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キラキラ

コンピュータに向かって静かに仕事してるあなたをベッドの上から見つめていたら、なんだかくっつきたくなってくる。

ベッドから降りてあなたに近づく。

つんつんって背中を押す。

「ん」って言葉だけで振り向かないあなた。

あれ、寂しい。くっついちゃおっと。

するすると潜り込んでコンピュータとあなたの間に入り込んだ。

「あぁ、ほら、画面が見えないよ」

あなたはそう言って私のうしろを覗き込みながらも椅子をちょっとずらして私のスペースを作ってくれた。ここにも私の場所をくれるね。

「うん。見えなくしてるの」

だって私だけを見てほしいから。

あなたがふっと優しい笑顔になってキーボードから手を離す。私はあなたが画面から私へと視線を移したのを確認してから、ぎゅっとあなたを抱きしめた。

髪を優しく撫でてくれる。なんて居心地のいい場所。あなたの腕のなか。さっき起きたとこなのに、なんだかうとってしちゃいそう。

「ねぇ」

私があなたを見上げてそう言うと、「ん?」って言いながらおでこにキスをくれた。

「今日、晴れてるね」

先に視線を外して窓のほうを見たのは私。だけどあなたの視線を頬に感じる。あなたの瞳のなかに映る自分を想像する。きっとかわいいよね。キラキラした窓の外よりも私のほうがキラキラしてる。

だってあなたの前では一番かわいいから。

またあなたを見たら、今度は唇にキスをくれた。

今日もだいすき。


#短編小説 #掌編小説 #キス #恋 #窓



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