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生き別れだった双子、TikTokで再会—ジョージア

ことの起こりは、12歳の女の子エイミー・クビティアが、彼女の好きなテレビ番組である「発掘!ジョージアの新タレント」を見ていたときでした。黒海のそば、エイミーの(育ての)親の家での出来事です。

テレビの画面では、エイミーにそっくりの女の子が、歌って踊っていました。そっくりどころか、まったくの瓜二つです。テレビの前にいた子供たちは騒ぎました。「どうしてエイミーが別の名前で踊っているの?」と口々に母親に聞きました。母親はテレビを消して言いました。「誰でもドッペルゲンガー(そっくりさん)ってのは居るもんさ」。

その7年後、2021年、エイミーは髪を青く染めて眉にピアスをしたので、そのおしゃれな姿をTikTokに載せました。そのとき、320km離れたジョージアの首都トビリシでは、19歳の女子大学生アノ・サルタニアが、友達から一つのリンクを受け取りました。アノは思いました。「へえ、この子私にそっくり」。

アノは気になって、そのTikTokに映っていた眉ピアスの女の子についてネットを調べてみましたが、何も見つかりませんでした。それでアノは大学のグループチャットに「ねえ、この子のこと誰か知らない?」と投稿してみました。はたして、エイミーを知っている学生が、アノとエイミーのFacebookを繋げてくれました。

エイミーは喜びました。このそっくりさんは、12歳の時にテレビで見た女の子に違いありません。「あなたのこと、ずっと探してたの!」とメッセージを送りました。アノも「私も!」と返しました。

しばらく二人はメッセージをやりとりしましたが、話をすればするほど、二人にとって不可解なことが積み重なっていきました。
二人は同じ西ジョージアのキルツキ産科病院で生まれていました。出生証明書によれば、生まれた日には数週間の差があったので、二人は姉妹ではない、まして双子では絶対にない、と最初は思いました。ですが二人は同じ音楽が好きで、偶然にも同じヘアスタイルをしていて、趣味はダンス、さらに話してみると「骨変形症」という同じ種類の遺伝病を持っていることもわかったのです。

二人は会ってみることにしました。エイミーは首都トビリシに行き、待ち合わせ場所である、地下鉄ラスタビリ駅の出口に向かいました。

その時の様子を、エイミーはこう語ります。「鏡を見ているようでした。全く同じ顔、全く同じ声。私は彼女で、彼女は私でした」。それでエイミーは、自分たちが双子だと確信しました。
アノはこう語ります。「ハグは好きじゃないんだけど、ハグしちゃった」。

その後、二人はそれぞれの「親」を詰問します。紆余曲折はありましたが、二人は「養子」であること、それぞれは生物学的な一卵性双生児である、ということを認めました。


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