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夏場所千秋楽新星

令和六年夏場所
初日の衝撃(上位陣全滅)を思えば、落ち着いた千秋楽だった。
途中の優勝予想は困難だったが、
新鋭の小結大の里が三敗で、単独先頭に立った。
大関豊昇龍と琴櫻、阿炎と大栄翔ふたりの優勝経験者が四敗で続いて、番付の意味に納得の見応えがあった。

大の里と阿炎戦。勝てば大の里優勝の大一番だ。
阿炎は十四日目に琴櫻を倒して優勝の芽を育てた。
師匠の錣山親方の棺に自身の初優勝の賞状を入れたそうだ。
泣ける。
阿炎は若い頃、インタビューでピースするお茶目なやんちゃだった。
怒られたと思う。
コロナ自粛の時も問題になった。
偉大な師匠に守られ育てられて大人の関取になった。
元寺尾の錣山親方と阿炎の師弟物語はグッとくる。
地位は人をつくるんだな。

阿炎は変化を選ぶ時がある。
自身の初優勝のときは優勝決定戦を制して賜盃を手にした。

この一番の願いはただひとつ。
変化しないでほしい。
大の里はまっすぐ当たるだろう。
真っ向勝負で決着してほしい。

杞憂だった。
正面で当たった。
のけぞる大の里。でも引かない。
あっという間に阿炎を土俵の外に押し出した。
土俵上の勝負が早い。
入門から一年での優勝。
史上最速だって。

いやすごいわー。
カメラに抜かれる体格の良い男性がいて、大の里の相撲の恩師かと思ったら、大の里のお父さんだった。
祈り、喜び、泣くお父さん。
父の里の号泣にもらい泣きだ。
優勝を決めた大の里の目にも涙。

優勝インタビューで、師匠の元横綱稀勢の里の二所ノ関親方に、優勝しても喜んではいけないと言われていたと明かす。
強いお相撲さんになりたいと話す大の里。
小結で十三番勝ったので、今場所が大関昇進への起点となる。
場所前には部屋での問題があった。
批判もされているが...
ただの困ったちゃんなら、優勝には辿り着けないだろうと思うのだ。
怪我なく健康で、心に重しを持って、駆け上がってほしいなー。

平戸海も来場所楽しみだ。
大の里とは同級生だけど、平戸海は叩き上げの力士。
対戦があればプライドがぶつかりあう好取り組みが見られると思う。
今場所、平戸海は大の里に勝利した。
ライジング平戸海!

琴櫻は結びの一番は立派だった。
阿炎との一敗が悔やまれると解説陣が言っていた。
勝昭さんならなんて言うだろうな。
優勝にはもう一歩及ばずだったけど、その日は必ずやってくる。

大栄翔は三役に戻るだろう。
千秋楽のいい相撲で11勝4敗。
顔もお腹も傷だらけだった。

妙義龍は十両で負け越し。
どこか痛めているだけであってほしい。
埼玉栄の化粧まわしの言葉
「今日学べ」
いい言葉だ。

化粧まわしといえば。
時津風部屋の正代のペコちゃん、豊山(引退)のポコちゃん、時疾風のドッグがかわいくて目を引いていた。
今場所初入幕の時疾風の新しい化粧まわしは、白地に赤、ペコちゃんのお口をデザインした化粧まわしだった。
不二家の前を通りかかったら、その秀逸デザインが目に飛び込んできて、中はバームクーヘンだったので思わずふたつ購入。
相撲に明るくない友人に延々と説明してプレゼント。
でも正代の名前を出したら
「まさよさんね?」
と言ったので、おお番付を上げてきたなと思った。

上がったり下がったり忙しいけど来場所も楽しみ。
尊富士は十両になっちゃうのかな。

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