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高校生のヒッチハイク

『春のヒッチハイク』

4/4〜4/8

静岡県 掛川市 〜 島根県 松江市 七類港  

最終目的地 隠岐の島 海士町


『自己紹介』

村松 新太

2005年静岡県掛川市に生まれ

地元の中学を卒業後、地域未来留学の一環として、島根県の離島 隠岐島前高校に入学した。


『きっかけ』

春休みにヒッチハイクで自然豊かな四国に行こうとしていた所、親に「3/25に家族の祝い事があるから早く静岡に帰ってきなさい」と言われた。静岡にヒッチハイクで帰ろうと思ったが、流石に一日で帰る自信は無かったため、普通に帰り、島に帰る時にヒッチハイクで帰ることに決めた。ある日塾でヒッチハイクの話を友達(りんと)が聞き、一緒にしない?と誘われた。正直一人は不安だったため、普段なら一人でしたいと言う自分も不安には勝てず、一緒に静岡から島根県の学校に帰ることにした。4/10日の始業式に間に合うように4/9の昼頃には境港、又は七類港に間に合わないといけない。


『ヒッチハイク当日』

りんとは東京から静岡に来て僕と合流してから、僕の地元を出発することにした。静岡名物の「さわやか」のハンバーグを食べに僕と僕の両親と友達で一緒に行った。

父は僕の白いTシャツを見て、「乗せてもらった人にサインしてもらったら?」と言い、母は「ハンバーグを食べ終わった後に貰えるハッカの飴でわらしべ長者をやったら?」と言う。自分なりのヒッチハイクをしたいと思い、運転手と一緒に記念写真を撮ることにした。

食べ終わった後、高速道路の入り口で大阪方面と書いたスケッチブックを持ち、りんとと二人で待つことにした。

改めて一人ではできないと思うぐらい恥ずかしかった。通る運転者はもう二度と会わないと思えば、心は少し楽になる。そんな緊張と共に自分今すげぇ事してると思う嬉しさもあった。

相手は興味を示す目をしてくれる人もいれば、軽蔑するような目もある。

こんなにも目が鋭く感情を表すのかと思う。

スケッチブックをずっとあげるにはしんどかったため、5分ずつ交代ばんこであげた。


『1台目』

スタートしてから三十分ほどで一台の車が止まってくれた。急な出来事に胸が踊った本当に嬉しかった!あまり良い例えはできないが、ギャンブルで当たった時の様だ。無事に乗ることができた。車内では当然ヒッチハイクについて聞かれた。高速道路は長い。話が止まると気まずい空気になる。はじめましてだからしょうがない。

藤枝パーキングエリアまで乗せていただいた。降りようとした時運転手の手だけが伸びてきて、1000札をカッコよく僕らに渡してくれた!ドラマで見る渡し方だ。


『2台目』

一日目の目標地点である名古屋に行きたい僕らは、すぐさまスケッチブックを出して待った。先程よりも車がとまりやすく人の目に付きやすいからか、数分程で二台目を捕まえることができた。運転手は坊主頭で海老蔵さんに似ている方。「少ししか進まないけどいい?」と聞かれたが僕らは元気よく「はい」と言った。一つ前のパーキングエリアにしか進めなかったが、声をかけてもらう、少し進めるだけでも嬉しかった。


『3台目』

先程より小さいパーキングエリアに不安があった。そんなことを思いながら待っていたらほんの4分ほどで中年男性二人に声をかけられた。テンポの早い出来事続きで、本心から驚き、自分の笑顔を超えたニヤけが出てくる。話を聞く中で、ボートレースのアナウンサーの方と同じ会社の後輩であることがわかった。大きいパーキングエリアに連れてってもらい、たくさん並んだ屋台でコロッケと餃子と飲み物を買ってくれた。4人で記念撮影を撮った。最初の記念写真。

乗せてもらって、その上、ご飯をご馳走になった!若さ故なのか、善意なのか、とにかく嬉しい!


