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両片思い。

幼なじみのことは……
そういう風に見れない…

よく聞くセリフだ。
自分もそう思ってた。
小学六年生までは。

中学に入ってバッサリ切った
髪の幼なじみを見て
俺、齋藤〇〇は。
幼なじみの山下美月に恋をした……

男子と見間違えるほどイケメンだ
だがそんな想いを伝えることは無く
高校生、やっぱり美月とは高校も同じ

めちゃくちゃ嬉しかった…けど
それと同じくらい。

違う学校ならと思ってしまった。

そんな初恋を拗らせている自分の前に
彼女が現れた…

高校一年生、
同じクラスの藤吉夏鈴さん。

藤吉さんはいつも静かなんだけど
友達といると笑顔で話している。

…その笑顔がすごく愛らしくて
拗らせ絡まった恋心を優しくゆっくりと
解いて行った……

〇〇:はぁ……暑ぅ。

藤吉:……(相変わらず本を読む)

…教室には朝早く来る藤吉さんと
藤吉さんに会いたくて朝早く来る
自分しかいない。

〇〇:おはよ〜♪藤吉さん〜♪

藤吉:おはよ。

〇〇:ねぇ、これいる?

藤吉:飲んだことある。
(本を読みながら言う)

〇〇:え?これ今日発売の新作だよ?
(赤いパッケージ缶ジュースを出す)

藤吉:わ。本当だ。

……藤吉さんは新作って言うのに
目がないのは知っている…

〇〇:一緒に飲まない?
(もう片方の手でもう一本出す)

藤吉:まぁ…〇〇くんがそう言うなら。

プシュッ…(二人缶ジュースを開ける)

〇〇:え、えっと……いただきます(?

藤吉:ふふっ…いただきます

ゴクゴクッ…

藤吉:ん?

〇〇:な、なに味だ?

藤吉:ゴクッ…
え、本当に何この味。

〇〇:ん〜…あんま美味しくないなぁ(笑)

藤吉:嘘、私は美味しいよ?

〇〇:人によって好き嫌いが出るのかな?

藤吉:それは有り得る(笑)

〇〇:俺もう飲みたくない(苦笑)
澤部にでもあげよっかn((

ガシッ…ゴクゴクッ……
(〇〇の飲みかけを飲み干す藤吉さん)

〇〇:え、えぇ?!

藤吉:もういらないんでしょ?

〇〇:そ、そうだけど…
そ、その…//か、関節キスに…//

藤吉:そんなの気にしてんの?
めっちゃウブじゃん(笑)

〇〇:ご、ごめんなさい……(苦笑)

藤吉:なんで謝るの?(笑)
私は可愛いと思うけど?

〇〇:……//

……この日を境に俺は藤吉さんと
距離を縮めていった…ある日のこと。

〇〇:藤吉さん…今日一緒に帰らn((

……ガシッ…グッ
(〇〇の口を塞ぐ山下)

藤吉:山下さん…?

山下:ごめんごめん、こいつは
俺と帰るから気にしないで?

〇〇:んんっ!!

藤吉:私は〇〇くんからの
言葉が聞きたい。

山下:それはちょっと…(苦笑)

〇〇:んー!!

山下:オ、オレモミヅキトカエリタイナァ-

藤吉:ふふっ…やっぱ二人は仲良しだね
(そう言って帰ってしまう)

〇〇:ぷはぁ…何邪魔すんだよ!

山下:〇〇が最近俺に構わないからだろ?

〇〇:お前は俺の彼女かよっ!

山下:ち、ちげぇし……//

〇〇:はぁ…最悪。
もしかしたら藤吉さんと
一緒に帰れたのかもしれないのに……

山下:好きなの…?

〇〇:そうに決まってんだろ?

山下:……チッ
(舌打ちをする)

〇〇:は?なんで舌打ち?

山下:別に?ってか早く帰って
ゲームしようぜ?

〇〇:美月って今日部活じゃないの?

山下:あ〜。まぁ大丈夫でしょ。

〇〇:怒られても俺のせいにするなよ?

山下:しないって…(笑)

……山下の家の部屋にて。

〇〇:ふぅ…久しぶりに入ったわ。

山下:そうだっけ?
"〇〇しかこの部屋入ってないから"
あんま実感ないわ〜

〇〇:俺しか入ってないって所
わざわざ言わなくていいから。(笑)

山下:え〜?そういうつもりで
俺は言ってないけど?

〇〇:わざとらしいなぁ…

山下:ってかさ?
藤吉さんとはどこまでしたの?

〇〇:は、はぁ?!
ど、どこまでって…まだ。
まだ何もしてないから………

山下:ふーん。ウブだね。(笑)

〇〇:それ、藤吉さんにも言われたわ

山下:……チッ

〇〇:おい、舌打ちやめろ。(笑)

山下:そんなウブな〇〇に
いいこと教えてやるよ

〇〇:え?

山下:〇〇が藤吉さんとのキスの
本番のために俺が練習になってやるよ

〇〇:は、はぁ?!
俺が美月とキスしろって言うの?

山下:なに?俺の事意識してんの?

〇〇:別にそういう訳じゃねぇけど。

山下:なら行けるっしょ。

〇〇:えぇ…

山下:やる前からそんな反応するなら
なんかいいわ…せっかく俺が女子なら
必ず落ちるキスの仕方教えたのに…

〇〇:べ、別に俺はいいけどさ…
美月は俺がファーストキスでいいの?

