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きのことココダトレイル「真夜中のコケコッコー」


(1)トイレは懐かしのほったてボットン便所

 トレイル1日目の夜、1日で3年分の感情が動いた…
そんな濃い1日を思い出しながら日記を書いていました。村の方々は灯の灯る小屋に集まり、静かな話し声が聞こえます。夜空も美しい。

テントからトイレは遠い。夜中にトイレに行きたくなったら…はたして辿り着けるのだろうか、、真っ暗闇の中、、村の端っこにあるほったて小屋のボットン便所まで歩いて行く怖さって、お化けにバッタリ対面するかもしれない。

私的には連れションしていいのはこういう時だけだと思うのです。ただし、夜中に付き合って〜なんてトレッカー仲間を叩き起こす勇気なんてものはありませんので…トイレに行きたくなる事態になりませんようにと祈りを込める……逆に付き合って〜と言われたら、いやいやムリムリ……死んだふりでしょうね。いや、そうしたい気持ちとは裏腹に、断れずに起きるタイプかな。

食堂の灯

(2) 泣かせないで…

そんなことを取り留めもなく考えていた時のこと。

「きのこ、ちょっといい?」
と、テント外でセクシーボイスの声がしました。

「ん?あっ?どうしたの?大丈夫だよ!」
テントから顔を出す。

「きのこ、慰霊祭の件、昨日はごめん。
あんな形で僕の意見を言ったけれど、軍曹から3カ国の合同慰霊祭の提案があるなんて想像もしていなかったから…

よくよく考えたんだけどね、、第二次世界大戦にどんな思いがあったとしても、それをきのこ1人の問題として個人的に感情をぶつけるのは間違ってると思ったんだ。だから謝りたいと思って、そして僕もみんなと同じ、慰霊祭に、日本も含めて祈りを込めることに賛同します。」

イオリバイワの夜。

日本の兵士の皆さん、否、敵も味方もありません。この地で戦った全ての兵士の皆さんに聞こえていますように。戦争がなかったら、平和な世界で手を取り合って同時代を生きたはずの皆さんであったはず。もしも私達の小さな小さな平和、そして平和を作り出そうと考え、願う、そんな会話でほんの少しでも慰められる気持ちになるのであればそれを心から嬉しく思います。

「ありがとうセクシーボイス。
真剣に向き合ってくれてありがとう。私は本当に大袈裟な事を考えていなかったの。私の祈りを込めて個人的に弔うことができたらそれで良かったんだ。まだトレイルは始まったばかり、気持ちが変わったらいつでも言ってね。私は大丈夫だからね。セクシーボイスの気持ちを大切にしてね。あっ、あのね、日本の民族って本来は怖がりで平穏や平和のために祈る民族なの。」

「うん、日本の国歌が生まれるに至った背景の説明を昨晩きのこから聞いたけれど※1本当に美しい国歌だなと改めて思ったよ。」

(セクシーボイス、あの後も調べてくれたんだ…)

※1 少し記憶が定かではないのですが、日本の国歌、君が代の生い立ちについて出発前のブリーフィングの時に少し時間を貰って、説明したんだと思います。生い立ちを知ってもらったら、きっと君が代に対して良い印象を持ってもらえると思ったから。

真っ暗闇の中会話する2人。
私は涙がこぼれてました。見られませんように…

「きのこが個人的に慰霊祭をする時に僕も立ち会ってもいいかな。」

震える声で、

「ありがとう。セクシーボイス、疲れているでしょう?
わざわざ伝えにきてくれてありがとう。明日もがんばろうね。おやすみなさい。」


道端の花

(3) ポーターについて

前日のブリーフィングにまた時計の針を戻します。

ココダトレイルを歩くにあたってトレッカーに、ポーターをつけるのかつけないのかという選択が迫られます。

ブリーフィングの中でポーターの話題になり、セクシーボイスが真剣な表情で軍曹に訴えかけます。僕はやはりポーターをつけることに先進諸国の人間のエゴを感じる部分があり、最後の最後まで悩んだのはメールで連絡した通り。苦悩の表情…

一同シーン…

天パ坊やとデンタルモデルは余裕の表情で、僕らは全部背負うし、さっき量ったら12kg。飲料水を足しても余裕だしねと醸し出す自信満々なオーラ。

で、翌日…
天パ坊や、、水入れたら20kgになってる💦空港の秤は壊れていたんだ😱大変だ!!

セクシーボイス、やっぱり僕は悩んでいる…
言動を聞いて、見て、きのこの総合判断で言いたいことがありましたが、まだ初日。気持ちを抑える…

そんな中、らんま1/2が、歩き出して数日後にきのこの言葉を代弁してくれる…

あのさ、セクシーボイス。
ポーターに対しての気持ちは分かった。けどさ、あなたのバックパック、、、(小学生の遠足サイズだし)我々の中で1番軽くて、小さくない?!

一同黙る…

🤣🤣🤣
今思い出しただけでも笑えます。

そして、確か壁と呼ばれるスロープを登り切った場所での話。確かセクシーボイスは、この荷物でも僕には大変なんだ…みたいなこと呟いたかも。

一部始終の矛盾がおかしくておかしくて、1人笑いを堪えていた感じ…でした。

軍曹の元に集まってくる人達はかなり個性的な面々。

再登場かな

(4) ココダトレイル 番外編
(悲劇、喜劇の夜)


1日目は思ったより楽だった〜と思ったものの、かなり疲れていました。日記をつけている間に仲間のイビキが聞こえ始め、これで翌日からのテントの配置が変わるんですが🤣🤣

そして皆が寝静まった夜中の2:30am….
何を間違ったか、

コケコッコー!!
コケ、、だと?!🐓

一旦おさまったのか、寝落ちてまた3:30に。
コケコッコー!!の大応酬が始まる。

それが拡声器つけたんじゃないかという大音量。
こっちで鳴けば、あっちで鳴く。

最初はマイッタナ〜寝たいんですが、、と思うも途中から可笑しくて笑い出してしまいました。笑いが止まらない。なんなんだ、ここの鶏の客人への対応は。。

なっとらん‼️笑笑

こんなん聞かされたら、、反則でしょう……
クックックッ、、疲れすぎて頭おかしくなってます。

凄いのがあって、頭にきたトレッカーが、、

ツカツカツカ、、👣

コケコッ、、で、、コイツは〜ふざけんな…と、
シメちゃったんじゃないかね🤷‍♀️という、、バージョンの鳴き声もあって、、いやぁ、、面白かった。※2

翌朝、、

眠れた??

眠れる訳がない、、🤣🤣という朝のご挨拶。

因みに鶏は、らんま1/2だったと思うんですが、テントの半径1メートル以内にいました。大音量のはず。

長い1日の始まりでした。

テントの中で確認。

※2 鶏の音声はこちらに。
Twitter(X)の投稿につけていました。

https://x.com/mushroomdoesno1/status/1675068086062575616?s=46&t=hQMzGXShVAU4fpdCWmxHXg


(おしまい)

読んでくださってありがとうございました。

初日

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