『4台目』

食べ終わった後、上りと下りが合わさった大きなパーキングエリアで下り方面を確認して再び待った!ヒッチハイクも慣れてきて、どこの位置が車から一番見やすく、止まりやすいか考えるようになった。運転手の笑顔や応援が

僕らの希望に繋がった!スタバから女性が数人こちらを見ながら座っている。人通りが多いため少し、恥ずかしかった。スケッチブックを交代ばんこに掲げながら待った。意外にも人通りは多いが捕まらない…小さいパーキングエリアですぐ捕まったこと、大きいパーキングエリアで中々捕まらないことから、単純な数、台数の問題ではないと思った。

白いミニバンが来て止まってくれた。中から女性3人が優しく声をかけてもらい、乗せていただくことに。

遠くから見てて可哀想で息子と同じ世代という理由で乗せてもらった。

3人は職場の仲間で医療関係で働いており、うなぎパイ工場に見学に行こうと思ったら閉まってており、他で観光をしたそうだ。うなぎパイとお得用の治一郎のバームクーヘンをもらった。

刈谷パーキングエリアまで乗せていただいた。大きな観覧車を見て、一度来たことがあるとわかった!別れてから途中で記念写真を撮り忘れたことに気が付き追いかけた。無事記念写真を撮らせてもらった。5時頃だったので、パーキングエリア内の食堂で食べることに。

せっかく、帰省費を使わず、島に帰るのなら、ヒッチハイクが長引き、ご飯代で沢山お金を使っては意味がないと思い安いうどんを食べた。

スケッチブックを掲げて再スタートしたが、暗くなり、中々捕まらなかったため、今日は刈谷パーキングエリアで寝ることにした。ライトアップされた観覧車が本当に綺麗で輝いていた。

刈谷パーキングエリアにはVIPトイレがあり、絨毯がひかれており、とにかく綺麗だった。その中の更衣室で二人は体を休む事にした。狭いが、4月の外は寒いため、全然マシだった。ハンドドライヤーの音を除いては…

22時までしか使えないので、近くの公園のネット遊具で寝ることにした。ハンモックより広くていいが、とにかく寒い。暇だったため、友達と「キングオブシーヴズ」という映画を見た。寒さを忘れるほど面白かった。

見終わり、僕は持参の寝袋、りんとは寝袋は無いが温かい格好で寝ることに。寒すぎて時々起きてしまう。


『二日目』

朝、朝日を撮影するために5時に起き、カメラと三脚を持って見える方角まで行ったが、あいにく曇で隠れてしまっていた。戻ってくると、僕の寝袋を畳んでくれているりんとがいた。寒かったため、体を温めるために公園のアスレチックで遊んだ。昨日もらったバームクーヘンを一緒に食べ、朝食終了、

寒いのと眠たかった僕らはもう一度、VIPトイレの更衣室に行くことに、とても暖かく、そのまま寝てしまった。結局、ヒッチハイクを再開したのは8時頃だった。


『5台目』

夜では分からなかった刈谷パーキングエリアの大きさ。大きい場所は交通量が多いが、意外とヒッチハイクを待つ場所が難しい…僕らは一番人通りが多く、泊まることのできそうな場所を選んだ結果、パーキングエリアから出ていき、下道からパーキングエリアに入る、道が混雑している所にした。前を向いて、出る車、後ろを向いて入る車の両方に見せながら待った。僕がスケッチブックを持っている時後ろ側である、下道から入る車に気が付きアピールした所、止まってくれた。若いカップルだった。正直、カップルが止まってくれるとは思ってもなかった、せっかく春の二人のドライブに他人を乗せたくはないだろう…と

今から大阪のテーマパークに行く途中であった。疲れていた僕らは乗せてもらっているのに、ぐっすり寝てしまっていた。気づけば東大阪まで来ることができた。距離はあるが愛知から大阪は都会間。予想通り一台で行けた。

おにぎりとカイロをいただき、記念撮影した。本当に嬉しい!


『大阪観光』

少し休んでペヤング大盛りといただいたおにぎりを食べて、下道に出て、観光することに。パーキングエリアからの歩道の出口が分からず、2メートルの柵を越えて出た。

3時間ほど歩き、やっと大阪城が見えたが、城内が広すぎて天守閣が遠い。しかも、城内にスタバがある。観光客も平日とは思えないほどいて、春の桜の効果だと感じた。近くで見るのは初めてで迫力では掛川城の比べ物にならないが、この量の人が集うほどではないと思う。写真を数枚撮って足早にヒッチハイクの狙い目である、城の駐車場を目指した。しかし、車ではなくツアーバスばかり…下道で捕まえるため、交通量の多い都市部に向かった。結局捕まえやすい場所が無かったため、諦めて1時間ほど歩き、グリ下に向かった。天気予報通り、ヒッチハイクの天敵である、雨も振り始めて明日が心配になる。僕らの雰囲気も下道に降りた後悔などから悪くなる。あまりいい写真は撮れなかっが満足だ。24時間営業のマックで夜を越そうとしたら、りんとの友達が家に泊めさせてくれるということから。僕らの雰囲気は少し良くなった。お世話になるということで、旅枕というお菓子を買って向かった。

