Web小説発掘記 その268 アンバーTHEリベリオン 作者 イオ・りん様
本編URL
https://kakuyomu.jp/works/16817330658455470461
前書き
この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。
※こちらは『Divive10「始まりのPS」』までを読んでの感想、レビューとなります。
あらすじ
地球の中心部で発見された鉱石「インフィニットストーン」
無限とも言えるエネルギーをもたらし、世界全体にで問題視されているエネルギー問題を解決に導き、これを利用し新たなる居住区として世界各地に人工島が開拓された。
新たなる、時代N.G(ネオ・ジェネレーション)へ移り変わっていった・・・・・・・
それから十数年、突如として世界、人工島各地に謎の生命体「ゴーレム」が出現し、人々を襲い始めた。防衛部隊「G.O.D」(ゴッド)(Global.Offense.Defender)はインフィニットストーンのエネルギーを動力に使用した、人型スーツPS(パワードスーツ)を用いて対抗するも防戦一方な状況が続くばかりであった。
主人公、銀河レッカはPSディバイダーであった父に憧れ同じ道を志すがディバイダーとしての適性が0であり夢打ち破られ、やりきれない想いを抱いて日々を過ごしていた。ある時、ゴーレムの襲撃に巻き込まれ絶対絶命の危機、その時、物語は動き出す――――――――
ストーリーと見所
パワードスーツを纏い、少年が未知の怪物と戦う。
熱血とロボと、ヒーローもののテイストを組み合わせたような実に王道で熱い物語。
新たなエネルギー源を手に入れた未来世界、それによって繁栄を極めていた人類に襲い掛かる謎の敵。
主人公はPSディバイダーの適才がなかったはずだが、争いに巻き込まれた際に偶然謎のPSに乗り込みそれを動かすことができる。
そこから物語が始まっていくなんともわかりやすく王道を突っ走ってくれる、いっそ清々しいぐらいの真っ直ぐな物語。
ストーリーはアニメ仕立てで、一話一話がちょっと長め。
とはいえそこに含まれているエピソードを考えると、ちょうど分量がアニメ一話分ぐらいになっていたりもする。
そういった点では一話ずつを、まるで週間のアニメを見るような気分で読み進めることができるなかなかユニークな作風となっている……。
……といいたいところだが、残念なことにこれは小説。
アニメのペースで物語が進行されてしまうと、どうにも拾いきれない情報がある。
特にあらすじなんかを読んでもらえばわかるのだが、専門用語のオンパレード。
それに加えて登場人物も一話に一人ぐらいのペースで増えていくのでまぁ、正直に言ってかなり把握し辛い……というか半分ぐらいは頭に入ってこない。
一応ギリギリ救いになっているのが、登場人物が極めて記号的であるということ。
つまるところ良くも悪くもロボットアニメに「こんな感じのキャラいるよな」というところに当てはめていけば、一応の把握はしやすい。
……それが作者さんが望んだ楽しみ方かはまた別の話として。
ストーリー自体はちゃんと面白いし、盛り上がりの個所も用意されている。
気になる謎や、これから先の伏線なども張ってあったりと全体を通してみれば光る部分は確かにある小説。
キャラクター
銀河レッカ
物語の主人公。
熱血寄りで人を護るために命を張るような好人物。
PSディバイダーに選ばれ、その才能を開花させていくなどまさにロボットアニメの王道主人公といえる。
総評
評価点
伏線がしっかりと張っており、各キャラクターのポジションも安定している。
そういう意味では骨組みはちゃんとできており、ストーリーの流れもちゃんと面白く、先が気になるような作りにはなっている。
一章の中盤以降からは文章にも落ち着きが出てきて、かなり読みやすい。
問題点
一番大きな問題点は、文章が読みにくいことだろう。
特に最序盤は書きなれていないのか、急に一人称になったりするなど読んでいて厳しいものがある。
特に主人公機が初起動する場面は正直な話何が起こっているのか今一わからなかった。
そういった文章でキャラクターが次々と増えていき、用語が頻出するのでどうにも頭に入ってこない。
とはいえ、文章力に関しては一章の中盤ぐらいからは大分改善がみられるので、今後に期待したいところではある。
最終評価 39点(うーん……)
やや強引な展開や読みにくさなど、粗削りな部分はある。
しかし、王道を行くストーリーや今後のために張られた伏線など物語を面白くする要素は充分にあり、光るものは確かに見て取れる可能性の小説。
作品の良さは時代ははっきりとしており、アニメを意識したような物語の構成もユニークで面白い。
所要時間は『Divive10「始まりのPS」』までで凡そ40分ほど。
極めて個人的な感想
上でも書いた通りアニメっぽい構成の小説ではある。
とはいえやはり小説という媒体の関係上、一つ一つのエピソードにはもう少し書き込みが欲しかったというのが正直なところ。
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