見出し画像

【読書日記】 「ない仕事」の作り方 を読む

以前、YouTubeの大人の教養講座で、山田五郎さんとのトークがおもしろかったので、読んでみました。

第一刷:2015年11月25日
発行元:株式会社文藝春秋
著者:みうらじゅん
内容:「マイブーム」「ゆるキャラ」など新語を生み出し、それまで世の中に「なかった仕事」を企画、営業、接待も全部自分でやる「一人電通」という手法で作り続けてきたみうらじゅん。アイデアのひらめき方から印象に残るネーミングのコツ、世の中に広める方法まで、その驚きの仕事術を丁寧に解説。(amazonより)

みうらじゅんさんと山田五郎さんのトークの動画はこちら。


よくわからない みうらじゅんさんのことが ちょっとだけわかった

みうらじゅんさんの肩書きは「イラストレーターなど」だそうです。
以前YouTubeで、仏像愛を熱く語っておられました。
また、「マイブーム」ということばを作ったのもみうらさんだということは知っていました。
そこで、みうらじゅんさんって、何者なんだろうと不思議に思っていたのでした。

この本では、みうらさんが、「ゆるキャラ」ということばをどのようにして作ったのかが具体的に書かれていました。

「ゆるキャラ」ということばが生まれた


そういえば、「ゆるキャラ」ということばが出てくる前は、「どこどこのマスコット」という言い方をしていましたね。
その「どこどこのマスコット」をひっくるめて「ゆるキャラ」という概念を作ったのです。
その過程がみうらさんの体験をもとに本当におもしろく書かれています。

「新しい概念を意図的に作る」ということだと思いました。
そんなことをされているんですね。
私には絶対できない、おもしろい、創造的な仕事です。
みうらさんの「ない仕事」の作り方が「少し」わかりました。
(「よく」ではなく「少し」わかったのです。なにせ、私にとっては「特殊な仕事」に思えたもので・・・)

おもしろい一節があります。

私の「したい仕事」は世の中にあると思い込んでいました。しかし、どうやら、ない。だったら自分で作るしかない。しかしそこで自己主張をしてしまうと、世の中からすぐに「必要がない」「欲しくない」と気づかれてしまう。そこで自分を消し、あたかも「なかったもの」が流行っているかのように、主語を変えてプレゼンしてみる。すると、人々は「流行っているのかな?」と、ようやく目を向けてくれるようになる。
「自分探し」をしても、何にもならないのです。そんなことをしているひまがあるのなら、徐々に自分のボンノウを消していき、「自分なくし」をする方が大切です。自分を無くして初めて、何かが見つかるのです。

P132~P133

この一節は、みうらさんが新しいことばを作り出す中で得られた術でしょう。
しかし私は、この一節に、自分の第二ステージへの向き合い方を重ね、共感しました。なんだか人生訓のようです。

なんだか人生訓のようにも読めた


「またやってる」ではなく「まだやってる」と人に言われること

みうらさんは、昔から「またやってる」ではなく「まだやってる」と人に言われるようになりたいと思ってきたそうです。
なるほど、いいなあ。

自分の好きなこと、追求したいこと、はまっていることを続け、自分らしさを作っていく。
その時に、「まだやってる」と言われることは、なんだか価値を認められているように思います。
「(そんなこと)まだやってるんだ」と言われて、
「うん。まだやってるんだ」とはりきって答える。
なんだか、いいかもしれない。

「まだやってる」と言われたい


みうらじゅんさんの本、他にも読んでみたくなりました。
奥が深い。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?