〈倫理の教本〉考える あなたのための倫理入門 (メアリー ウォーノック・オックスフォード大学卒 元英国貴族院議員)を読んでの文 1
◎ まずこの書 考えるあなたのための倫理入門は、メアリー ウォーノック(1924~2019)(道徳・教育 哲学者、女性男爵)により著された、現代において倫理(道徳哲学)の代表的教本です。
内容は、①死について ②誕生について ③権利について ④倫理の源 ⑤自由 責任 決定論 ⑥ではどうするか、と記されています。
◎はじめにからで、倫理学(人の善いありかた)の敵は、
相対主義(何事も状況により違うので、答えはない とか)
原理主義(宗教とかでの絶対権威的もの とか)(私見で迷信 多い)
冷笑主義(そんなこと一文の得にもならない、世の中 綺麗事ではない 等)(近年 netの世界で多い)
であると。
◎第二次大戦後まもなくの 、イギリスでの哲学は論理実証主義で、確実に証明できないものは、論じても 考えても無駄というのが 主流であったと。(真実、価値 等で)(言語哲学的もの のみになっていたと)
過去の偉大な哲学者達の言葉も、個人の感想的であると。(代表者 当時ケンブリッジ大学 哲学者、G・E・ムア によるところ)
◎前の言語哲学的もの のみに、果敢に挑戦していったのが、ウォーノック氏らの オックスフォード大学の女性哲学者達です。
◎ウォーノック氏は、認識論で ニーチェ、サルトル、フーコーを相対主義と批判しています。
またウォーノック氏の実績では、障害を持つ子供に、教育を受けられる ものを提言したこと、人胚(受精卵)の研究利用の14日ルールを発案・提言したことです。
※〈本題〉
①〈死〉(安楽死・尊厳死問題)
△末期ガン患者、筋ジストロフィー患者 等にたいしての安楽死問題で、まず 法律(殺人罪)がある。(これがないと 大変なことになる、医師が自分の都合で人を薬殺できてしまう)
ので、個人的感情のみでなく 倫理(善・悪)を考えることが必要であると。(最善の道へ)
(法律は公共のためにある、です)
△ウォーノック氏、遺伝の病気治療で遺伝子操作する。末期ガン患者に対して モルヒネ増量があるが、原理主義者(教条主義者)達には反対する者がいると、自然に反するという理由で。
ならば、盲腸の手術や股関節の手術にも反対するべきだと。(自然に反しているので)
(私見で、全く同感ですし 原理主義者は一切の医療行為を受けるな、と言いたくもなる、そういう訳にも いきませんが)
△脳死状態(植物状態)の患者に対しての判断では、その患者の 生の質と 周りの人達の状態(心理的・経済的)が考慮されたと。(英国、消極的安楽死へ・水分 栄養分ストップでと)
※ウォーノック氏、このような判断基準で法律をつくり、安楽死の無制限と なることへ歯止めをかけること必要だと、述べられています。
(真に合理的な 意見だと 感心します)
②〈誕生〉(人胚・中絶 問題)
△メアリーウォーノック氏、人胚を14日を超えて生かすは、犯罪とする(法律)の、14日ルールの考案者と。
・理由は、人胚14日以降は 分化 活発になると、あと神経系もできてくるのでと。
(このような基準は、必須で有意義と思われます)
△ウォーノック氏、何かの判断 基準において、事実に関する知識なしには、誰も正しい判断などできないと。
(私見で 全くその通りと思いますし、そして 人にとって知らない ということが、一番恐ろしいこと、まして迷信を信じ、〈自分たちの得のため・心理的 経済的〉
人を騙して何か させるなどは、言語道断と考えます)
△ウォーノック氏 、人胚の研究が、人々の役に立つ ということに、原理主義者は一切 耳を貸さないと憤っています。
(まるで、どこかの新興宗教・原理主義政党・老害者のようです。古代・中世レベルの人々)
(確かに、信条とか 義務論的ものも いりますが、他人の命や幸せを奪うようなことが、許されるはずがありません)
△ウォーノック氏、法律は ある程度の功利主義がいると。
(法律は公共のことなので、その通りと思います。・多数者の幸福、利益)
△(人工妊娠)中絶の問題でも、この書には 有意義な内容が書かれいます。
(ウォーノック先生の思考力は、尊敬に値します)
※(次へ)
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