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甥っ子ムーニー君

私のところも弟のところも長らく繁忙期の子連れ帰省を繰り返してきた。

実家には、家族分の夏用冬用パジャマ、寒い実家を乗り切る冬用部屋着など、置きっぱなしの衣類があって、2階の部屋の押し入れに、それぞれ一家のスペースがある。

先日、我が家のスペースを整理していたら、その奥から段ボールが出てきた。
開けてみると、中には小さなフリース上着。
これは甥っ子が着ていたものだ。
まんまるおめめのかわいい顔の甥っ子だ。
その小さいサイズにグッとくる。
なんちゅうかわいさ。
広げて眺めてまた畳む。

それから紙おむつのムーニーマンMサイズ。
あっという間に大きくなって、おむつって数ヶ月で使えなくなるんだよね。

甥っ子現在高3。
いつのムーニーマン、もういらない。
弟に許可もなんもなかろうと、
紙おむつは即処分の袋へ。

甥っ子がまだムーニー君でそのフリースを着ていたような頃だ。
ヤクルトを飲んだことがなかったムーニー君に、
私はヤクルトの味を知らしめた。

もっと飲みたいと彼は訴えたが、パパである弟とママにもうおしまいと言われ、ムーニー君は泣いた。
ごめんよムーニー君。
おばちゃんがヤクルト2本目をチラつかせなければ。

そんな後悔の念に駆られながら、
今着たら痛すぎる私の夏物パジャマ、誰かのハーフパンツ、
分厚くなった私がはけないスカート、
はかせるおむつのムーニーマン
この4点を処分した。
実家の片付けはなかなか進まない。
フリースは大事に弟一家のスペースに戻した。

甥っ子は現在大学受験真っ只中。
なんと国立一本狙いらしい。
なんという漢気。
ヤクルト10本いけそうだ。

受験当日のお天気が荒れませんように。
交通の乱れがありませんように。
風邪をひきませんように。
力を発揮できますように。
親の祈りはいつも変わらない。

長らく会っていないけど、
ムーニー君のフリースを思い出し、おばちゃんは祈ってるよ。

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