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精神的に自律する方法


「目標を測定する」ってどういうこと?



「SMARTの法則」の「M」の項目は
「目標が測定可能かどうか」
になります。

なかなかイメージしにくい
言葉かもしれませんが
これはナミさんの目標で言うと

「目標通りみんなとうまく
やっていけてるかどうかの進捗を
数字を使って表していくこと」

を意味していて
この
「進捗を数字ベースで
表していく方法」として

「今の感情を数値化する習慣」

をナミさんに提案いたしました。

またこの

「今の感情を数値化する」

という言葉も
なにをすればいいのか
イメージしづらいかと思いますが
こちらやることはいたって単純です。

一日の中で
気持ちが揺れ動いた時に
先日のセルフモニタリング編

でご紹介いたしました
「感情リスト」
の中からその時の気分や感情を
3つ〜4つほど選び
その感情に100点満点で
点数をつけていくだけです。

(ちなみに
「気持ちが揺れ動いた時」
というのは
まわりの状況に対して

「心がざわざわした」
など胸騒ぎを覚えた時や

感情が昂って「イライラした」

不安や心配で「ドキドキした」

不満によって「モヤモヤした」

といった

「自分の心が反応した時」

「ちょっとした感情の機微」

のことを指します)

たとえば
先日ナミさんが書いてくれた
状況確認シートを見てみますと

「納期が間に合わず
まわりに迷惑をかけてしまっている」

という状況に対してナミさんは

イライラ
自責
罪悪感
焦燥感

これらの
マイナスな感情を抱いていますが
その感情のひとつひとつに

イライラ 60点
自責 70点
罪悪感 65点
焦燥感 80点

といった具合に
点数をつけていくのです。

点数が高ければ高い程
その感情が強いことを表しますので
まずは負の感情を抱いた時の点数を
徐々に抑えていきながら
マイナスの感情を持つ時間も
少しづつ減らしていくことから
始めると良いでしょう。

慣れてきたら
マイナスな感情から
バランスの取れた考え方を
持てる時間を増やしていって

晴れやか 80点
楽 70点
清々しい 65点
爽快 60点

といったように
目標としている感情と点数を
徐々に増やしていくことが
「SMARTの法則」の「M」

「どんな状態になれば
目標達成と言えるのか」

の具体的な答えとなります。


感情を数値化して記録する最大の理由


ここまでの手順を
クライアントの方にお話すると

「なぜわざわざ感情を
記録する必要があるのですか?」

「ぶっちゃけめんどくさいです」

というご質問やお小言を
よくいただくのですが
これらの回答といたしましては

「感情には波があるから」

「成長度合いを確認できるから」

それと

「精神的な自律が見込める」

の3点があげられます。

たとえば
とてもいい気分で過ごせた日が
何日か続いたかと思えば
「もうやってられない!」と
なにもかもを
ぶん投げてしまいたくなるような
ついてない日もありますよね。

辛いときもしんどいときも
歯を食いしばりながら乗り越えて
たまに訪れてくれる幸せな瞬間や
晴れやかな気持ちに心を躍らせる。

人生って
そんな一喜一憂の
繰り返しなんだなと
ふと考えてしまうものです

が。

生きてるとなぜか
嫌なことがこれでもかと
立て続けに起こることも
何度かあるものです。

毎日必死になって頑張ってるのに
どうしてこんな仕打ちを
受けなきゃならないの?

どうして自分だけこんな目に
合わなきゃならないの?


悲嘆に暮れてしまう瞬間が。

そんな時
人間というのはどうしても
今の自分や将来の自分、
まわりの人間関係や
今まで継続してきた
習慣や努力に対して
ネガティブに考えてしまい
未来に明るいイメージを
持ちづらくなってしまいます。

少し大げさに言えば
今までの人生に虚無感を
そしてこれからの人生に
絶望を感じてしまい

「もうなにもかもが
どうでもいい…」


自暴自棄のように
なってしまいやすいのです。

そうなると
今まで継続してやってきた
「感情の数値化」
も含めた
セルフモニタリングに対して

「こんなのやったって
なんの意味もないじゃないか!」

「こんなのやったって
全然成長できないじゃないか!」


全てが無駄に感じられてしまい
「感情の数値化」を
やめてしまう方が一定数
いらっしゃるのです。

しかし
もしここでこまめに
感情を記録し続けていれば

最近
マイナスな感情を持つ時間が
減ってきているという事実や
少しづつ
プラスな気持ちになれる時間が
増えてきているという事実に
気づくことができるため

「今はたまたま
嫌なことが立て続けに起きて
気分は最悪かもしれないけど
全体で見たらメンタルは
順調に上り調子になっている」

ということを
客観的なデータとして
振り返ることができるため
一時的な感情の波に
流されにくくなるのです。


過去の自分と比較をするための記録


ナミさんの目標にも

「居心地よく
晴れやかな気分で仕事がしたい」

とあるように

「居心地が良い」

「晴れやかな気分」

といった
主観的な感情を
目標にする場合は特に

「いつの時点と比べて
居心地が良いと感じているのか」

「いつの時点と比べて
晴れやかな気分になれているのか」

を指し示す
比較対象が必要です。

この比較対象がないと

「今日はなんだか
居心地が良くて
晴れやかな気分で
仕事ができたけれど
これってたまたま今日が
そういう日だったから?
それとも私の
セルフカウンセリングが
功を奏してきてるってこと?」

という風に
その日の感情が
偶発的なものなのか
それとも
セルフカウンセリングによる
自分磨きの賜物なのかが
わからなくなってしまうのです。

ですが
自分の感情を数値化したものを
記録として残しておけば
過去の自分と現在の自分を
比較することができるので

「バランスのとれた考え方を
とれるようになったおかげで
昔の自分と比べて気持ちが
だいぶ楽になってきたな」


精神的な自律を感じることが
できるようになるのです。

少し難しいことを
お話してしまいましたが
「SMARTの法則」の
「M」にあたる

「目標を測定する」

の考え方としては

「客観的なデータがないと
自分が成長できているかどうかが
あやふやになっちゃうから
あとで自分の成長を
確認できるように
感情を数値化(測定)して
記録しておきましょうね」

という意味なんだなと
覚えておいてください。

そして
ナミさんからも指摘のあった

「そもそもどうすれば
バランスのとれた考え方を
身につけられるのか」

についてのお話は
また次回以降に
解説させていただきますので
よろしければそちらもあわせて
ご覧いただければと思います。

続く。


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