【23卒社会人】暴かれてゆく人間性【日記】

接客ではないけど、ある程度人と関わるお仕事をしている。そんな事を言ったら全ての仕事がそうだけれど、とりあえず人と関わっている。でも私にはまだまだ難しくて、喋り方の練習を毎朝先輩に付き合ってもらって続けているのだけど。その時に、言われた。先輩はグダグダな私の練習を聞いて言った。
「あなたは結構ドライだから、苦手だし難しいと思うけど、その人に興味のあるフリをして喋ってみよう」
あ、バレてたんだ。知られてたんだ。まだその人とは三ヶ月の付き合いだけど、先輩は察していた。

自分で言うと何だか厨二病みたいだけど、私は人に興味が持てない。どんなに友達でも、その子の誕生日や好きな事を覚えられた事なんて一度たりとも無かった。その子の誕生日当日、友達がプレゼントを渡しているのを見て誕生日なんだと知ったくらい。誕生日なんだねと言えば『前に言ったじゃ〜ん！』と返されて、少し気まずくなるまでが定型。
人が嫌いと言うわけではない。人と話すのは嫌いじゃないし、話を聞くのは案外好きだったりする。でも興味はないから覚えていられない。話していて面白いと思った事だって、数時間経てば記憶から消えている。
私は芸人さんが好きだけど、別に芸人さんのパーソナルな部分が知りたい訳では全然ない。その人達が書くネタとか、世界観とか雰囲気とか、そう言うものが好きなだけで、別にその人たちの人間性はなんだって良い。推しとして幸せに過ごしてほしいとは思うけど、恋をする程熱烈ではない。例えばその人が結婚して、子供が生まれたとしても私はただ『ご家族みんな一緒に幸せになってください！健やかでいろよ！奥様は大切にしろよ！』と推しに金を投げるのみ。
多分、人に興味がないのは、その人の世界に自分はいないものだと思っているから。漫画の背景に雑に描かれている薄い顔のモブキャラみたいなものだろうし。どうせ近いうちに関わらなくなると分かっているからこそ、無駄な情報は脳の中から減らしておきたいのかもしれない。
私は人との関係性を切りたがる傾向にある。小中高と学校が変わるたび、一年経てば連絡先を消していた。自分から連絡を取る事なんてなかった。でもそれで困る事は一つもなかったから、更に人と関わらなくなった。人から関わってくればそれなりに笑っているけれど、自分から踏み込んで行く事は絶対にない。だから当たり前の様に三年以上、関係が続いた人は今までに一人もいない。
人に興味がなかった。人に対して快不快はあったけど結局表面的な要素で判断していて、好ましく思う友人も、嫌いな誰かも、興味の度合いは同じだった。
私は新垣結衣が好き。彼女が裏ではとんでもなく奔放でやんちゃだとしても、彼女の事は好きなままだと自信を持って言い切れる。多分不倫しても好き。顔が可愛いと言う理由だけで、好きでいられる。ガッキーの人間性と言う情報は一切必要ない。
私はそんな人間だった。人の誕生日なんて覚えてられないし、推しの人間性にも興味がないし、大体三年くらいでその環境から自分を切り離し、人との関係を絶って姿をくらませる様な、そんな人間だった。

先輩はこの三ヶ月で私の人間性をざっくりと見抜いていた。ドライで、人に興味がないところに気付かれてしまった。
でも、もしかしたら、それに気付いていたのは先輩だけじゃないのかもしれない。関係のあった友人達や知り合いは、皆それに気付いていたのかもしれない。この人は人に興味がなくて、だから聞かないし、自分の事も話そうとしないのだと。誰かは気付いていたのかもしれない。じゃあこんな人間と、短い間でも友達をやってくれていた人達はどうしてなのだろう。その時、一体私に何を思っていたのだろうと気になって仕方がない。

私はこれからも人に興味が持てないと思う。人に興味がなさすぎて、これからの人生友達なんか出来やしないと思うし、彼氏なんて以ての外だと思う。でもせめて、仕事では人に興味を持っている人を演じられたら良い。自分を更生する事なんてもう出来ないから、良い人の演技が出来るようになりたい。

そんな事はどうでも良いけど、無料公開しているおやすみプンプンを読め。通勤中と休憩時間に読んでちゃんと凹んだぞ私は。