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健康経営とSDGs

”健康経営”と”SDGs”には深い関係性があることをご存知でしょうか?

多くの企業では健康経営の担当部署(人事部/健康保険組合など)とSDGsの担当部署(広報/IRなど)が異なっているため、健康経営とSDGsを結び付けて考えている方は少ないと思います。しかし、「健康経営に取り組むことは実はSDGsの目標達成に向けた取組にもなっている」ということを本noteでお伝えします。

健康経営に関するお役立ち情報をお届けする「健康経営のすすめ」は、健康経営支援ツール"FairWork survey"をご提供する株式会社フェアワークが運営しています。フェアワークへのお問い合わせはこちら

健康経営とは

経済産業省は以下のように定義しています。分かりやすく言うと、企業の経営目的達成のために、企業で働く人たち一人ひとりの健康を大切にしよう。という取組です。

従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことで、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待される。

SDGsとは

SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略称です。2015年の国連サミットで採択された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標です。持続可能な世界を実現するために17のゴール・169のターゲットから構成され、「地球上の誰一人として残さない(leave no on behind)」ことなどが謳われています。

「開発目標」と聞くと開発途上国への支援などを想像しますが、SDGsは先進国も含めた全ての国が取り組むべき普遍的(ユニバーサル)な目標とされています。また、政府だけではこのような目標を達成することは困難であり、企業や私たち一人ひとりにも行動が求められているのが特徴です。

このため、日本政府の旗振りの下、日本企業もSDGs達成に向けた様々な取組を行っています。

健康経営とSDGsの関係

SDGsでは「持続可能性」というキーワードで、経済のみならず環境や社会などの幅広い内容をカバーしています。企業が持続的に成長していくためには従業員が心身共に健康で働けることが重要であり、SDGsへの取組は健康経営の実現に繋がっています。

また裏を返すと健康経営に取り組むことで企業の経営課題が取り除かれ、企業が持続的に成長できるようになるため、健康経営への取組もSDGsの達成に繋がっています。

具体的に健康経営はSDGsの以下3つの目標に深く関連しています。
目標3:すべての人に健康と福祉を
目標5:ジェンダー平等を実現しよう
目標8:働きがいも経済成長も

<目標3:すべての人に健康と福祉を>
健康経営における以下の取組がSDGsの目標3達成に繋がっています。
・ヘルスリテラシー向上、感染症予防対策、保健指導、メンタルヘルス対策、喫煙対策、受動喫煙対策

<目標5:ジェンダー平等を実現しよう>
健康経営における以下の取組がSDGsの目標5達成に繋がっています。
・ワークライフバランスの推進、健康増進・生活習慣病予防対策

<目標8:働きがいも経済成長も>
健康経営における以下の取組がSDGsの目標8達成に繋がっています。
・ワークライフバランスの推進、職場の活性化、両立支援、過重労働対策

健康経営とSDGsを結び付けた例

健康経営とSDGsを結び付けている企業の例をご紹介します。

<事例1:東京海上ホールディングス>

東京海上ホールディングスでは、労働力人口が減少する中で企業が持続的な成長を図るためには、「従業員が心身共に健康で働けることが重要」との理念の下、社内のみならず、他社の健康経営支援や顧客の健康増進・生活習慣改善を促す取組を行っている。
(出典:経済産業省/「SDGs経営ガイド 17ページ」)

<事例2:日本航空>

社員一人ひとりが毎日明るく元気に働ける職場づくりが一番大切だと考えています。まずは社員の皆さんが、本人と家族の「心身の健康」を大切にし、そして仲間の健康も気遣いながら働きがいを感じて生き生きと働くことのできる職場を作っていくことが重要です。安全運航やお客さまへの最高のサービスの提供は社員の健康がなければ実現出来ません。また健康な身体作りをすることで、一人一人が豊かな人生を過ごすことが出来ると思います。健康経営は会社のためだけでなく、社員一人一人のためでもあります。
(出典:日本航空HP/SDGs達成に向けた取り組み/目標3)

<事例3:三菱ケミカル>

三菱ケミカルは「KAITEKI健康経営」を掲げ、健康支援と働き方改革を両輪として、多様な人材がいきいきと活力高く働ける職場づくりに取り組んでいます。その実現のためにさまざまな施策に取り組んでいますが、それらを「三菱ケミカルは決めました」(以下「決めました」)という「30の宣言」の形にまとめて発信しました。30の宣言は、従業員の「こんな会社になってほしい」という思いも反映しています。
この「決めました」を周知・浸透させていくことで、さまざまな人事施策を従業員にしっかりと伝え、正しく理解し共感してもらうこと、そして従業員一人ひとりがKAITEKI健康経営のめざす姿を実現することを目標としています。
(出典:三菱ケミカルHP/SDGsへ向けた取り組み/目標8)

おわりに

SDGsというと自分とは関係のないどこか海外の取組だと感じる方もいると思いますが、SDGsは「持続可能」というキーワードのもと、開発途上国だけでなく日本社会にとっても大切な、経済と社会を持続的に発展させ続けるための取組(挑戦)です。

そして健康経営とSDGsは共に、性別・年齢・人種を超えて人々が平等かつ健康に、そして十分に能力を発揮できる社会を目指しています。

健康経営担当の方は自社の健康経営がSDGsの達成に繋がっていること、そしてSDGs担当の方はSDGsの達成に自社の健康経営が貢献していることを意識して、社内連携を深めてみてはいかがでしょうか。


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