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絶望

小さな扉からあなたが覗いています。

小さな扉なのであなたはこちらに来れません。

あなたは少し小さくかがみました。

それでもその扉はあなたが通るには小さすぎます。

では、私が参りましょう。

私はあなたより小さい小さい生き物だからです。

ちょっとお待ちください、今すぐ伺います。

でも小さな扉はとても遠いです。

小さい小さい私はその小さな扉までがとてもとても遠いのです。

それでも私はあなたに向かって進みます。

小さな扉の向こうのあなたが後ずさりしました。

待ってください、今すぐたどり着きます。

あゆみは遅くとも、必ずあなたの元に参ります。

でも私が必死で小さな扉をくぐり抜けたとき、あなたの姿はもうありませんでした。

私は自分の不甲斐なさを呪います。

小さい小さい自分がもう、嫌になりました。

さようなら。

私はもういなくなったあなたを想いながら、もっと小さくなって消えていきました。

375文字

#短編小説 #詩 #絶望 #扉

救いのない悲しい物語ですが、世の中の絶望とか虚しさとか一人ぼっちの孤独を表現したくなりました。書いたあとに少し寂しい気持ちが残るんですが、こういう消えてしまいたいような感情も人はみな、どこかのタイミングで感じているものだと思うので、小さい小さい生き物になって吐き出してみました。

お気持ち嬉しいです。ありがとうございます✨