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アメリカ2024年後半に利下げがあるかどうかは、現時点では確実には言えませんが、いくつかの要因から考えると、可能性は高いと思われます。

まず、アメリカの景気は2023年にピークを迎え、2024年には減速すると予想されています。これは、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で巨額の財政出動が行われたことによる一時的な需要の反動や、インフレ圧力の高まりによる消費者の購買力の低下などが原因です¹²。また、中国との貿易摩擦や産業政策の強化によるグローバルな供給チェーンの再編成なども、アメリカの経済成長に不確実性をもたらしています

次に、アメリカの金利政策は、景気やインフレの動向に応じて調整されることになっています。アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)は、2023年12月の会合で、政策金利の据え置きを決める一方、2024年中に3度の引き下げを実施する可能性を示唆しました⁴。これは、景気減速やインフレの鈍化を見込んで、過度の金融引き締めを避けたいという意図を表しています⁵。FRBの議長であるパウエル氏は、金利政策は「データに依存する」と繰り返し述べており、景気やインフレの状況に応じて、利下げのペースや規模を変更する可能性もあります。

最後に、アメリカの金利水準は、市場の金利期待や国際的な金利差にも影響されます。現在、市場は2024年に計150bpほどの米利下げがあるとの見方を織り込んでおり、10年物米国債利回りは約1.5%と低い水準にとどまっています。しかし、この見方は、景気やインフレの予想が変われば変化する可能性があります。例えば、景気やインフレが予想よりも強い場合は、利下げの期待が後退して、長期金利が上昇する可能性があります。また、他国の金利水準や為替レートの動きにも注目する必要があります。例えば、日本や欧州などの金利が上昇したり、ドルが下落したりすると、米国債の需給バランスが悪化して、長期金利が上昇する可能性があります。

以上のことから、アメリカ2024年後半に利下げがあるかどうかは、景気やインフレの動向や市場の金利期待や国際的な金利差などの要因によって変わる可能性がありますが、現時点では、景気減速やインフレ鈍化の見通しやFRBの利下げ示唆などから、利下げがある可能性は高いと考えられます。ただし、この見方は、今後の経済や金融のデータによって修正される可能性があることを念頭に置く必要があります。


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