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どの科目が一番おもしろい勉強か (3)

理解できるかどうか

勉強をおもしろいと思うためには、その内容を理解できることが前提になるでしょう。よくわからないけどまぁおもしろそうだ、というのは始めた時点ではありえるでしょうが、ずっとその状態が続けば、やっぱりわからないから止めよう、となるでしょう。
小学校に入って以降、いろいろな教科を勉強していきますが、理解する上でハードルの高い科目は何でしょうか。やはり一般的には理数系が理解できないという方が多いのではないでしょうか。社会などは勉強しなかったから覚えていない、語学はまだその言葉に慣れていない、などの理由で試験の点が悪いこともあると思いますが、時間をかければ程度の差ほどあれ、緩やかに理解が深まっていくように思います。ただ、算数、特に中高生に入って以降の数学については、これ、いくら考えても理解できないよ、という局面に当たってしまうことがあると思います。
なぜ、数学は人によって理解できる、理解できないの差がつきやすいのでしょうか。私が思うに、それは実世界とかけ離れた、規則によって形作られる世界に馴染めるかどうかが大きいように思います。
1 + 2 = 3
足し算は、日常生活の延長として容易に理解できるでしょう。玉葱を1個、買い物カゴに入れ、やっぱりもう少し買っておこうと思い直して、2個足せば、カゴの中の玉葱は3個になります。
y = x + 100
これはどうでしょうか。方程式にはなっていますが、yを大盛の値段、xを普通盛の値段とすれば、メニューに関わらず100円増しになるという意味であり、そう馴染めないものでもないでしょう。
y = f ( x )
それでは、この式はピンと来るでしょうか。このあたりで、数学はわからない、ということになってくる人が多いのではないかと思います。これはyという変数は、xという変数の関数になっていることを表します。例えば、xを車の速度とし、yを車のブレーキを踏んだ時に止まるまでの距離とすることができます。ブレーキを踏んでから止まるまでの距離は、道路の状況や車の性能など、さまざまな要素に影響を受けますが、少なくともその時走っている速度に関係する、ということを表しています。速度が早ければ当然止まるまでの距離は長くなり、遅ければすぐに止まれます。こうして文章で書けば、ああそういうことね、というように理解できるかもしれませんが、それをわざわざなぜ、なぜ、y = f ( x ) という形式で記述するのか、呑み込めないかもしれません。
f ( x ) は  $${x^2 + x +2}$$ など、任意のxの数式列で表されることを示し、それをxの関数ということでf ( x )という記述形式を用いて書いているわけです。しかし、この記述形式は日常生活の延長として馴染めるものではありません。これは数学という世界における形式として理解し、自分の中で使いこなしていかなければいけません。実世界とは離れたそういう論理空間を脳の中で作りやすい人とそうでない人はいるように思います。そういう意味で、数学はある程度進んでいくと、一般的には理解しずらい科目となっていくように思います。
実際、俺は数学できないから文系にするよ、とか、数式を見るとそれだけで拒否反応を示してしまう方など、いるように思います。
また、あくまで統計的な話になりますが、男性よりも女性の方が、生活から離れた論理空間には馴染みずらいように思います。例えば、男性は車やバイクのエンジンに興味を持っている人が多いと思います。エンジンも、実生活に密着した走る車そのものではなく、車の中のパーツの一つの独自の世界を構築するものだと思います。男性はパンバーの中のエンジンの精密な仕組みに心惹かれますが、女性は外から見えない4気筒エンジンよりも、ドアミラーについた一筋の雫の方に目が向くのではないでしょうか。
話が少しそれましたが、理解という観点からみた今回の議論は下記のようにまとめられます。

  • 実生活からかけ離れた論理空間を用いる科目は、一般的に理解する上でのハードルが高い。数学などがそれに当たる。

  • 社会や英語などは、理解という観点からは断絶されることはなく、時間をかけることによって徐々に習得できることが多い。

今回は、この辺までで。

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