山下:え?なになに?俺がまだ
キスしてないとでも思ってんの?

〇〇:え?嘘。もうしてたの?

山下:そうですけど?

〇〇:そ、そうなんだ…

山下:何残念がってんだよ

〇〇:別に残念なんかじゃねぇよ
はぁ…キスの仕方教えてください

山下:ふっ。やる気になったじゃん

〇〇:うるさいなぁ…
で、ど、どうキスすればいいの?

山下:ん〜っとね。こうかなぁ

……ガシッ…グッ…
(〇〇の胸ぐらを掴んで引き寄せ)

山下:昔っから…〇〇の事が好き…
俺以外の物になるんじゃねぇよ…

〇〇:は、え、えぇ?!

チュ……(〇〇にキスする美月)

〇〇:んんっ…//

山下:んっ…れろっ…んちゅっ…//
(強い力で〇〇を掴んでキスする)

〇〇:んん!!
ぷはぁ…(力ずくで離れる)

山下:はぁはぁ…なんでやめんだよ?

〇〇:そ、そりゃやめるだろ…
キスする前、美月俺になって言った?

山下:〇〇の事が好きって
言ったけど?

〇〇:問題なそこなんだよ…
それさ…マジで言ってんの?

山下:マジじゃなかったら
キスの練習相手ってか…
俺のファーストキスあげねぇよ。(笑)

〇〇:さ、さっき美月キスした事あるって

山下:嘘に決まってんじゃん。
俺はずっと昔から〇〇一筋だしな。(笑)

〇〇:はははーって笑えるかよ
な、なんだよそれ…

山下:はぁ…〇〇だって
俺の事好きだった癖に?

〇〇:なっ……

山下:わかりやすいんだわ。(笑)
その癖して…俺以外の奴のこと
案外簡単に好きになって……
ざけんなよ…俺だけを好きでいて
俺だけを見てればよかったのに……

〇〇:俺は…美月は俺の事を
ただの幼馴染としか思ってないと…

山下:この世に〇〇以外に容姿が良い奴
めちゃくちゃいるよ?けどさ。
俺はもう〇〇しか見れなくなるほど
〇〇の魅力に、〇〇に惚れてんの。
俺だけのものになれよ……

〇〇:も、もう遅いって……
お、俺は藤吉さんが好きで……

山下:遅くねぇよ!!
ってか〇〇が告白してこないのが
悪いだろ?

〇〇:そ、それは…

山下:幼馴染を言い訳にすんなって。

〇〇:そういう美月だって
告白してこなかったじゃん。?

山下:俺は、〇〇にわかりやすく
アピールしてたんだけど?
毎日帰ったり、部活以外は
よく一緒に居るようにしたぜ?

〇〇:ど〜だか。俺には感じれなかったわ

山下:チッ…んじゃもういいよ。
〇〇服脱いで?

〇〇:は?急になんでだよ

山下:既成事実作ってやるッ
それで俺達は結婚すんだよ!!

〇〇:……やっと…美月を…
諦めきれたと思ったのに…

山下:俺以外と一緒になったら
どの人でも幸せになれないぞ?
〇〇の選択肢にはさ…
俺しか…山下美月しかいねぇんだよ。
藤吉さんへの気持ちは諦めろ。

〇〇:そんな…強引な。

山下:俺はもう〇〇から手を離さない。
さよならもばいばいもまたねもない。
俺の傍で笑ってくれよ。それだけでいい
〇〇が笑ってくれてるだけで…
俺も幸せになっちまうから…
好きだ…これまでもこれからも…
好きなんだよ…よく言う
"最後には自分の所へ戻ってきて?"とか
俺は耐えれない…〇〇だけは
誰にも渡さない…俺だけの人…
それと同様に〇〇も俺が
〇〇だけの"俺だけの人"だよな?

〇〇:っ……
俺そんな…何十年分の思いを
急にぶつけられても…
適した回答出来ねぇよ……
ただ…一つ言えるのは……
俺も好きだ…大好きだ…諦められねぇ…
美月以上に好きになる人はいない…

ガバッ…(〇〇に馬乗りになる美月)

山下:結局俺達…好き同士じゃん。

〇〇:だな…//

山下:このまま…シよ。

〇〇:本当に強引だな…

山下:別にいいだろ?
こっからは…俺達一緒に落ちていくだけ

〇〇:落ちるのって…心地いいんだな…

山下:俺は〇〇だから心地いいよ?
この部屋には俺達二人だけ…
ここは俺達だけの世界だ……

〇〇:そんな言い回しどこで習った?

山下:〇〇が好きな漫画から習った

〇〇:ふふっ…//
好きだよ…

山下:俺もだ…//

……翌週…

藤吉:〇〇くん。
今日一緒に帰らない?

〇〇:あ、ごめん。
俺さ…彼女出来てさ?
彼女と帰らないと……(笑)

藤吉:え……そ、そうなんだ、、、

〇〇:じゃあまたね?
(教室を出る)

山下:ちゃんと断れてんじゃん。(笑)

〇〇:まぁな。?(笑)

山下:流石、俺の彼氏さん?

〇〇:うっす…//

……誰かが愛し合う上で…
誰かが傷つくのは当たり前なのだ…
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…終わり


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