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子供の病気:自家中毒とは

風邪を引いているらしい下の子の食べ残しを食べてしまって私も風邪を引いたみたいです。喉が少し痛い気がするのと、なんかしんどいです。風邪だな。でも今朝もまた食べ残され「食べといて」と頼まれました。

「あなたの食べ残しを食べて風邪をもらったみたいなのにまた私が食べなきゃいけないの?」って聞くと「もう風邪ひいたんだから一緒だよ」と言われました。理屈は合っています。

子供の食べ残しはやはり母親が食べることが多いですよね。うちは「ママ、残ったから食べといて」とよく言われます。食に対して子供二人ともがややこしく、食べることを強制することが危険だと思うので、私は彼らにとてもあまいです。必ず全部食べなさいとかほとんど言いません。一口だけは栄養のために食べてと言うくらいです。

小さいときは「残さないように」と言うことはもちろんありました。普通の食へのしつけです。でも上の子が食に対する感受性がかなり高かったのでなかなか言えなくなりました。一度無理と思うとその食材を食べなくなる、食べられなくなる。とにかく吐き出すわけです。体が受け付けない。そのあたりが悪化してしまえば摂食障害に進みかねないと感じるタイプでした。実際2ヶ月ほどそうなったことがあります。

好き嫌いってね、親があまいから食べられないままなのか、厳しくしていたらなんでも食べられる子になったのか、いまも私はよく分かりません。どうなんでしょうね。

上の子はもうだいぶ大きいのでいろんな食材にも少しはチャレンジするようになりました。自然と食感や味などに鈍感になる部分もあるようです。それでも「食べられない」かもしれないプレッシャーを彼はつねに抱えていて、友達とでさえ一緒に食事をすることを極端に嫌がります。学校の旅行の前はかならず「食べられないかもしれない」と不安がり行きたくないと言いながら、スーツケースの半分をお菓子で埋め尽くしていました。

いや、日本だし、お菓子もあっちで買えるよと言ったけど、不安を拭いたかったのでしょうね。旅行がはじまって最初にくれたラインのメッセージは「食べられてる」でした。きっと食べられると思っていましたが、そのラインを見てホッとしたことを思い出します。

食べられないことが多いくせに低血糖気味という極めてややこしい体質でもあります。この体質になかなか気づかず、対処がまずかったことが何度もあったのですが、いまでは本人も体の異変に少し気づけるようになってきました。

具体的にいうと低血糖気味になると、非常に機嫌が悪くなります。明らかにイライラしているのです。このタイミングで血糖値をあげる食べ物を食べさせる必要があります。おにぎりがベストです。とにかく糖分を入れる必要があります。食べたら機嫌は分かりやすいくらい簡単に戻ります。

このすぐに食べさせるタイミングが少しでも遅れると気分が悪くなるようで、食べたくない状態に入ります。でも気持ち悪いからといって食べないままでいると症状は進みます。イライラもそうだけど本当に食べられなくなります。

だから気持ち悪いと言っても無理やり食べるように言って食べさせるのです。これが本人一人だとね、なかなか難しいんです。だって本人は気持ち悪いんだから食べたくないって思いますよね。強制する人間がいないとおそらく事態はすぐに悪化します。

小さいころは1週間ほど寝込んだことが何度もありました。腹痛と頭痛を訴え吐くわけです。吐くものがなくても何度も吐くんです。一晩中くらい吐いていました。受診するとお医者さんは胃腸風邪だと言います。

でもあるとき、別のお医者さんが息子の吐く様子を見て、胃腸風邪じゃないと断言しました。自家中毒だと。正式には自家中毒症(ケトン血性嘔吐症・周期性嘔吐症)と呼ばれます。

