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「ちかく」も書けないの?

漢字を覚えるのが苦手な下の子が単語帳に漢字の読みかたを書いていた。

「ちかく」

たまたま目に入ったので驚いた。

「え、『ちかく』が書けないん?」

「うん、書けない」

「え? 『ちかく』なんて簡単やん?」

驚いた。「近く」なんて小学校の早いうちに習うんじゃないのかな。

「簡単な字だよね?」

「え、難しい字やで」

「え?」

「近く」ではなく「地殻」だった。

「地殻」かぁ。それはわりと難しいわ。

なるほどと思って覗くと、ん? なんか違うよ。なんか書き間違えてない? 「殻」の左下のほう。

「単語帳に間違った漢字を書いたら意味ないやん?」

「えー、どうだっけ? あ、こうかな?」

と言ってるうちに私もよく分からなくなってきた。漢字帳の字は小さくて見えにくい。

ここは跳ねてるのか、「レ」なのか、クイってなってるのか、そういう細かいところがよく分からないのだ。

「こうだったかなぁ、ん? なんか違うねぇ」

考えれば考えるほど正しいのが思い出せない。

「おばあちゃんに聞いてみて」

おばあちゃんもよく分からないと言う。

「おじいちゃんなら分かるはず」

おじいちゃんもあやふや。

みんな大人が分からない。


結局スマホで漢字の書き順を調べて拡大表示して確認した。

ふむふむ。こんな漢字だったんだね。


先日「革命的に読みやすいUDフォントを教育現場で活用する動きが広がっている」とのニュースを読んだ。書体によって細かな点が異なる問題を解決するようだ。

教科書体とゴシック体のそれぞれの欠点を補う書体らしい。

便利だね。


#エッセイ #漢字 #記憶 #書体 #UDフォント #革命的




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