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私を作ったのかもしれない言葉。恋愛写真―もうひとつの物語|市川拓司


「私はただ、好きな人が好きな人を好きになりたかっただけ」

恋愛写真―もうひとつの物語




中学生の頃、朝の読書の時間に読んだ小説の名言。
映画も何度も見て、主題歌も何度も聴いてどハマりしてました。

長い年月忘れてたくせに
なぜか、最近よく思い出します。

心の奥底に眠っていたのです。



全く理解できませんでした。

「好きな人の好きな人ってただのライバルじゃん」
「ただのきれいごとじゃん」


当時は、良くも悪くも
努力次第で好きな人は絶対振り向いてくれる、
ライバルなんて見るべきものじゃない、
と信じてやまなかったのです。





でも、32歳になり
今なら理解できるのです。



好きな人の好きなものはその人のアイデンティティだから。
好きな人の見ている世界を見たい。

そこには
自分のものにしたいという欲望よりも、
ただ好きな人をもっと愛したい、
そんな心が見えるような気がします。



決して叶わないと知りながら、それでもひたすら一途に想い続けている女の子の言葉だからか、
その主人公の純粋な心に感じるものがあったように思います。
忘れていたような気持ち。



彼女にとって、
好きな人の好きな人を好きになることが
好きな人への最大の愛情だったのでしょう。

好きな人をもっと理解したい、
ありのままを受け入れたい、
その一心だったように感じます。


あの頃の私に
大切な何かがあるよ
と言われてるような気がします。

時を超え、もう一度しっかり読み直したいなぁと思ったのでした。

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