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認知症家族の苦悩

一番認知症で困る事というのは、母の場合の現在は勝手に外に出てしまうということです。
これが繰り返されるとほんとうに危険だし、冬の寒い日には風邪をひくどころか、命の危険に直結するということになりかねません。

母の立場になって考えてみます。
なぜ外に出たいのか?

昨日はディサービスから戻ってきてこう言っていたんです。

いつまでも人の家に世話になれないよ、早く帰らなきゃ。


認知症の頭の中でなにを考えているのか・・・ここを知ることが重要な事になるのです。
そうです。母は今は自分の家ではない。人の家に厄介になっているのだから戻らなきゃいけない。

この発想です。

何度説明して納得してもらっても、記憶というのは昔の北区新琴似の家から一歩も変わっていないのです。
短期記憶から長期記憶に今の家が切り替われば、今のいるところが住まいだと考えるようになるのかもしれません
この切り替えがどうできるのか?
短期から長期記憶に切り替わる前に、記憶は消えてしまうのです。

朝に、ここはどこ?どこに住んでいるの?と聞くとわからない。私の家ではない・・・

そういいます。

やはりです。長期記憶にはもう入りません。
なので、ここを自分の家を認識することはかなり難しいことなのです。

きっと、別の施設に移ったら、ここで泣いたり笑ったりしたことも、以前の患者さんが毎週のように訪ねてきてくれたことも、すべてすべて忘れ去られてしまうのです。

悲しい事ですが仕方ありません。

家族はどう考えたらいいのか。

一番優先するべきは身の安全なのです。
制約は多くなるかもしれません。施設というのはそれだけいろいろな制限もあります。
家族が、僕が毎日顔を見ることはもしかするとできないかもしれません。
それでも、命を守ることのほうが大事なのです。

昨日はいろいろ考えて眠れない夜を過ごしました。

ほんとうに母に良いことは?
自分のエゴでこの状況に母を置くことがいいことなのだろうか・・・
考えても考えてもなかなか答えはでるものではないのです。

罪悪感・・・
なぜなんでしょう?
なぜこんな風な気持ちになるのでしょうか。

悲しくて苦しいのは仕方ないことなのでしょうか・・

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