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陸上自衛隊のヘリ❗️❓

元自衛官の雨宮トムです👏👏👏

今回は陸上自衛隊のヘリの紹介します♪

航空機・ヘリコプター

観測ヘリコプターOH-6D

乗員 1(パイロット)3

この機体は1963年にアメリカで開発された軽観測ヘリコプターOH-6Aカイユースが原型になっていて、米ヒューズ社(現MDヘリコプターズ社)のモデル500をOH-6Jとして1969年から陸上自衛隊に導入を始めました。

OH-6Aは1970年までに1434機が生産され、居住性の向上と騒音の軽減をした民間型も開発されました。

それまで陸上自衛隊では観測ヘリコプターとして使用されていた小型ヘリコプターH-13の後継機として導入後、川崎重工によって国内で機体のライセンス生産、エンジンを輸入購入して運用します。

OH-6型は世界30ヶ国以上で使われ、累計で6000機以上も生産された人気のある機体でもあります。

見た目からも分かる様にOH-6シリーズは「フライングエッグ(空飛ぶ卵)」とも呼ばれて親しまれているヘリで、パイロットの乗り込む胴体が卵型のモノコック構造のため軽量で視界もとても広いです。

観測ヘリコプター OH-1

乗員 2名

武装 空対空ミサイル×4

OH-6Dの後継として1992年より開発が始まり、開発完了後の2000年から配備が開始された純国産の観測ヘリコプターです。

これまでの自衛隊で運用されてきたヘリとは外観からも大きく異なり、アメリカのRAH-66コマンチに近い見た目になっています。

テイル・ローター部分も特徴的で、これは「ダクテッド・テール・ローター(ダクテッド・ファン)」と呼ばれるもので、ブレードを不等間隔に配置しているため騒音を抑えて、観測ヘリとして有利な隠密性の向上に繋がっています。

このタイプのダクテッド・ファンが使用されている機体は自衛隊だけではなく、東京消防庁のドーファンⅡや警視庁航空隊のヘリにも採用されています。


多用途ヘリコプター UH-1H/J


UH-1J

乗員 2名(パイロット)+11名(乗員)

武装 固定武装なし
※ドアガンとして機関銃を搭載可

UH-1H

乗員 2名(パイロット)+11名(乗員)

UH-1H/Jは世界初の量産型汎用ヘリコプターUH-1イロコイが原型となっているベストセラー機です。

陸上自衛隊には"ひよどり"の愛称で運用されていた"UH-1B"の後継機として1973年にUH-1Hを配備しました。1993年からは富士重工業(現:SUBARU)とベル社により共同改良された日本独自のJ型(UH-1J)に調達を切り替えます。UH-1H/Jは調達数からしても陸上自衛隊を代表する主力多用途ヘリコプターだと言えます。

機体の開発は、アメリカのベル・エアクラフト社(現:ベル・ヘリコプター・テキストロン)、エンジンをライカミング・エンジンズ(現:ハネウェル・エアロスペース)により行われ、日本では機体を富士重工業(現:SUBARU)、エンジンを川崎重工業により国内でライセンス生産が行われています。

UH-1の特徴としてキャビン上部にエンジンを配置したことで、乗員が搭乗する空間を広く確保できています。
またH型ではB型と比べて胴体が延長され、キャビン内に搭乗できる乗員が7名から11名まで増加しています。
人員だけではなく偵察用オートバイを機内に最大2台乗せて空輸することも可能になっています。

J型(UH-1J)

UH-1Hを改良・強化した"J型"にはさまざまな機能向上が行われています。

エンジンを対戦車ヘリコプターAH-1Sコブラと同じT53-K-703ターボシャフトエンジンに換装。出力が900SHPから1134SHPに増強されています。
このエンジンの排気口付近には排熱を感知して飛翔してくる赤外線誘導ミサイルの照準をそらす赤外線妨害装置(IRジャマー)が備わっています。

コックピットの計器類は暗視装置(暗視ゴーグル)にも対応し、夜間飛行能力の向上も図られています。
また機首下部には前方赤外線監視装置(FLIR)を搭載している機体もあります。

外観からもわかる様に機首上下にはワイヤーカッターを装備し、飛行時に電線などをローターに巻き込んでの機体損傷防止処置も施されています。
他にもパイロット座席とエンジン周辺を防弾板で防護するなど生存性の確保もされています。

多用途ヘリということもあり、固定の武装はありませんが側面ドアを開放して12.7mm重機関銃 M2などを搭載してドアガン射撃が行えます。
武装以外にも追加装備としてリアルタイムで映像を送受信できる映像伝送装置、空中から地雷を撒いて即席で地雷原を構築できる87式地雷散布装置などが搭載できます。
また、機体を空中でホバリングした状態で患者を吊り上げて機内へ搬入できるホイスト装置も搭載されています。
河川氾濫などで取り残されてしまった方を吊り上げて救助する場合にも活躍しています。

UH-1Jの後継機としてUH-60JAが導入され入れ換わる予定でしたが、調達コストが3倍であるなどの理由で進みませんでした。
現在(2019年)は、ベル社とSUBARUが共同開発した"SUBARU BELL 412EPX"をベースに「UH-X試作機」の実用試験が行われています。

これまでにJ型だけでも130機が調達され、各方面隊や師団等の航空隊に配備されています。


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