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【超短編小説】恋愛境界線


「そっか、付き合わないんだ。私はお似合いだと思ってた」

「そういう関係じゃなかったから。友達だった訳だし」

「まあ、それで良いなら、私は何も言わないけどね」

「うん」

恋愛には境界線が存在する。

近付ける距離と踏み入れられない距離。

その両方があって、

私は、まだ境界を超えられない。

境界の中で会話して、

境界の中で微笑む。

いつだって、境界の内側にいた。

でも、私は。


「今度は、一歩踏み出したいな」(完)