🗓️ 銀座書店　Amazonランキング急上昇‼️決算分析の地図　財務3表だけではつかめないビジネスモデルを視る技術

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「決算書」から企業を分析する＝語学やITと並ぶ全ビジネスパーソン必須のビジネス教養

これは今や周知の事実。でも、本当に「決算書だけ」でいいのでしょうか？
決算書だけ読めれば、企業のビジネスモデルを掴むことができるのでしょうか？
答えは「NO！」です。
企業の「本当の価値」が決算書にあらわれるのは、その10％程度だと言っても過言ではありません。

企業が公開している情報には、有価証券報告書等を筆頭に決算短信、株価、決算公告、中期経営計画等があり、最近では統合報告書も注目されています。そして、そこまで広範囲の情報を注視して初めて、真のビジネスモデルに到達することができるのです。
★財務情報×非財務情報★
これこそがポイント。
そこには間違いなく、決算書だけでは決して視えないdeepな世界が存在します。

創業以来赤字続きのfreeeはなぜ、株式市場で評価されているのか？
利益が出ているのに純資産が減っているAppleの秘密とは？
オリエンタルランドとサンリオの比較から視る収益構造の違いは？
資生堂はなぜ、TSUBAKIを売却したのか？

本書を通じて、企業分析の「醍醐味と楽しさ」をぜひ堪能してください。
有価証券報告書、決算説明資料、株価、決算公告、中期経営計画、目論見書から統合報告書まで。
まさに全方位からの企業情報で、分析の解像度を極限まで高めよう！


【目次構成】
第1章　企業の収益構造を把握するP/L
　オリエンタルランドとサンリオの比較から見る収益構造の違い
第2章　企業のビジネスモデルが見えてくるB/S
　オリエンタルランドとサンリオ、任天堂とソニー、ニトリと良品計画の比較から見るビジネスモデルの違い
第3章　キャッシュの使いみちを把握できるキャッシュ・フロー計算書
　利益が出ているのに純資産が減っているAppleの謎を解き明かす
第4章　時価総額から見る企業の評価と分析方法
　UUUMとANYCOLORから見る時価総額とファイナンス視点
第5章　なぜ、企業の経営指標ではROEが重視されるのか
　トヨタ、ホンダ、日産の3社をROEの視点から比較する
第6章　企業の未来予想が描かれている中期経営計画の読み解き方
　資生堂はなぜ、TSUBAKIを売却したのか
第7章　今後の企業分析には不可欠となるESGの視点と、非財務情報に関する統合報告書の勘所
　商社で時価総額トップクラスの伊藤忠商事の統合報告書
第8章　上場目論見書等を読み解くことで企業のIPOを分析する
　D2Cで成長をしてきたクラシコムとベースフードの対照的な上場スタイル
第9章　赤字でも成長を続けるSaaS企業の分析方法
　創業以来赤字続きのfreeeは、なぜ株式市場で評価されているのか
第10章　コーポレートガバナンスは企業にどのような影響を与えるのか
　NTTによるドコモ買収から見るコーポレートガバナンスの重要性

『決算分析の地図　財務3表だけではつかめないビジネスモデルを視る技術』レビュー

📚　book review

『決算分析の地図』は、村上茂久氏が企業のビジネスモデルを財務3表だけでなく、より広範な視点から分析する方法を解説した書籍です。著者は、従来の財務3表（損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書）だけでは企業の全貌を把握するのが難しいことを強調し、ビジネスモデルを理解するための新しいアプローチを提案しています。

本書は以下の主な内容で構成されています

1. 財務3表の基本と限界
まず、財務3表の基本的な理解とその限界について説明します。損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書の各役割と、それぞれが持つ情報の意義を解説します。また、これらの表が単独で提供できる情報の限界についても詳述しています。

2. ビジネスモデルの視点
次に、著者はビジネスモデルを理解するための新しい視点を紹介します。具体的には、企業の戦略、業界のダイナミクス、競争優位性など、財務3表には表れない要素をどう捉えるかについて説明しています。これにより、読者は企業の真の価値や潜在的なリスクをより深く理解することができるようになります。

