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震災クロニクル(東日本大震災時事日記)

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2011/3/11 個人的な体験と真実。メディアには語られないであろう真実と人間の醜悪さを赤裸々に書いていきます。 今だからこそ言える。全てを失ったあの日から幾多の困難を乗り越え… もっと読む
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#東日本大震災時事日記

震災クロニクル【2012/12/1~】(65)最終回

ボクらはあの震災から少しずつではあるが、前進しているように思える。しかし、周りからは「早…

震災クロニクル【2012/8/30~】(64)

震災後二年目の晩夏。水平線は相変わらず真っすぐと伸びて、遥か彼方、数十キロ先の原発まで続…

震災クロニクル【2012/7/20~】(63)

7月下旬になり、震災の鎮魂のため慰霊名目のイベントが開催されていた。注目度も高く、心なし…

震災クロニクル【2012/7/15~】(62)

僕は一人の少年に出会った。それは何のことない大人の繋がりから偶然知り合ったに過ぎないのだ…

震災クロニクル【2012/7/1~】(61)

今年の夏も茹だるように暑い。海水浴もない夏到来だ。線路は最早草の中に覆われている。 暫く…

震災クロニクル【2012/6/1~】(60)

本格的な梅雨だったと思う。じめじめした毎日が洗濯物泣かせ。今日も仕事に向かう。曇天の空か…

震災クロニクル【2012/5/1~】(59)

五月晴れの快晴。あからさまに天気は夏の装い。少し早く季節が過ぎ、次の季節が顔を覗かせている。蒸すような昼下がりの空。昼休みにふと見上げた空には例のごとくヘリが一機ぼんやりと飛んでいた。平和を絵に描いたような毎日が過ぎ去ろうとしていたある日。東京電力から角形2号の封筒が届いた。中身を急いで確認すると、「精神的苦痛による賠償・・・…仮払金で受け取れる金額は○○」同意書にサインをお願いします。」 簡単に言えば、そんな内容だった。 精神的苦痛による賠償と仮払金70万円で賠償請求が

震災クロニクル【2012/4/1~】(58)

2012年4月 震災から1年が経過し、待ちはある程度落ち着きを見せ始めていた。仮設住宅も広い敷…

震災クロニクル【2012/3/11】(57)

3月11日 午後に黙祷のサイレンと町内放送がなる。テレビ新聞は『震災から1年』の特集ばか…

震災クロニクル12/31(55)

年の瀬が押し迫り、激動の2011年が終わりを迎える。街中を行き交う人も疎ら。仮設住宅には煌々…

震災クロニクル8/16~30(50)

震災があって初めての盆は人の欲がむき出しになった状態で、突風の如く過ぎ去っていった。それ…

震災クロニクル3/16(27)

年季の入った建物。 日本一の歓楽街の片隅にいかにも社会のひずみのような雰囲気を漂わせる建…

震災クロニクル3/15(22)

「市内の避難所はもう満員ですね」 冷淡な声が自分たちを襲った。 「ではどうすれば……」 …

震災クロニクル3/15⑳

15日。その日は曇っていた。鈍重な鉛の空に重くのしかかられた日が始まった。 7時に施設に向かうと、タイミングよく二人のスタッフが来ていた。20代の男性スタッフが2人。自分を含めると男が三人だけ施設に出勤していた。というよりも、もはやスタッフがこのくらいしかいないのだろう。とりあえず鍵を開けると、事務所に入った。その場の空気が明るくなることは決してなかった。 テレビでは相変わらず福島第一原発の状況を逐一伝えている。良い情報なんて1つもない。見ているだけで避難を脅迫されている