つらい記憶とレモンのパフェ
有給をとって、平日のみ営業しているカフェに
パフェを食べに行ったときの話。
北白川にあるそうげんカフェさん
外観も内装もおしゃれで、木の温もりが感じられる素敵な空間。
私の他には、一人で来ている女性と
2人組の女性。大学生かな。
騒がしくなく、かといって静かすぎず、
居心地がいいなと思っていた矢先
2人組の一方の女の子が発した「〇〇〇はどうしたいん?」という言葉に冷や汗が流れた。
かわいくて珍しい彼女の名前は、中学生の私を
苦しめていた同級生と同じ名前だった。
もちろんカフェで楽しく会話をするその子は
私を苦しめたあの子とは全くの別人だったけれど、普段聞くことのない珍しいその名前を久しぶりに聞いて、当時の記憶がフラッシュバックしてしまった。
思い出したくもない内容を、未だに鮮明に覚えていて、活字に起こしてみたけれど、どんどん苦しくなってしまったから具体的な内容はやっぱり書かないでおこう。
私は小学5年生から中学卒業までいじめられていた。
5年間まるまるいじめを受けていたわけではないし、楽しいこともあったはずなのに、いじめられたという負の記憶というのは幸せな記憶よりも強くて、ひたすらにつらくてみじめだったように思える。
普通なら経験しなくていいことも、知らなくていい感情も、全部全部未だに引きずっていて、こうやってたまにちょっとしたことがトリガーになって私の心を真っ暗にしてしまうし、気を抜いたら涙が出てきてしまう。
一人でカフェの隅の席で、真っ暗な心と戦い始め
たとき、ちょうどパフェが運ばれてきた。
私の心とは真逆の爽やかな見た目。
グラスに入ったかわいらしいレモンとヘーゼルナッツプラリネのパフェは、酸味がほどよく
効いていて夏にはぴったりの爽やかな味だった。
真っ暗な心まで、すかっと晴れやかにしてくれる
ような爽快感が心地よくて、夢中で食べた。
こんな芸術的なパフェ、本当は少しずつ味わいたかったんだけれど、夢中で食べてしまった。
そして食べ終わる頃には、気持ちが少し軽くなっていた。
これから先もまた、思いもかけないタイミングで
つらい記憶と戦わなければならないかもしれないけど、もうそれは仕方がないから、美味しいものをたくさん食べて心の健康を保っていこうと思うし、そう思えるようになったのは、大きな進歩だとも思う。
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