3. ケーススタディ
本書の魅力の一つは、実際の企業を題材にした豊富なケーススタディです。著者は、さまざまな業界の企業を例に挙げ、それらの財務諸表を超えた分析方法を具体的に示しています。これにより、読者は理論だけでなく、実践的なスキルも身につけることができます。

4. 新しい分析ツールと方法
最後に、著者は新しい分析ツールと方法について紹介しています。これには、ビジネスモデルキャンバスやバリューチェーン分析、SWOT分析など、従来の財務分析に加えて使えるツールが含まれます。これらのツールを使うことで、読者は企業の強みや弱み、機会や脅威をより包括的に理解することができます。

本の評価
強み
1. 多角的な視点　村上氏は財務3表だけでは見えない企業の真の姿を明らかにするための多角的な視点を提供しています。これにより、読者は企業分析の深みを増すことができます。
2. 実践的なケーススタディ　実際の企業を題材にしたケーススタディは、理論と実践を結びつける上で非常に有用です。読者は具体的な事例を通じて、学んだ理論をどのように適用するかを理解できます。
3. 新しい分析ツールの紹介　本書では、従来の財務分析に加えて使える新しいツールを紹介しており、読者がより包括的な企業分析を行うためのスキルを身につけることができます。

弱み
1. 専門的な内容　ビジネスや財務に関する基礎知識がない読者には、内容が専門的すぎると感じられるかもしれません。特に、財務3表に慣れていない読者にとっては、最初の部分でつまずく可能性があります。
2. ツールの使いこなし　新しい分析ツールの紹介は有用ですが、それらを使いこなすためにはある程度の実践経験が必要です。初心者にはややハードルが高い部分もあるでしょう。

著者の目的と視点
村上氏の目的は、読者が企業の財務状況だけでなく、ビジネスモデル全体を理解するためのスキルを身につけることにあります。著者は、財務3表だけでは見えない企業のリスクやチャンスを捉えるための新しい視点を提供し、読者がより包括的な企業分析を行えるように導いています。

総評
『決算分析の地図』は、従来の財務分析に加えて、ビジネスモデルを理解するための新しいアプローチを学びたいビジネスパーソンやアナリストにとって非常に有用な一冊です。多角的な視点と実践的なケーススタディ、新しい分析ツールの紹介により、読者は企業分析の深みを増すことができます。ただし、専門的な内容が多いため、初心者にはややハードルが高いかもしれません。それでも、本書を通じて学ぶことで、読者はより包括的で深い企業理解を得ることができるでしょう。

ネタバレ‼️
第1章　企業の収益構造を把握するP/L
オリエンタルランドとサンリオの比較から見る収益構造の違い

オリエンタルランド（以下、OLC）とサンリオは、日本のエンターテイメント業界における代表的な企業です。それぞれ異なるビジネスモデルを持ち、その収益構造には顕著な違いがあります。本章では、PL（損益計算書）を中心に、両社の収益構造の違いを詳細に分析し、理解を深めます。

1. オリエンタルランドの収益構造
OLCは、東京ディズニーリゾート（TDR）の運営を主な事業としています。その収益構造は、以下のように分類できます。

1. パーク運営事業
  - TDRの入場料収入、アトラクション収入、イベント収入が中心です。これらは安定した収入源であり、集客力に依存しています。
  - フード&ビバレッジ部門：パーク内のレストランや飲食施設からの収益も重要な収入源です。訪問客の滞在時間が長くなるほど、これらの収益が増加します。
  - マーチャンダイズ部門：パーク内のショップで販売されるグッズやお土産からの収益も無視できません。

2. ホテル事業
  - TDR周辺のディズニーホテルからの宿泊収入です。パークの集客力と連動しており、宿泊客の増加がホテルの稼働率を高め、収益性を向上させます。

