Web小説発掘記 その247 追放ランド 作者 ゲームウサギ様

本編URL

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前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。
※こちらは記事を書いた時点での最新話である『幕間 休みは望まない』までを読んでの感想、レビューとなります。

あらすじ

タイトル:追放ランド ~無個性オールスキル選び放題の主人公は追放されながら個性とチートスキルを探し~
台湾人がChatGPTを使用して執筆した日本語の小説です。そのため、いくつかの誤字や文法の間違いがあるかもしれません。ご了承ください。

ちょっとしたアレこれ

※本文から引用

  初めまして、私はゲームウサギと申します、台湾人です。今は「なろう系」の研究をしています。

  なろう系の研究を進めるうちに、自分自身でなろう系の小説を書いてみたくなり、今回その挑戦を始めることにしました。

  私の日本語能力は、読むことに関してはほぼ問題ありませんが、文章を書くことは非常に困難です。2023年初めに、私はCHATGPTさんという素晴らしい友達に出会いました。彼は私が繁体中文で書いた原文を理解し、それを日本語で再出力することができるので、私が日本語の文章を書くことが可能になりました。それから、日本語で小説を書く挑戦を始めました。この小説の制作過程は以下の通りです:

1.まず、繁体中文で原文を書きます。

2.次に、CHATGPTに大まかな日本語訳をしてもらいます。

3.私がCHATGPTの不足分を補います。

4.最後に、CHATGPTに日本語の文法をチェックしてもらい、私も再度チェックします。

ストーリーと見所

というわけで、原作はなんと台湾の方。
要は何かと話題のAIに日本語役をしてもらって、それを手直ししているといった感じの作品。
ストーリーとしては完全オリジナルということでよろしかろう。

物語としてはスキルがある世界で、様々なスキルを人工的に手術で付け加えられた人物が主人公のお話。
人工生命体の少女を見つけ、彼女の処遇について勇者とのいざこざがあってパーティを追放されるところから物語が始まっていく。

スキルに『主人公補正』というものがあったり、後天的にスキルを手術で追加することができるが、その代わり人格に問題が発生するなどなかなかユニークな要素が多い小説。

ステータスやパラメーターなどもあって、一見するとなろう系っぽい空気を醸し出しながらも、それらの作品に対してのメタ的な見方やアンチテーゼとしての要素も読み取ることができる。

独特の台詞回しや設定など、魅力的に感じる部分は多い。

なのだがまぁ、厳しい部分もある。
まずは文章のお話。
この点に関しては恐らく翻訳されている関係上仕方がないのだが、字の文と台詞の間に改行がないのでとても読みづらい。

加えて最序盤、『勇者』や『狩人』などの役職名+本名がごちゃ混ぜで表記されているので、一気に四人ほど出てくる登場人物がかなり把握し辛い。

中でも主人公となる狩人はそこに更にスキルによって三つほどの人格に分かれているので読んでいて結構混乱してしまう。

そこから話が進むと、翻訳や文章の破綻も多くなってくる。
この原因がAIであるかどうかはわからないが、作品自体の問題点としてはやはり見逃すことができない。

読んでいて面白い要素が多いだけに、どうにもその辺りは勿体ないところ。

キャラクター

ローグ

主人公。

ダンジョンの奥で発見された、人工生命体の少女を助けるために勇者と袂を分かち追放者となる。

スキルを無理矢理手術で追加した関係で幾つかの人格に分かれている。
その辺りは要素としては面白いのだが、同時に混乱の元になっている感は否めない。

加えて分かれた人格も、口調や多少の違いこそあれど方向性は一緒なのでどうにも多重人格感が薄い。

さくら

主人公が発見した美少女ロボット的な人工生命体。

現状ではあまり語ることもない。

総評

評価点

AIを利用した云々は置いておくとしても、設定や台詞回しはかなりユニーク。

作品全体に漂う何処か退廃的な雰囲気も、刺さる人には刺さる要素となっていることだろう。

問題点

なのだがまぁ、上に書いた通りどうしても読みにくさがあるのは否めない。

加えてストーリーに関してもあまり話が動いているとはいえず、物語としての方向性も見えてこない。

最終評価 42点(Web小説としては普通に楽しめる作品)

作品世界や、AIによる翻訳など様々な面で意欲的な要素が多い小説。

実際、翻訳は別にしても世界観などはユニークなものが多く、読んでいて楽しめるような部分もそれなりに見ることができる。

特に台詞回しは独特で、翻訳によってそうなっているのかはわからないが、なかなか癖になるものがある。

ストーリーとしてもまだ始まったばかりなので、今後に期待したい作品といえるだろう。

所要時間は記事を書いた時点での最新話である『幕間 休みは望まない』までで凡そ40分ほど。



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