病気の発症が比較的急激で、明らかな原因もなく食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛等を訴え、元気がなくなり活動性が乏しくなります。この場合、軽症の場合は食事療法で対処できますが、脱水がひどい場合や経口摂取が困難な場合は、点滴療法が必要になります。 (引用元:徳田こどもクリニック)
一日に多くて数十回という回数の嘔吐を繰り返すようになります。また、嘔吐物がでなくても吐き気は常に感じるようになり、これにともなって腹痛や発熱なども合併して現れることも多くあります。重度になると、めまいや痙攣なども引き起こす場合があります。(引用元:HOSPITA.JP)
周期性嘔吐症は周期的に嘔吐する病気で、特効薬はないので薬による治療ではなくカウンセリングを中心にした精神的ケアをすることで嘔吐する原因になっているストレスを取り除く治療が大事です。(引用元:HOSPITA.JP)

症状は確かに胃腸風邪です。でも胃腸風邪ではないので誰にもうつりません。実際に胃腸風邪と思われ別室に隔離された息子のその症状は誰にもうつりませんでした。隔離にうるさい家族がおりまして、隔離されて寂しがる息子がかわいそうで、その人が出かけると一緒に横についてあげたものです。

この自家中毒というのは「急激」に悪化するのでけっこうややこしいです。突然始まります。「お腹すいた」のほぼ同時に「気持ち悪い」が始まります。そして周期性だったので年に4回ほど、数ヶ月に1回この症状が出ていたように思います。

対処としては即点滴。これが一番です。とにかく点滴です。そしたら半日で回復します。

下の子も上の子よりは軽いけどよく似た体質です。小学校入学式のあとに祖父母たちと一緒に行ったレストランで順番を待っている間に低血糖が進みました。機嫌が悪くなってどんどん元気がなくなりました。「お腹すいた、しんどい」と繰り返すのです。周りのお子さんは大人しく順番を待っている。ぐずっていない。

どうしてうちの子はこんなにわがままなのかと困りました。ちゃんとしなさい、グズグズしない! と注意してもすぐぐにゃぐにゃなって文句を言うのです。

このときはまだ下の子も低血糖気味の自家中毒持ちだと分かってなかったので、本人の意思でコントロールできないんだと気付いていませんでした。ほんの15分ほどでぐったりして、結果的にやっと食事が整っても一切受け付けなくなりました。1週間ほど完全に体調を崩し、寝込んでしまいました。

自家中毒の特徴として「目が落ちくぼむ」というのがあります。かなり大きく落ちくぼみます。そして息のにおいが独特です。りんごの腐ったような酸っぱい臭いがします。この2つがあればそれはおそらく自家中毒だろうと思われます。

お医者さまからかならず飴を常備するように言われていて、小さいころから気持ち悪いとかお腹すいたというたびに飴を食べさせていました。虫歯が気になったけど仕方なかったです。飴があれば少し時間を稼げるのです。

症状が進んでぐったりするともう自力では歩けないと言います。抱っこして病院に連れていける間はよかったけど、体が大きくなってくると病院に行くのがとても大変でした。体を支えながら無理やり連れて行っていました。

自家中毒は12、3歳くらいでだんだん落ち着いてくる病気なので、もう上の子はほとんど起こりません。いまはちょこちょこ低血糖気味になるくらいですね。

上の引用にもあるように自家中毒の原因にはメンタル面、自律神経の問題が指摘されています。子供の「心身症」だという言葉も見かけました。でもどうでしょうね。私は自家中毒は体質だと思います。原因が解明されていないという説明もありますしね。たぶん私もその傾向が小さいころからあったように思うので、そういう意味では遺伝性の体質じゃないかな。

今日は病気のお話になりました。こういうのを書こうと思ったのは、昨日だったかnoteのお友達に子育てのことで「参考になった」と言ってもらったのがうれしかったからです。

もし同じような症状のお子さんをお持ちであれば、自家中毒を疑ってあげてくださいね。点滴さえすれば吐き続けるとか1週間も寝込むとかを避けることができますからね。

どなたかの参考になりましたら幸いです。


#エッセイ #病気 #自家中毒 #ケトン血性嘔吐症

この文章は自家中毒と低血糖をごちゃまぜに書いてしまいましたが、この2つに関連性があるのかは分かりません。詳しい人がいるかな。


お気持ち嬉しいです。ありがとうございます✨