キス

どこまであなたを許せるのか分からなかったのに、どこまでもあなたを許してしまった。

私を見つめるあなたの瞳がとても綺麗だったから。

ゆっくりと近づくあなたと視線を絡めながら、唇が触れあうほんの一瞬前に私は目を閉じた。触れあった唇が熱くて、私のなかの女が誘い出される。警戒心が溶けていくのを止められない。

キスが上手な人は悪い男。

どこかで聞いたそんな言葉を思い出すようなあまいキス。たとえ悪い男でもかまわない。理性さえも溶けていく。

誘ったのはあなた。

選んだのは私。

求めたのはあなた。

許したのは私。

もうすぐ心も落ちていく。