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富士山噴火と南海トラフ Vol. 2

最近、能登や千葉で地震が相次いでいるので、買ったは良いけどあまり真剣に読んでいなかった「富士山噴火と南海トラフ」と言うブルーバックスの本の一部を読んでみました。

富士山は10万年もの間、噴火を繰り返してきたが、1707年の宝永噴火以来、沈黙を保っている。しかし、このまま噴火しないままでいることはあり得ない。

富士山の噴火は次に来る大地震の震源と予想される南海トラフの動向抜きには語れない。

まず、日本列島全体に於ける富士山の位置を調べてみる。

日本列島の成り立ちはプレートと呼ばれる岩盤の動きで説明できる。地球の表面は11枚のプレートに分割出来る。プレートには陸を作るプレートと海底を作るプレートがある。このうち日本列島には4枚のプレートが関わっている(図6-1)。そして陸のプレート2枚、海のプレート2枚の相互運動によって日本列島は約200万年前に誕生した。

この4枚のプレートのうち、海のプレートは陸のプレートの下に長期にわたって潜り込んでいる。太平洋プレートとフィリピン海プレートが今も絶え間なく沈み込んでいる(図6-2)。

日本列島はゆっくりたわんでいく。やがてそれに耐えられなくなり、陸側のプレートは元に戻ろうと跳ねる。この時、海底で地震が起きる。このような場所を震源域と呼ぶ。3.11の東北大震災はこのようにして日本海溝で起きた。このような地震を海溝型地震と呼ぶ。南海トラフ地震もこのタイプの地震である。

地震にはもう一つ阪神淡路大震災のように内陸の活断層で起きるものもある。このタイプの地震については次の章で述べる。

富士山の近傍には、北米プレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレートが集まった場所がある。これはプレートの三重会合点と呼ばれていて、地球上で極めて珍しい場所である。

日本列島の太平洋側ではフィリピン海プレートが北米プレートとユーラシアプレートの下に沈み込んでいる。その海底では西から南海トラフ、駿河トラフ、相模トラフという凹地形が形成されている(図6-3)。

トラフとは一般に海溝より浅く幅広い海底の凹地形を指す。

富士山の位置は駿河トラフと相模トラフを陸に向けて延長した交点にあたる。すなわち、富士山の直下ではフィリピン海プレートが西側ではユーラシアプレートに沈み込み、東側では北米プレートに沈み込んでいる。こうしてフィリピン海プレートには2つの陸のプレートに沈み込むことによって、東西に引っ張られる力が働いている。つまり、フィリピン海プレートは東西に引き裂かれつつある。プレートの下にはマントルがあり、マグマはここで作られる。マグマはフィリピン海プレートに裂け目ができることで上昇し易くなっている。そのため富士山は長期間にわたってマグマが噴出し易い状況が続いている。

富士山は海のプレートを作る玄武岩質のマグマが大量に噴き出ることで成長してきた。その理由の一つは海のプレートが引き裂かれる特異な場所にあって、マグマが容易に上昇したためと考えられている。これが富士山を地理的に見た極めて大きな特徴となっている。

今日はここまで。富士山が噴火し易い状況にあることは分かりました。でも、まだ南海トラフとどう関係があるのかは分かりません。続きを読んでみます。


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