集合場所の駅にて泊まらせてくれる友達を待った。急に声をかけらてたかと思うと、「よろしく!」と元気よく言ってきて、反応する間も無くジョークを言って、怪物コミュ力の持ち主だという事に気づいた。本当にオーラが出ていた。それでおいて、同級生とは…そんな彼の名前は「ひで」。自転車で来ていたひでは僕らと一緒に歩きながら、家まで案内してくれた。

まさかの高層ビルで、自転車を外に停めるのではなく、エレベーターで乗せて自転車専用階に停車した。都会の凄さに驚く。エレベーターがあがり着いた所は周りのビルを一望できるほどの高さ部屋。正直、羨ましかったが、3日で飽きるらしい。2日ぶりのお風呂に入れさせてもらった。ひでの両親と3歳の妹か弟が帰ってきて、またもやびっくり!まず、3歳児とは思えない程のコミュ力!普通は知らない人を怖がるだろうが、僕らに怖じけず、この子はよく喋りしかも英語も少し喋れた。

両親も急に泊まることになった僕らに優しく接してくれた。ここまで優しく、コミュ力が高いのにはひでの一家が外国によく行くからだろう。ひでもニュジーランドの学校に通っていたり、高校生で計画して東南アジアの国を旅したりと、同級生とは思えない。

ひでの部屋の汚さは同級生を感じさせる。


『3日目』

朝、オレンジとチョコとパイナップルをいただき、出発。途中でバーガーショップに入ったが、驚くほど味が濃い。その後、ひでも一緒に近くの高速道路入り口で岡山方面の車を待ったが、信号が赤にならなければ、止まれない場所であったため、難しい場所ではあるが、。都会は人通りが多すぎてこの場所以上に止まれる場所がないので、とにかく、待つしかなかった。

一時間待っても、反応がなく、代わりにパトロールカーが止まり危ないと注意された。友達が一人増えて心強かったが、横を歩く都会の歩行者の前では、少し恥ずかしかった。


『6台目』

3日目のヒッチハイクを開始してから3時間後、遂に一台の車が止まり、ひでとお別れしてまた僕らのヒッチハイクが動き出した。サーフィンとサッカーが好きな経営者で昔、新幹線が苦手でヒッチハイクをしたことがあるそうだ。トラックの運転手は長距離移動だから、オススメとの事だったが、まだトラックは一度も捕まえれてない。

とにかく高速道路に乗れて本当に良かった。大阪の不安が一気に消えた。

パーキングエリアで降ろしてもらい。カレーをご馳走になった。記念撮影も撮り、インスタを交換したとき、まさかの息子の名前が僕と同じ(あらた)だった。こんな偶然があるとは…親近感が湧く。


『7台目』

食べ終わってまたスケッチブックを出して待った。30分程で、若いお兄さんが乗せてくれた。車の中で話してみても、笑顔が一切見えず、話も続かなかったため、僕らは危険を感じ絶対に寝てはいけないと思っていた…

二人とも寝てしまった。運転手も僕らの偏見で判断しただけで、普通に優しい人で無事に何事も無く新たなパーキングエリアに着いたが、疲れた状態では体は言うことを聞かないことがわかる。


『8台目』

少し休憩して、岡山方面を掲げて待った。ほんの数分でカップルの方が乗せてくれた。2回目のカップルに正直ビックリしている。

本来ならカップルに嫉妬している所だが、ヒッチハイク中なら誰であろうと「乗せていただける」=「神様」だ。僕らが疲れていたのか、話はさほど盛り上げれなかった。

最後に記念撮影をしてお別れをした。


『9台目』

着いたパーキングエリアは丸亀製麺がある所だった。

すぐさま車を待ったが、目的地方面ではない車ばかりで少し焦りを感じた。

おじさんがやってきて「狭くて良いなら乗せてくぞ」と言って乗せてもらう事に…トラックの運転手で二人乗りの車だったため、運転手とりんとの後ろに僕が寝そべった。木材や道具があったので体を曲げながらなんとか車に乗れた。とてもおしゃべりなおじさんで、僕らにたくさん質問した。おじさん曰く、現代の大手運送トラックは会社からヒッチハイクの人を乗せては行けないと言われているらしい。

ブレーキを踏むたび、僕は落ちそうになるが必死に耐えながら、今にも寝たい気分を抑えた。

着いた所はまさかの長船サービスエリア下道であった…大阪の時の中々高速道路に乗れない辛さと、高速道路のパーキングエリアと言わなかった自分たちへの後悔が残った。雨も降ってきて、これ以上進めないと思い、喫煙所のベンチで野宿することに。また寒い思いは嫌だったため、サービスエリアのショップの方に「なんでもお手伝いするので、泊まらせてください。」と言ったが断られてしまい。なくなく、喫煙所で寝た。自販機の音、寒さ、特にタバコの臭さがキツかった。


