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連載小説 奪われし者の強き刃      第2章4話 「大統領登場 ソフィアの『ギフト』」

悠たちが大臣にデモの真実を聞き出そうとしているとき、ある人物が書斎にやってきた。

 男性:
 「なにやら、盛り上がってるな。」

 大臣:
 「あなたは!」

大臣が驚いた様子で声を上げ、悠たちは扉のほうに目を向けた。

 男性:
 「久しぶりだな悠坊。」

 悠:
 「お久しぶりです。大統領。」

現れたのは南部の現大統領のルーカス・ムーア。元第4師団の師団長で現第4師団の師団長、ソフィアの師匠であった人物だ。

 ソフィア:
 「師匠、お久しぶりです。」

 大統領:
 「おう、ソフィア。ちゃんと修行してるか。」

 ソフィア:
 「もちろんです。」

 スターク:
 「大統領、どうしてこのようなところに。」

スタークが話を切り出した。

 大統領:
 「ん?あぁ、悠坊が南部に来ているって報告を受けたから会いにな。それと、デモ活動のことも気になってたからな。」

 大統領:
 「まぁ、行ったらデモは終わってたんだけどな。市民を守ってくれたんだってな、ありがとな悠坊。」

そう言ってルーカス大統領は悠の頭を撫でた。悠は少し恥ずかしそうに

 悠:
 「いえ、市民を守るのは当然なことなので。」

 大統領:
 「それはそうと、大臣。お前デモが起きるように市民を煽ったそうじゃないか。」

 大臣:
 「いえ、決してそのようなことは。」

大臣は冷や汗をかきながら話そうとした時

 大統領:
 「じゃあ市民が俺に嘘を言ったってことか?」

 大臣:
 「すみません。」

大臣はルーカス大統領の気迫に負けてすべてを自白した。

 大統領:
 「そんな子供じみた理由でしょうもないこと市民にさせるなよ。」

 大統領:
 「お前の処分はおいおい話すから待っとけよ。」

 大臣:
 「はい。」

 大統領:
 「すまなかったな、後はこっちで対処するから。」

 悠:
 「はい、ありがとうございます。」

 大統領:
 「にしても、総司令殿はさぞお怒りだっただろうな。一度謝罪に行かなきゃな。」

 悠:
 「いえ、千代さんにはこちらから話をしておきますからご心配なく。」

 大統領:
 「そういうわけにもいかないんだよ。」

ルーカス大統領は何かを思い出したかのように暗い顔をして

 大統領:
 「総司令殿は悠坊のことに関しては厳しいからな。日時は改めて連絡するって言っておいてくれ。」

 悠:
 「?わかりました。」

そして、悠たちは大使館を後にした。

 スターク:
 「とりあえず、解決してよかったな悠。」

 悠:
 「そうだなスターク。」

すると、再び警報が鳴り響いた。

 悠:
 「またか、彩音。場所は?」

 彩音:
 「はい、ここから第3の基地の方向に5キロ地点ですね。かなり大きい霧が発生しています。」

 悠:
 「わかった。彩音はここから状況を報告してくれ。行くぞ、スターク、ソフィア。」

 スターク:
 「あぁ。」

 ソフィア:
 「うん。」

そして、3人は走り出した。

 彩音:
 「団長まもなく目的地です。周辺の避難は完了しています。」

 悠:
 「わかった、異変があったら報告してくれ。」

 彩音:
 「了解。」

すると、ソフィアが

 ソフィア:
 「悠、いたわ。人型が20体と人獣型が10体。」

 悠:
 「OK、1人ノルマ10体ね。」

 スターク・ソフィア:
 「「了解」」

そして、それぞれが殲滅へとむかった。ソフィアは地面から剣を作り出し、次々と魔物を殲滅していった。

 第4師団長ソフィア・スミスのギフトは【錬金術師】(アルケミスト)。物質を別の物質へと変換、分解、創造することができるギフト。ただし、質量は同じ物しか作れず、未知の物質を作り出すことはできない。

 ソフィア:
 「こっちは終わったよ。」

 スターク:
 「こっちもだ。」

 悠:
 「こっちも今終わった。」

そして、あっという間に殲滅してしまった。

 悠:
 「油断するなよ。また合体するかも知れないからな。」

 スターク・ソフィア:
 「「了解。」」

そこに彩音から通信がきた。

 彩音:
 「団長お疲れ様です。生体反応が消滅しました。先ほどのように合体する恐れはないかと。」

 悠:
 「わかった。」

 悠:
 「合体する恐れはないそうだ。回収して基地に戻るか。」

 スターク:
 「そうだな、ソフィアはどうする?自分の基地に戻るか?」

 ソフィア:
 「いえ、そちらに一回お邪魔するわ。久しぶりに悠と稽古したいし。」

 スターク:
 「わかった。じゃあ戻るか。」

そして3人は魔物と彩音を回収して第3の基地へと戻っていった。帰り着くころには日の暮れていて悠たちは第3、第4の師団員と夕食をとった後、ソフィア、スタークと稽古をすることになった。

 悠:
 「スターク、ソフィアルールはどうする?」

 スターク:
 「『ギフト』ありで一本取ったほうの勝ちっていうのはどうだ?」

 ソフィア:
 「私はそれでいいわよ。」

 悠:
 「わかったそれでいこう。」

 スターク:
 「師団員が見学するけどいいよな。」

 悠:
 「いいぞ。1人ずつか?」

 スターク:
 「あぁ。とりあえずな。」

 悠:
 「了解。どっちから来る?」

 ソフィア:
 「私から行くわ。」

そう言って、ソフィアは前に出て、見学している師団員に

 ソフィア:
 「あなた達よく見てなさい。今から見るのは師団最強の男の戦いよ。」

そして、ソフィアは地面から剣を作り出し構えた。

 悠:
 「おいで『姫』」

悠は指輪から2本の小太刀を出した。

 悠:
 「ソフィア、準備はいいか?」

 ソフィア:
 「えぇ、いつでも。」

 悠:
 「スターク、合図をくれ。」

 スターク:
 「わかった。」

 スターク:
 「それでは模擬戦、始め!」

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