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従業員サーベイの種類と目的

近年、企業での導入が進んでいる従業員サーベイについて、導入目的や種類について解説します。

1.従業員サーベイとは

国語辞典でサーベイ(=survey)の意味を調べると「調査」「測量」となっています。HR領域においては従来より定期的に従業員満足度調査やストレスチェックが行われていましたが、近年ではSaas型のサービスが増えたこともあり、より即時性を持った(月次など短サイクルでのサーベイ)、また様々な視点(エンゲージメント、幸福度など)からのサーベイが用いられるようになりました。これらのサーベイを上手に活用することで、従業員のことを理解し、組織の課題を発見し、解決策を講じることができます。

2.従業員サーベイの種類

(1)組織サーベイ
経営目標達成のため、各組織のチームマネジメントが機能しているか、事実情報を集めるために使用します。

組織の状態を測定するためのツールであり、組織の問題点や課題を解決するため、従業員のモチベーションやエンゲージメントなど組織状況を把握するために行う調査です。 一般には、全従業員に対するアンケート調査の形式をとり、あるべき姿と現状とのギャップを測定できる項目をピックアップして実施します

(1)モラールサーベイ
モラールとは労働意欲や士気という意味の言葉で、企業や組織における士気の程度を指します。モラールサーベイは従業員意識調査などとも呼ばれます。企業や組織がどの程度の士気で仕事に取り組んでいるか、またどのような職場環境が士気を高めるのかを調べることを目的としています。

(2)エンゲージメントサーベイ
会社と従業員との関係性を調べ、働き甲斐のある会社作りに役立てることを主な目的としています。エンゲージメントサーベイは、企業や組織への愛着心や信頼を測る調査で、エンゲージメントの高い会社は企業と従業員の間に強い信頼関係が築かれており、待遇(会社が用意した職場環境)によって離職してしまう可能性を減らしてくれます。

(3)従業員満足度調査
福利厚生や給与、利用可能な休暇日数などの職場環境に対する調査を主な目的とします。会社が用意したものに対する従業員の「満足度」について調査するものです。

3.従業員サーベイの実施頻度

(1)パルスサーベイ
パルスとは脈拍の意味で、パルスサーベイは従業員のコンディションを定点観測(週単位や月単位など比較的短い周期で調査を行う)する調査方法です。頻繁に定点観測を行うことで従業員や組織の変化や予兆に気づくことができるようになり、離職やハラスメントなど致命的な状態に陥る前に対策を打つことが可能となります。
一方で、頻繁な調査は回答/分析負担が大きいことから、一般的にはアンケートの回答項目は5問程度の小問で2.3分程度で答えられるようになっています。また、ダッシュボード機能やアラート機能など、管理者の負担を減らし、速やかに従業員の変化に気づくための仕組みが組み込まれています。

(2)センサスサーベイ
国が行う経済センサスなど、比較的長い間隔(年単位)で大規模な調査を行う調査方法です。様々な指標を用いて調査することで、組織課題の洗いだしや要因の特定を行うことが可能となります。
多くの調査回答を元に根本原因などを探しやすいメリットがありますが、その一方で、質問数が多く従業員側が回答を負担に感じるデメリットもあります。質の高い回答をしてもらうためには、従業員に対してアンケートを実施する意義をあらかじめ理解してもらっておくことが重要です。

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