【ニュース箱】物価高騰と学校給食

24年7月6日日経新聞朝刊で取り上げられていたのは、学校給食無償化が進んでいないという嘆きの内容だ。かつては生活困窮にある世帯の子どもたちが給食で栄養を補うイメージが強かったが、昨今はしっかりとした食事を作る余裕のない共働き家庭もその恩恵を大いに受けているとする。

同日の朝刊の記事に日経は小さく「高齢者59%が生活苦しい」という表題で厚労省の国民生活基礎調査を載せていた。その文面を読むと、子育て世帯は65%が苦しいと言っているそうだ。昨今のインフレなどの状況によって食費に影響している世帯も少なくないだろう。毎日新聞にも要因として物価高騰が挙げられていた。

そもそも最近の学校給食は給食費(材料費)の上昇具合も地域によって差があるようだ。値上がり分を自治体が負担して各家庭からの徴収額を据え置いている場合もあるため、実際の保護者負担額とは異なるそうだが、つまりどのような給食を食べられているかの充実具合も地域によって違うようだ。これについては6月12日の朝日新聞が記事として取り上げていた。

個人的な意見としては、育ち盛りの子どもには世帯状況など関係なく特にしっかりと栄養があるものを食べて欲しいと思うので、学校給食の無償化には賛成だ。娘も公立の保育所でしっかりと栄養があるものを食べさせてもらっているので平日の家庭での食事はあまりキリキリせずに安心して過ごしていられる。

2022年5月20日にラジオ文化放送にゲスト出演された赤石千衣子さんのお話が大変印象に残っている。多くの人に一度聞いて欲しい、知って欲しいと思う内容だった。

食べ物に困るひとり親家庭、食事1日300円で「こどもたちがたくさん食べたらイラっとする自分が悲しくなる、お母さんたちのメンタルがだんだんやられる、物価上がっている、こんな状態がどれだけ続くのか!」という悲痛な訴えだ。

この切実な訴えの後もまだまだ物価が上がり続けている中で、子どもたち全員が楽しく堂々としっかりと食べれる給食を無償化するというのはとても大事なことではないか。冒頭の日経の記事の中には、「食物アレルギーなどを理由に給食を食べていない子が28万人おり、無償化で不公平が生じるとも指摘する。」との言及があったが、その子たちにも逆に給食代替品準備補助を出すくらいに子どもを守ってもいいのではないかと思ってしまう。

全ての育ちざかりの子どもたちが分け隔てなくきちんと食べれる社会であって欲しいと、切に願う。


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