連載小説 奪われし者の強き刃 第2章21話 「中央部の異変 大臣の意外な策略」
リモートでの会議終了後に李から悠に中央部に来てほしい旨の連絡がきた。
悠:
「また突然だな。なにかあったのか?」
李:
「ちょっとナ。こっちノ大臣が面倒なことヲして手に負えなくなっタ。」
悠:
「大臣が?わかった明日にはそっちに行くよ。」
李:
「悪いナ頼ム。」
翌日、悠は智慧を連れて中央部へと向かった。」
智慧:
「またデモが行われてるのかな?」
悠:
「どうだろうか。これに関しては行ってみないとわからないからな。」
智慧:
「お姉ちゃんはなんて言ってた?」
悠:
「『何かあったらすぐに連絡しなさい。』だって。目が笑ってなかった。」
智慧:
「でしょうね。」
その後、中央部に到着し空港から出ると李の妹で第8師団長の林杏(リンシン)が出迎えていた。
林杏:
「お待ちしておりました。まずは基地に向かいましょう。」
悠:
「あぁわかった。」
そして、悠たちは林杏が用意した車に乗り込み李がいる第7師団の基地へと向かった。
智慧:
「林杏さん中央部で何があったのですか?」
林杏:
「そうですね、到着するまで少し時間があるので軽くご説明いたします。」
そして、林杏は今回悠を呼び出した経緯を話し始めた。
林杏:
「簡単に言うと悠さん、あなたに懸賞金が掛けられました。」
悠:
「は?俺に懸賞金?」
林杏:
「はい、大臣は市民にあなたを倒したら懸賞金として5000万支払うと言いました。」
智慧:
「5000万!では今市民の皆様が悠兄を狙っているのですか?」
林杏:
「いえ、普通の市民は手を出してこないと思います。恐らく手を出してくるのはスラム街の人達です。」
悠:
「スラム街?」
林杏:
「はい、ここ中央部は最大の面積を誇る地域です。どうしても都心部から離れた地方の方は手が届かないのです。独自のルールの存在するようでまるで他の国の様になってます。」
悠:
「その町の人たちがお金欲しさに俺を襲うかもと。」
林杏:
「はい。さらに、都心部ではスラム街の人による万引き、強盗被害が出てきて大変なことになってます。本当は悠さんに頼らず穏便にことを収めようとしたのですが。」
悠:
「まあ、そうなるよな。大臣はそんなことになって何してるんだ?」
林杏:
「ほとんどほったらかしです。この間、育成訓練で悠さんがここ中央部に来たと情報を得たようでまだここにいると思い込んでいるらしく懸賞金を取り下げずに都心部の被害は警察に一任しています。」
智慧:
「また無責任な。」
林杏:
「私と兄さんが抗議に行ったのですが、聞く耳持たずこの件が終われば辞任も視野に入れていると。」
悠:
「やめる覚悟があるから無責任なこともできたってわけか。」
そうこうしているうちに車は第7師団に到着した。
林杏:
「兄さん、悠さんを連れてきたよ。」
李:
「すまないナ林杏。」
悠:
「本当に大変なことになってるんだな。面倒くさいな。」
李:
「あの大臣聞く耳持たないヨ。さら二、さっきこんなこと言いだしたヨ。」
そして、李はモニターに先ほど大臣がある発表をした映像を流した。
大臣:
「えー、どうやら第1の師団長はとてもビビりなようなので特設会場を用意しよう。スラム街の諸君、明後日昼にその特設会場にきて直接第1の師団長を叩きのめしてくれたまえ。師団長よ逃げるなよ。」
そこで映像は終わった。
悠:
「えーっとつまり、その会場で俺がそのスラム街の人と戦えってこと?」
李:
「そういうこと二なるネ。」
智慧:
「あの大臣はそんなに悠兄をやめさせたいのでしょうか。」
林杏:
「もう呆れてなにも言えません。」
李:
「悠どうすル?」
悠:
「しょうがない戦うしかないだろ。ケガさせないようにして俺が勝ったら今後の迷惑行為を禁止にする。これしかないだろ。」
林杏:
「そうですね。それが一番かとすみませんがよろしくお願いします。」
李:
「悪いガ頼ム。」
2日後、大臣の指定した日にちとなり悠たちは特設会場へと向かった。
悠:
「なんか観客がいるな。誰だ?」
林杏:
「あれは都心部の富豪たちですね。大臣はどうやら今回の戦いを賭博として大量のお金を巻き上げる気ですね。」
悠:
「やめた後はその金を持って逃亡、豪遊するって魂胆か。ちゃっかりしてやがるな。」
悠:
「李、悪いが団員の何人かを監視に着けてくれないか。逃げないように。」
李:
「承知しタ。」
李は団員3名を大臣の監視に着けた。
悠:
「さてと行くか。ケガさせないように頑張るわ。」
智慧:
「いってらっしゃい悠兄。」
悠が会場のバトルスペースに行くとそこにはスラム街の男たちであろう人たちが100人以上いた。スラム街の人たちは入ってきた悠を見て
スラム街住人:
「おいおい、ガキじゃねえか。これは5000万楽勝だな。」
スラム街住人:
「とっととやろうぜ。もう我慢できねえよ。」
スラム街の人たちは持っている武器を構えて今にもかかってきそうだった。
悠:
「多すぎだろ、まあいいや。来な遊んであげる。」
会場の富豪たちが熱狂している中、悠とスラム街の人たちの戦いは始まった。
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