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同人誌って高い?

何年も前から二次創作をメインに同人活動をやっている私ですが、いまだによくわかっていないのが、
「同人誌が高い」かどうかです。

私のサークルはもはや認識すらされていないのでは、という寂しさに見舞われる島サークルのピコピコだからかもですが、恵まれていることと言えば、「同人誌高い、ぼったくりだ!」という言葉を投げかけられることがないことです。

X(ツイッター)で一時期見かけた「原価で売れ」だの「このページ数でこの値段は高い!」みたいなよくわからない文言。今もよくわかっていません。

イベント会場でそんなこと言われたら、意味が分からな過ぎて困り黙りこむと思う。
高いと思うのなら買わなくていいのに、って。
そもそも、どうして「同士が集まるイベント」に「同士じゃない方が紛れ込んでいる」のかが謎。

特にタイトルにもした「同人誌が高い」の意味がわからない。
「原価で売れ!」の意味もよくわからない。
というのは、私にとって「原価」とは、それを作るためにかかった費用だと認識しているからです。
費用というのは印刷代だけではなく、人件費、光熱費、材料費、交通費、作業所利用ならその費用、(あと私は小説だと)推敲するためのプリントアウト代、そしてイベントに参加しているならサークル参加費……その他いろいろかかるわけで……つまり原価で売れというのは、それにかかった費用全部含めた金額で頒布しろ、と、そう言われているのだろうか? むしろ神か?

私ちょっと理解力ないので、よくわからないけど、もし本当にそういう意味で「原価で売れ!」というのなら、神じゃないですか? 石油王?

でも、そこまで言ってもらっても、そんな原価で頒布するなんてとんでもない。
私にとって同人というのは、誰かに全部お膳立てしてもらって「やらせてもらっている」ものではないからです。
サークル主はあくまで自分ですから。
かかった費用全部支払ってもらったら、それはもう私のサークルではないですから。

これは私個人の考えなので、一般論ではありませんが、
同人活動で一番最初に自分がやることは、自分で原価(サークル代や印刷代)を払うことだと思っています。
だって、サークル参加にかかる費用を全部出してもらったら、それはもう「会社員」じゃないですか。
趣味とはいえ、同人活動には責任が生じます。
その第一歩として、自分で支払うことによってその活動に責任を持ちます、という意思表示が必要だと思います。

端的に言えば、お金払いたくない(責任取りたくない)なら同人をしなければいい。
二次創作はご存じの通り、その作品の原作者・関係者の生み出したキャラクターで好き勝手妄想して自分たちでいじって作品作ってしまう娯楽です。
お金が発生するしないの問題ではないのです。

で、これも私の個人意見ですが。
同人誌を買う、ということは、その責任の一端を自分も担います、ってことだと思っています。
「趣味なのにお金取るの?」という人に買ってもらいたくない理由は、そういう人はその責任を担う気がない「非同士」だと思っているからです。
転売ヤーはもはや論外だと思ってる。

二次創作はたしかに娯楽で、趣味です。
けれど、責任を持って活動しています。
その責任というのは、原作から外れた話は描きません!とかじゃない。基本作者以外が描いている時点で、原作に反っていようがいまいが、原作者の意思に反しているのです。(すべての原作者が、というわけでもないけど)


そんで、過去の記事でやかましい数ほど言ったと思うので、何度も読ませてしまって申し訳ありませんですが。
本来なら同人作品というのは、その方の脳内にしか存在しない宝物なのです。
それを共有してくれるというその方の宝物に、どうして「高い」と言えるのでしょうか。
その宝物に金額をつけるのはその方の特権だし、それを買わせていただく権利をくれるのもその方の特権なのです。
その方が「この宝物は他の人に見せません」っていうことなんて普通にあるのに、時間や労力、お金を使って共有してくれるんですよ! 自分に払える金額なら払いますよ! そして、少しでもその労力やお金や、戻らない時間に貢献できるのなら、したいじゃないですか!

私の思う「同士」とは、そのことを理解し、その方の作り出された宝物と、それによって生じた「責任」の一部を担うことを約束するための対価を払うことが出来る人のことだと思います。

ですから……。
「高い」と文句を言う人は、その責任の一部を負担することが出来ない「非同士」だと思うんです。




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