティショーはあのときに終わっておけばよかったのかもしれない。だいたい同居人同士が必ず恋に落ちる設定には無理があった。恋愛以外に話題はないのかと……うんざりしたものだ。
だからこそ、はじめのテラスハウスは少しだけ魅力があった。

今井洋介さんのネット炎上。
宮城大樹のキックボクサーとしてのドクターストップ。

みんなで大樹を慰める男の友情と、仲間意識。
第2の人生を模索する大樹。

別れても良い友達に戻れるような素晴らしさがあったし、男同士の友情や夢の挫折などリアルの凝縮版がこのリアリティショーで見られたのである。
人間関係ってそんなにシンプルなものじゃないんだよ。いろいろなことがあって「人生って素晴らしい」とか「若さっていいなぁ」となるはず。


いつしかテラスハウスは安っぽいテレビドラマになってしまったようだ。


しかし、男女の仲のシーンでも美しいシーンはあった。
映画で印象的なワンシーン

今井洋介(ようさん)と和泉さんがサーフィンにいく。車で出掛ける二人。サーフィンしながらカメラを構える。
だだっ広い海に小さなサーフボードが2つ。

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BGMは泉まくら(balloon)。
♪  つまらないやりとり繋いだ
ちょっとあくびしてるかなくらいだ
さっきまでの緊張ムダになる
せっかくの覚悟も揺らぎだす
言える言えない 言う言わない ♪

透き通るような薄曇りの背景。ぎこちない二人の会話と美しい海の靄。陰鬱でちょっとコミカルなBGMがより二人のぎこちない恋模様を際立たせる。

見ているこちらも吸い込まれそうな光景だった。
そんな言葉のないシーンをありがとう。テラスハウス。

福島県のどこかに住んでいます。 震災後、幾多の出会いと別れを繰り返しながら何とか生きています。最近、震災直後のことを文字として残しておこうと考えました。あのとき決して報道されることのなかった真実の出来事を。 愛読書《about a boy》