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相撲は辛抱

令和六年大相撲七月場所。
名古屋のお相撲さんの背中が日焼けしている。

初日にいいことがあった。
長らく休場中の解説者北の富士勝昭さんが、VTR出演されたのだ。
変わらぬ粋なお着物姿だった。
東京でテレビ観戦されるということだ。
それだけでファン歓喜。
勝昭さんが初日の組み合わせを見て、
「照ノ富士とコレ(平戸海)なんかいい相撲を取るんじゃないかと思ってるね。」
なんて言っているお姿を拝見できただけで、勝昭さんが元気でよかったと思った。
初日の結びの一番は、平戸海が照ノ富士に食らいついて善戦、勝昭さんがおっしゃる通りのいい相撲だった。
元横綱の北の富士勝昭さんの解説は親しみやすく、かわいいところがある。
力士の誰かがトレーニングの一環でピラティスを取り入れているという話題の時に、
アナウンサーから
「ピラティスやったことありますか?」
と聞かれた勝昭さんは、
「食ったことない」
と答えた。
ティラミスと間違えたらしい。
そういうところが好きだ。
もう2年以上前の解説席での一場面だ。


四日目に悲しいことがあった。
朝乃山が大きな怪我を負ってしまった。
手術をするそうだ。
治療には時間がかかるだろう。
多すぎる試練にファンも泣く。
対戦相手の一山本は勝ったが心配でたまらない顔だった。
おふたりともどうか頑張ってほしい。
朝乃山と一山本の仲良しぶりは相撲協会のYouTubeでよく知っている。
人気者の休場が続くが、治癒を祈り復活の時を静かに待つのみ。

大関陣が初日全滅するのはもはやデフォルトなのか。
荒れる場所、と誰も言わなくなった。
そんな中、休場明けの横綱照ノ富士は圧倒的な強さで六連勝。
結びの一番を締めている。

関脇大の里は、優勝した先場所のようには白星を重ねられてはいない。

大関は易々と手に入る地位ではないし、地位を守るのだって大変だ。
角番、関脇陥落、どれだけのプレッシャーと戦っているんだろう。
初日に大関総崩れでも文句を言わないようにしよう。
相撲は辛抱、相撲は我慢。
いろんな親方が解説席でよく口にする。

五日目の正面解説、境川親方はいつもにも増して存在感があった。
向正面解説の、名前に「し」がつく舞の人のコメントに対して
「やかましい!」
「調子のいいことばかり言ってんじゃない」
現役時代は同部屋で兄弟弟子だった境川親方(元•両国)と舞の人。
信頼関係が成り立った上での軽口だろうけど、舞の人はファンの気持ちをイラッとさせることを言うので、「やかましい!」と言われたことに笑った。

相撲は辛抱と書いたそばから舞の人への文句を言ってしまった。
でも勝昭さんにも「余計なことを言わなくていい」って怒られてたな。

解説者の親方からは相撲の技の解説だけじゃなく、お人柄が表れるちょっとしたトークも聞きたい。
達者なトークじゃなくても、それが
テレビ観戦をおもしろくする。
勝昭さんの解説が聞きたいところだが、健康第一、相撲ファンも辛抱である。

横綱全勝で迎える本日七日目。
横綱の対戦相手は勝昭さんのご贔屓宇良だ。
宇良の挑戦はいかに。

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