ジョゼと虎と魚たち(2003)

『月刊カドカワ』1984年6月号に発表された田辺聖子の短編小説、またはその作品を含む角川書店刊行の短編集。

足が悪いためにほとんど外出をしたことがないジョゼと、大学を出たばかりの共棲みの管理人・恒夫との純愛とエロティックを描くラブストーリ

2003年に映画化されたが、この世界観に少し考えさせられた作品である。物語は必ずハッピーエンドにはならない。いや、どんな種類の幸せかは私たちの想像の斜め上をいっていた。

現実問題として障害を持つ人との恋愛はそう簡単にはいかないのであろう。それが現実なのは私たち一人一人が頭では分かってはいるが、文芸作品には美しいものだけを求めてしまう傾向にある。そこの部分を見事についた作品ではないだろうか。

是非皆さんに観てほしい。

余談ではあるが、主題歌の くるり「ハイウェイ」は今でも自分のfavoriteだ。

福島県のどこかに住んでいます。 震災後、幾多の出会いと別れを繰り返しながら何とか生きています。最近、震災直後のことを文字として残しておこうと考えました。あのとき決して報道されることのなかった真実の出来事を。 愛読書《about a boy》