しいたけ賞(仮)その51 退廃進化のライオット 作者 ありんこるん様

本編URL

https://ncode.syosetu.com/n6066jh/

前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的感想です。
例えそのような内容であろうと、作品の価値を定めるようなものではないことは予めご了承ください。

あらすじ

世紀末アメリカ風の世界で……。

オレの名前はリンゴ!リンゴ・ロックスター!
ホバボ使いのReal-eyesやカメレオンのミュータントの医者であるチルアウトたちがオレの仲間だ!
レールギャング、サンクチュアリを立ててみんなと一緒にゲームに挑戦するぜ!

オレと仲間達の真の進化、その叫びを聴けよ!
世紀末エデンで響き渡る、魂の進化論!

ストーリーとかについて

文章からして騒めきとちかちかした光が飛び込んでくるような、そんな世界観を見事に描き出しているSF小説。

舞台となるのは何処か退廃した雰囲気も感じられるSF世界。
そこで巻き起こる……巻き起こる何?

手っ取り早く結論からいうのなら、かなり極端な小説。

世界観の表現や、物語の独特のスピード感。
お洒落と格好良さに全振りしたような会話劇などは本当に見事な出来で、作品の世界を強く鮮明に描き出すことができている。

その辺りに関しては本当に素晴らしい出来で、押し流されるような文章の羅列を見ているだけでも謎の満足感を得ることができる。

またその世界でキャラクター達は生き生きと過ごしており、次々と巻き起こるハプニングは読み手に息つく暇を与えない。
かなり色濃く、鮮烈に作者さんの世界観が現れた作品といっていいだろう。

その辺りに関しては個人的にはかなり面白いというか、まぁつまり高く評価したい。

なのだがまぁ……。
物語的なお話をすると、前述したスピード感や鮮烈さが邪魔をして殆ど頭に入ってこない。

この辺りはSF作品である以上仕方がないのだが、用語の羅列や次々増える登場人物などがごちゃついていて、どうにも『今現在何を目的として、何をやっているのか』が殆ど頭に入ってこない。

これは感覚的な話なのだが、特に最序盤に関しては『何やら物凄く格好良くてお洒落な曲のPV』を見ているような気分になってくる。

とはいえそんなものを文字として出力できるだけでも凄いことではあるし、立派に作品としての個性に繋がっているのは間違いない。

キャラクターとかについて

なんかお洒落。
なのだが流れていくようでどうにも本質を掴みづらい。

最終評価(極めて個人的な感想)

文章

文章自体は悪くはない。
なのだが少々描写が多かったりとどうにも読んでいて疲れる。
また以外にも会話は説明台詞的なものが多いのもちょっと気になったところではある。

キャラクター

個性、というかどういったキャラクターにしたいのかという雰囲気は伝わってくる。
とはいえ短期間に登場人物が増えてくるので、どうにも一人一人の印象は薄め。

構成

スピード感が凄い。
この辺りは作品として強い特徴であるし立派な個性なのだが、ちょっとついていけなかった感があるのは否めない。
とはいえ、作品の魅力の一つであることは間違いない。

設定

何処か退廃的なSF世界は、読んでいて強い興味をそそられるものがある。
もう少し語るべき部分を絞ってもらえるとありがたかったかも知れない。

総評

かなり強いパワーを持った作品。

個人的にはそのスピード感やお洒落さなどにはあまりついていけなかったのだが、間違いなく強烈な個性であり作品の魅力となりうる部分といっていいだろう。

これから先の展開や、キャラクター同士の関係性の発展に期待したい。



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