ドラゴン生贄モノ?

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 自分でもどうしてこうなったのかよく分からない。
 廃村探検が趣味の私は、その手のレポートで好評を博している。
 名前が富士松飛露喜と言う、古風かつ男っぽい名前と言うこともあって、まさかこんなに可愛い女の子とは誰も思わないだろう。
 そう、私は強い女だし、可愛い女だ。

 自分でそう言う女なんて地雷だと思われそうだが、自分でいうのもナンだが、私は地雷女ではある。
 可愛いから絶対男とかいると思われているが、付き合ったことがあるのは片手ぐらいだ。
 ああ言う女って性欲強いんだぜと囁かれるが、実は処女だったりする。
 それもこれも私がパワフルだからだ。
 毎週山だの島だの出掛けて、藪の中に分け入り、消えゆく廃村を記録するのだ。
 勿論、そう言う村には敬意を払う。
 歴史を調べ、どのような人がどのように暮らしていたか、つぶさに観察して記録に残す。
 それが私のライフワークである。

 なんでこういう趣味に行き着いたかと言えば、小さな頃に少しだけ記憶にある、曾祖母の村が大人になったときには廃村で、見るも無惨な姿になっていたからだ。
 その少しだけの記憶は鮮明で、蛍の大群や小川の魚、静かな森、ささやかだけど豊かな生活があったのだ。

 今日も今日とて廃村探検だ。
 手前の町の郷土資料館だの、元住人だのに話を聞く。
 村には龍神伝説があり、昔は生贄として生娘を捧げていたとかなんとか言う。
「そう、ちょうど今ぐらいの時期で……」
 へーっと思ってたら、集まってきた関係者に簀巻きにされた。
 あっという間の出来事だ。

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