『4日目』

朝は基本的に僕が6時頃に起きて、りんとの快眠の顔を見る。どうして、寝慣れていない所で、しっかり8時間寝れるのか、いつも不思議に思う。8時頃、ヒッチハイクを開始したが、雨で交通量が多い所に出す事ができなかった為、1キロ先のファミマでヒッチハイクをすることに。朝ごはんに甘い匂いを漂わせていた焼き芋を我慢しながら、またまた大盛りペヤングを食べた。最新刊のジャンプも確認して、ファミマで待った。入ってくるお客さんと店員さんが本当に仲がよく、これこそ(家族店)ファミリーマートだと思った。


『10台目』

田舎のコンビニで雨が降っていては、店を利用する人少人数にしか、スケッチブックが見られない。大阪の時以上の待ちを覚悟したが、1時間程で軽自動車が駐車場に駐車し、女性の方が乗せてくれた。僕らの話を聞かれるかと思いきや、自己紹介をし始めた。名字はまさかの「安良田」(あらた)だという。二人目の(あらた)に偶然ではなく、必然的に出会ったと思った。

話の途中では、娘が病気で今日は娘の容態を見に行く日ということも。僕らを快く乗せてくれたのは、僕らを乗せた良い行いが巡り巡って自分の娘の無事に繋がると話してくれた。「そうですね」としか、返せなかった。

沈黙の車内はまもなく、僕らが降りるガソリンスタンドに。

ガソリンスタンドに着き、ガソリンスタンドの人に僕らの代わりに許可取りをしてくれた。本当に優しい方だった。

『ガソリンスタンドの悲劇』

ガソリンスタンドについた僕らはガソリンスタンドのフリースペースで休んだ。雨も降っていたが、ガソリンスタンドは屋根があるため、ヒッチハイクにピッタリだと思った。お客さんの入りも良く期待していた。

つかまらない…交代ばんこで疲れた体を休めるが、とにかく反応がない。ガソリンスタンドの方にアドバイスをもらいスケッチブックを書き直したが、反応がなく、ガソリンスタンドに着いてから5時間が経過していた。雨も止んできたので、ガソリンスタンド前でやったが無理だった。トラックの方が鹿児島までだったら行くのにな!と言ったため、とりあえずパーキングエリアで降ろしてくれれば良いと説明したが、「二人は無理だよ」と…

諦めた僕らは近くのCoCo壱番屋に行くことに途中の王将も迷ったがりんとの初CoCo壱番屋という事でCoCo壱番屋に行くことに。

CoCo壱番屋で作戦会議をして「ヒッチハイクを辞めて境港まで歩いてもいいよね!」と150キロ以上ある道のりを寝なずに歩いたら2日で着き、始業式までに間に合うというが、重い荷物を持つ僕らにできるわけがないと、ジョークで言ったはずの案を正論で押しつぶした。僕らは3時間歩いて、歩いて入れる吉備パーキングエリアに行くことにした。

歩くスピードが早い僕はりんとより前をGoogleマップを見ながらどんどん進んでいく。たまに後ろを見たり、撮影したり。キツかったが歩く良さも感じた。岡山の町並みは焼杉という伝統技法を用いた家を何軒も見た。歩いてたかこそ、気づけたのだろう。


『吉備パーキングエリアの地獄』

なんとか真っ暗な夜の7時頃に吉備パーキングエリアに着いた。やっとパーキングエリアでまたヒッチハイクを再スタートできる喜びを感じながら、少し休んで、始めた。色々な人が声をかけてくれたり、せんべいやカイロをいただき、反応の良さから、すぐつかまると思い、期待した。だが12時になり、

ヒッチハイクで一番寒い夜(体感9℃)になっていた。あまりの寒さに洗濯もできていない持ってきていた服すべてを着たがあまり変わらない…

他のパーキングエリアでは無かった24時間営業の店内があったため、中で寝ようとした。暖房があったため温かいと思ったら時々入ってくるお客さんが自動ドアをくぐる度、冷気が入ってくる。我慢しながら1時間おきに起きてを繰り返して寝ていた。


『5日目』

朝5時以降は寝る事ができなかったが、りんとは相変わらず8時までしっかり寝る。僕より厚着をしているとはいえ、この寒さでスゴい!

