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小説・フィクション

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小説や詩、フィクションのお話をまとめています。かなり短い作品ばかりですが、一部前編・後編ものや連載しているシリーズも入っています。書き始めたときは誰かに読んでもらうのがあまりにも… もっと読む
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2020年11月の記事一覧

空高く

鳥が空に飛び立った。 小さな青い鳥が籠から飛び立ち、空へと吸い込まれていく。 青のなかに…

椿 -TSUBAKI-
3年前
24

涙の味

いま感じるこの瞬間を永遠に、心にも体にも刻みつけようと思った。 言葉にならないあなたの愛…

椿 -TSUBAKI-
3年前
20

返事は。

ある日、彼から何の前触れもなく「ごめん、好きな子ができた」と言われた。それは単なる「好き…

椿 -TSUBAKI-
3年前
69

袖摺れの君

「まだ恋しますか?」 月が私に尋ねた。 ホテルのベランダから見上げる月は、どこまでも広が…

椿 -TSUBAKI-
3年前
18

紅葉狩り

夜ご飯を食べているときに、あなたが言った。 「近くのお寺、紅葉が綺麗らしいから週末に行こ…

椿 -TSUBAKI-
3年前
19

目を閉じて

あなたに触れたくなって手を伸ばした。 あなたの頬を耳を首筋を、そして肩をゆっくり撫でた。…

椿 -TSUBAKI-
3年前
15

秋の空

朝、家を出る前の一番忙しいタイミングでスマホが鳴り始めた。点滅とともにブーブーと震えている。 右手で歯磨きをしながら、左手で今日必要な書類の確認をする。そんな慌ただしい瞬間。 こんな朝から電話をしてくるのはきっと悠人だ。 「ちょっと待ってー」と鳴り響くスマホに声をかけて洗面所に走る。うがいをしたあとに口元に歯磨き粉がついていないかを鏡で確認する。「はいはい、待って」とまた独り言を言いながら。 スマホとバッグを掴み、キッチンの時計に目をやり、髪を手で整えながら、大急ぎで

秋の雲

うろこ雲が空に広がっていた。 「ねぇ、ほら、うろこ雲」と、一緒に歩いていたあなたに話しか…

椿 -TSUBAKI-
3年前
33

君の愛

「そんなこと言うなよ」 私の体を引き寄せながら、君が強くそう言った。 「もう終わりにしよ…

椿 -TSUBAKI-
3年前
18

コロン

仕事から帰って玄関に入った瞬間にスマホが振動した。誰だろう。 洗面所で手を洗って、鞄から…

椿 -TSUBAKI-
3年前
20

ひらひらと。

職場の最寄りの駅で電車を降りた。人の流れに沿ってホームを歩きエスカレーターに乗ったら、目…

椿 -TSUBAKI-
3年前
27

思い出

いつ消えるのかな。あなたの中にいるあの人。 それを待ってるんだけど、無理そうなんだよね。…

椿 -TSUBAKI-
3年前
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