激甚災害地で何を見たのかVol.3
Vol.２の続きです。
Vol.2では能登役場から珠洲に向かったところまででしたので、続きを。
１２時ごろに到着した能登町役場を後にし、１３時４０分ごろ、珠洲市にある高齢者施設に到着しました。
支援物資の供給はどうですか、と施設責任者と話すと到着直前に自衛隊の方々が食事や水を持ってきてくれたとのこと。
ここで被災地の情報は刻々と変わることを認識。
何か困っていることはないですか、と質問すると夕方以降明かりがほぼなく恐怖感が強い、とのことで明かりが欲しいと要望がありました。
１月５日時点でライトの支援物資は持っていなかったため、この後鈴市役所に向かい、支援物資にライトがあればもらって戻ってくるが、なかった場合連絡なく戻らないことを了承して欲しい、と伝え了承をもらいました。
１４時３０分ごろ、珠洲市役所に到着。
総務課に行き、忙しそうな男性職員にアプローチし、支援物資の中にライトがないか確認してもらえないか、あれば高齢者施設に配布したい、と要望を伝えるとすぐに支援物資センターに連絡をしてくれました。
しかしながら、支援物資にライトはなし。
目的を失い、市役所で考え事をしていると市役所の階段を２ℓの水を１本持ち階段を降りる高齢女性と出会う。
どうしましたか、と尋ねると大津波警報が出ていたため、発災ときから市役所五階に避難しており、津波の可能性が低くなったため市役所向かいの別館２階に引っ越し作業をしているとのこと。
何度も往復しているそうだったので、珠洲市役所入りした４人のメンバーで引っ越し作業を手伝うことに。
４人で作業をすると一度で終わりました。
別館２階で避難住民数人に聞き込みを行うも特にボランティアにつながるような情報はなし。
目的なく外に出ると、珠洲市役所沿いに泥で汚れたオフロード車４台を発見。
実は珠洲市役所に入る前に目についていたものの、まず市役所でライトの情報を取るため、アプローチしませんでした。
改めて、話を聞くと、馬緤（石川県の北側先端付近）に通ずる道を見つけたが、この後どうすればいいか自分たちにはわからないとのこと。
道は荒れているが、オフロード車の牽引をバックアップにとれば戻って来れなくなるような状況ではないと言う。
オフロード車の装備から見ても普段から土に慣れていそうな人たちのこの言葉を信じて馬緤に支援物資を持っていくことを決意。
乳幼児の支援物資を持っておらず、市役所からもらわなければいけないため、行政交渉が必要。
行政交渉は当時の自身の立場を明かすと有利になると思ったので、４台のうちのNさんと二人で再度珠洲市役所に。
そこでアプローチしたのは珠洲市役所職員のAさん。
時間がもったいないので、Nさんに馬緤の状況を私とAさんに説明してもらう。
情報は大まかに四箇所の避難エリアが馬緤にできており、薬を切らした人と乳幼児がいるとのこと。（他にも詳細な情報はありましたが割愛）
そこで薬を切らした人の薬を市役所職員のAさんが預かっていることが発覚。預かっているものの道の状況がわからず渡せていない状態。
ここでAさんに自身の立場を明かし、薬と乳幼児用品を含む支援物資を自分たちのチームに任せて欲しいと相談。
Aさんから、少し時間をもらう旨を伝えられたため、市役所内で待機。
その間に情報を紙にまとめ支援物資運搬の優先順位を決める。
程なくしてMさんから返答。チームに薬を任せ、支援物資センターから民間から送られてきている支援物資を車に積み込み、薬を届けて欲しいと伝えられる。
このMさんの判断は容易ではないものだったと思います。
１５時３０分、支援物資センターで支援物資の積み込み。
行政からプッシュ式で送られてくる支援物資には触らず、民間エリアから支援物資を回収する。
乳幼児用大人用おむつをと液体ミルクを積めるだけ積載し、その他食品等を余ったスペースに積載。
軽自動車計８台分に積載。
積載中雨が降り始め、オフロードで遊んでいた自分にとってはかなり不安要素が膨らんでいました。
１６時、オフロード車3台は別目的地を中継して馬緤で合流する段取りを取り、N氏が乗るオフロード車とこちらの軽四２台で馬緤に向け出発。
ここまでが馬緤に向けて出発するところまでです。
普通に出入りしていましたが、珠洲市役所も建物が傾斜しており、安全なのかどうかもよくわからない状態でした。
次回は馬緤までの道のりからを投稿しようと思います。
Vol.３はここまでです。
読んでいただいた方ありがとうございました。
それではまた。
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