昨日の昼からまともなご飯を食べていなかったが、りんとを起こしてヒッチハイクを始めた。りんとは「もし、12時までやってつかまらなかったら、チート使う」と言った。僕はお金が尽きるまでは、始業式に遅れようがヒッチハイクを続けるつもりだったが、りんとは親から厳しく言われているため、必ず間に合わないといけないらしく、チート(公共交通機関)を使って島に帰るそうだ。

1時間おきに交代ばんこで、外に出てスケッチブックで待つことにした。僕のターンが来て、色々な方から「乗せたいけど方向違うの~」と声をかけてもらったり、飲み物をいただいたり、応援してくれた。冷たい飲み物の時は嬉しい顔をしていたが、正直冷えた体には爆弾であった。時には米子方面と書かれたスケッチブックを見て「迷子ですって書いてあると思った」と言ってくれる方もいた。どんな対応であれ、スケッチブックを掲げている汚いなりをした僕に声をかけてくれるのは、温かい飲み物よりも心を温めた。最初の頃の優しそうなヒッチハイカーと思われるためのつくり笑顔ではなく、心の底からの笑顔でスケッチブックを見せれた。

りんとだけは一度も飲み物を貰わなかったため、僕だけ運が良かったと思う一方、本当にスケッチブックを見せているのか気になった僕は荷物を見る当番をすっぽかして、見に行った。片手はスケッチブック、もう片手は携帯と真面目にやっていなかった。それもそうだろう。彼はチートが使えるのだから。不満を抱えながらもヒッチハイクを続け、とうとう12時になり、お別れをすることに。一人でやれば乗れる座席数は減るため、乗せてもらえやすくなった一方、一人で行う不安もあった。そりゃそうだろう。現時点で10時間も待って、これからも乗せてくれる保証は無いのだから…一人になって続けたが、途中でお腹が痛くなり、トイレに籠もることに。流石にご飯も食べず、風呂にも入らず、寒さに耐えながらだったためだろう。他人に迷惑がかかる可能性があったため、なくなく食べた。1000円以上の少ない飯を食べたが少し元気になった。


『11台目』

長く休憩していたため、一度島根、鳥取ナンバーの車をさがす事に。駐車場の一番端の所にあった、島根ナンバーを見つけて、近くで張り込むことにした。10分程でおばあさんとおじいさんが来て必死にお願いした。最初は「荷物が沢山あるから無理だよ」と言われたが必死さが届いたのか、車の中を整理し始めて乗れるスペースをつくっていただき無事に乗車させてもらった。吉備パーキングエリアでのヒッチハイク時間は11時間に及んだ。やっと進める事に本当が嬉しかった。

城めぐりで旅行していて、その帰りだという。途中で買ったというご縁まんじゅうを、これもご縁だねと一つ僕にくれた。おじいさんの方は漁師をやられてるそうで、隠岐の島にも漁で行くらしい。名刺をいただき、「無事に着いたら連絡してね」と心配してくれた。


『12台目』

米子まで来れた喜びを自撮りで動画を撮りながら、七類港方面まで歩いた。

途中にあったコンビニでタバコを吸っているおじさんがいたため、調子に乗った僕はしつこいぐらいにスケッチブックでアピールした。気持ちが届き、「七類港?乗ってく?」と言って乗せてもらった。ヒッチハイクの話をしながら、無事に七類港に着いた。記念撮影をして車が見えなくなるまで礼をした。無事に目的地の隠岐の島行きのフェリー乗り場着いた。途中で別れたりんとよりも早い到着だった。


『番外編』

「気分は最高、船は欠航」

まだ出発時間まで2時間ほどあったが、近くで遊ぶ所がないため、フェリー乗り場中で休むことにした。誰も居らず、取りあえず座っていると、隠岐汽船の方が来て、「フェリー欠航しましたよ」と言った。本当に運が悪かった…次の到着したフェリーが来るタイミングでバスが来ることも教えてもらったが、ここで、乗って境港周辺のホテルに泊まる訳にはいかない…金を使いたくないからだ。そうして今日も野宿することにした。七類港の近くの人がいない所に行こうと思い、歩いて上陸できる小島にある明島神社で野宿することにした。道迷いながらも到着し、テントを張ったが、船が欠航するほどの海風が吹くため、すごく揺れる。島からの夕日をカメラで撮り、途中の商店で買った食パンを枕にして寝た。寒すぎて起きては寝てを繰り返したが、無事に無人島での野宿に成功した。朝早く起きて島の写真を撮ってから、フェリー乗り場に向かい、乗船して高校がある。海士町に帰ってこれた。

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