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娘が新生児脳梗塞だった話(3)

娘の#新生児脳梗塞のはなし。気軽に読んでね!

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搬送


実はこの日のことはあまり覚えていなくて自分でしっかり覚えているのは2日前くらいに私が産んだ産まれたてホヤホヤの赤ちゃんがものものしく救急隊員たちにガラガラと連れていかれるシーンと、お産の時に立ち会ってくれたなにかと頼りになるショートカットの助産師さんが赤ちゃんの産院からの搬送に引率してくれたシーンだけなんです。

他のことは後日談として夫や実母から聞いてそうだったっけ?くらいにしか整理できなかったのですがそれだけ取り乱していたのかな、とも今となっては思います。

産院の豪華お昼をいただいて、お見舞いに来ていた(コロナ前)実母と赤ちゃんに会えるのをただ待つみたいなのんびりした時間を過ごしていました。

部屋の内線が鳴り、おー!赤ちゃんくるーー♡迎えに行くの?部屋で待っていればいいの?どっち?どっちなの〜とノリノリで応答すると

「今おひさんておひとりですか?(赤ちゃんの)お父さん来てますか?」

と尋ねられました。


(あ、これ良くないやつ)



第六感なのか直感なのか知らんけど何かが頭の中でピンとくる瞬間って本当にあるんですね。

病院が何かを私に言いたがっている。娘の診察についての何かだろうけどそれが何なのかは皆目見当がつかない。でも私1人ではない方が良い、そういう種類の話みたい。こういうのって悪い話じゃない?


今はこうして言語化できているけど当時は本当に瞬間的にネガティブなイメージだけを得ました。

脈拍が上がりながら(Apple Watchつけてたらアラームなってたと思う)

「仕事です、おりません、私の母ならおりますが」

と回答すると、病院は

「(お父さんに)来ていただくことはできませんか?おばあちゃんではなくて。えぇ、お仕事とは思うんですが。呼んでいただいて。抜けてきていただくというか」


えっえっ えっ???

ちょっと待ってちょっと待って。
何?なに??

行間から得られる情報の質が重すぎて処理しきれない。只事ではない感じですね?


「確認してみます」


と脳みそフリーズしてると母が冷静に夫くんに連絡しなさいと指示してくれました。いやいてくれて良かった。次の挙動を指示してくれることで現実とのブリッジになってくれました。

でも今業務中だろうし電話には出られないよね?とりまメッセージしとくか。

15:00頃TXT 「電話して」

夫は割と早く電話をくれた気がします。状況を説明して来てくれるよう職場での調整を依頼しました。

15:30頃夫「行けることになった、向かう」


よかった。夫が来れそうとのことなのでその旨病院に伝えると

「もう医師の判断で今から他の大きな病院の方に転院し検査を行います。赤ちゃんのために救急搬送で移動します。」


はーーーーー?


✔️本日の巡回診察でしゃっくりは単なるしゃっくりではなく非熱性痙攣の可能性があると診断された

✔️非熱性痙攣は良くない、検査しないと分からんけど良くない

✔️MRIやCTスキャンができる設備の整った病院へ転院する

✔️迅速性が非常に重要な局面にあるので今すぐ搬送する。夫の到着を待っていられる状況ではない


といったことが駆け足で説明されたとは思うんだけどその辺り記憶が全然整理されていません。
とにかくあっという間でした。
後から調べてみたら部屋に電話がかかってきてからここまで1時間くらいだったようです。

「お母さん、大丈夫ですよ。より安全な新生児の移動方法ということで緊急搬送をしている次第です。助産師の私がついていきます。お父さんも向かってくれています、安心してください。」

夫へは職場から直接搬送先の病院へ向かうよう伝えたので産院からは助産師さんが引率してくれることになり冒頭の搬送シーンになってくわけです。

上の子はばあばにお願いしたし、下の子はプロに囲まれている。後から夫も駆け付ける。
大丈夫。みんな安全。


なのに産後メンタルだからなのか赤ちゃんが心配で心配でどちゃくそに泣いてた気がします。そりゃ泣いちゃうよね。

今となっては
ネットで病気のことを調べるな
と思いますが産婦わたくしだけが産院に取り残され他にやることもなく、まあゴリゴリにネット情報を掘っていました。

翌日友達がお見舞いに来てくれるんだけど?
赤ちゃん違う病院いっちゃったなぁ、来てくれても赤ちゃんいないなあ

と友達に状況と胸中を吐露すると「おひちゃんに会いに行くんだからええんやで」と言ってくれたこと、すごく救われて一生忘れないと思う。


ありがとうおともだち。

また次回。



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