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『棟方志功展』 東京国立近代美術館

何となく『棟方志功展』に。『サグラダ・ファミリア展』とはうってかわって穏やかな東京国立近代美術館。
棟方志功の事は青森出身の人、くらいしか認識がなく奈良美智との関係とかあるかなーなどと妄想しながら訪問。結果、作品よりも棟方自身、生き方に強く興味を惹かれました。

入場してすぐに幼少期の解説があり、子供の頃のあだなが『セカイイチ』。何故なら普段のクチグセが世界一になる、だったと。結果を知っている身としては言葉にして発することの大切さを感じる。

若き日の作品群

若き日に柳宗悦に見初められるなど運も強い人だったよう。

柳宗悦が絶賛した『慈潤』
『二菩薩釈迦十大弟子』

最後の方に展示されてるこちらの作品

『雑家山房主人像図』

キャプションにはこうあります
「1942年(※棟方39歳)に畫かれた自画像。
〜ある地方の篤志家に釈迦十大弟子のフルセットを購入してもらったことにいたく感激し、その所蔵家が上京した際、自宅に招きお礼として贈った作品であり、この絵をみせながら「ワタシは必ずや日本一、世界一になってみせます」と感謝とともに決意の程を語ったという」

ここでも言葉にして発している。
とにかく「セカイイチ」になる事を自らに課している。40歳を目前にしているのに凄い。何処からその自信が湧き出ていたのか。

その後、当時の本人の映像も流されていたが、話す言葉は何を言ってるか聞き取りにくいが、テンションが高くて、とにかくエンターテイナーぽい。

鑑賞中に誰かに似てるなーと思っていましたが、今気づきました、アラーキーですね。 
作品に女性の裸婦が多いなど、関心も似ている?あと、丸眼鏡や髪方なども雰囲気も。更にいうと眼が悪くなるところも。

その後、常設展に東山魁夷の特集がされてまして、そちらのキャプション

「〜その後の人気を後押しした文章によるセルフイメージづくり、大規模なプロジェクトへの参加、メディアとの協同といった諸戦略は、棟方のそれと一脈通じています。」

『世界のムナカタ』は才能や実力だけでなく、天才的なセルフプロデュース力、幼少期からセカイイチになると宣言していたことで、なるべくしてなったのかなと。
自らこうなると決めること、周囲に宣言すること、できるまでやること。その先に自らが望む成功が待っている。そんな事に改めて気づいた展覧会でした。

そして企画展と常設展、さらに外部の美術館とまでうまく繋がっていて、さすが東京国立近代美術館。

奥村土牛『閑日』




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