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過去の話(日本の成長力を産み出す日本人という存在)

 日本は第2次世界大戦で敗戦して以来、目覚ましい成長を遂げた。ちょうど私の祖父が二人とも存命で働き盛りであった時代である。父方の祖父は、市役所で財政を担当し、母方の祖父は駅舎で駅員さんをしていた時代である。父方の祖父は私が一切の時、がんで他界した。だから、後の話は祖母から教えてもらった記憶である。一方、母方の祖父は、アルツハイマー病になりながらも懸命に生き、3年前の1月に老衰でこの世を去った。彼のあぐらの上は私のいつもの特等席だった。
 母方の祖父は、アメリカのB-29に破壊された街、姫路を見て悲しんだという。彼はとても変わった人だった。私に対する目いっぱいの笑顔は常に大好きと感じさせてくれるものがあった。しかし、彼は一人庭を見て、そして、縁側で眠りこけることを愛する人だった。家族以外とはあまりうまくコミュニケーションできていないように私は感じた。子供ながら、胸が痛くなるほど一生懸命にご近所さんとあいさつするのは今も記憶に残っている。
 父方の祖父は市役所のトップになり、姫路城という観光名所を掲げ、行政のプロとしての顔を見せた。らしい。
 母は祖父譲りのコミュニケーションが苦手な人であった。しかし、彼女は家庭に身をささげた。
 父は、国語の教師として教壇に立ち、生徒たちと全力で向き合った。
 これらが、日本を作り上げた人々の姿を描いた、1ページである。

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