3. その他事業
  - ライセンス収入や不動産収入など、パーク以外からの収益も含まれますが、全体の収益に対する割合は比較的少ないです。

OLCの収益は、TDRの集客力に大きく依存しており、特に入場料とパーク内での消費が主要な収益源です。また、イベントや新しいアトラクションの導入によって訪問客を増やし、収益を向上させる戦略を取っています。

2. サンリオの収益構造
一方、サンリオは、キャラクターグッズの販売やライセンス事業を主な収益源としています。主な収益構造は以下の通りです。

1. キャラクターグッズ販売
  - サンリオショップや百貨店、オンラインショップなどでのキャラクターグッズ販売が中心です。ハローキティやマイメロディなど、人気キャラクターの商品化が収益の基盤となっています。

2. ライセンス事業
  - 世界中の企業にキャラクター使用権を提供し、ライセンス収入を得ています。これにより、サンリオキャラクターの商品が多岐にわたるジャンルで展開され、安定した収益をもたらします。

3. テーマパーク事業
  - サンリオピューロランドやハーモニーランドなどのテーマパーク運営も行っていますが、全体の収益に占める割合はキャラクターグッズ販売やライセンス事業に比べて少ないです。

4. その他事業
  - 出版事業や映画・アニメの制作、イベントの企画など、キャラクターを活用した様々なビジネス展開が含まれます。

サンリオの収益は、キャラクターグッズ販売とライセンス事業に大きく依存しており、特にハローキティなどのブランド力が収益の安定性に寄与しています。

3. PL比較：OLCとサンリオ
PLを比較することで、両社の収益構造の違いがより明確になります。

1. 売上高
  - OLCは、TDRの入場料収入やパーク内の消費が主な収益源であるため、売上高は季節変動や新しいアトラクションの導入による影響を受けやすいです。
  - サンリオは、キャラクターグッズの販売やライセンス収入が主な収益源であり、特定のキャラクターの人気度に依存します。世界中で広く展開しているため、地域ごとの経済状況や消費者の嗜好の変化にも影響を受けます。

2. 売上原価
  - OLCの売上原価は、パーク運営に関連する人件費、設備維持費、材料費などが含まれます。これらは一定の固定費用がかかるため、入場者数に比例して変動します。
  - サンリオの売上原価は、キャラクターグッズの製造コストやライセンス商品のロイヤリティ支払いが含まれます。製造コストは製品の種類や数量に依存し、ライセンス商品の場合は売上に応じて支払われるため、売上高に比例して変動します。

3. 販売費及び一般管理費
  - OLCは、広告宣伝費やマーケティング費用、管理部門の人件費などが含まれます。特に新しいイベントやアトラクションのプロモーションに多額の費用がかかります。
  - サンリオは、商品企画・開発費用、店舗運営費、ライセンス事業に関する費用が含まれます。キャラクターのプロモーションや新商品の開発に費用がかかりますが、グッズ販売やライセンス収入の割合が高いため、効率的な経費管理が求められます。

4. 営業利益
  - OLCの営業利益は、入場者数やパーク内の消費に依存し、イベントや新アトラクションの成功が大きな影響を与えます。
  - サンリオの営業利益は、キャラクター商品の売上やライセンス収入の安定性によって支えられています。特定のキャラクターが成功すると、ライセンス収入が大幅に増加し、収益性が向上します。

4. 結論
OLCとサンリオは、それぞれ異なるビジネスモデルを持ち、その収益構造には明確な違いがあります。OLCはパーク運営を中心とした収益構造で、集客力とパーク内での消費に大きく依存しています。一方、サンリオはキャラクターグッズ販売とライセンス事業を主軸とし、ブランド力と商品化戦略によって安定した収益を確保しています。

両社のPLを比較することで、収益源やコスト構造の違いが浮き彫りになり、それぞれの強みと課題が明らかになります。これらの分析を通じて、企業の収益構造を把握し、効果的な経営戦略を策定するための参考とすることができます。

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