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母とわたし

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年老いた母と過ごす時間や本を通して考えたことを綴る記事を載せています。「介護」というほどでもないのですが。。
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記事一覧

私の投稿が新聞に載るまでのこと

母との買い物で思ったことを先日noteの記事にしました。 その記事はこちら。 「高齢の方が、店で食べたいものを安心して選べるといいなあ」、このような声をどなたかに拾っていただきたいと思いました。 そこでひらめいたのが新聞の読者の投稿欄。 時々読むのですが、社会への提言あり、家族との体験あり、身近なことに対する疑問ありで、こちらも刺激をいただくことがあります。 私は、ある全国紙の朝刊をとっているので、ちょうど良いなと思いました。 私の投稿が実際に新聞に掲載されるまでの経過を

【読書日記】 「利用者の思いにこたえる 介護のことばづかい」を読む

帯に「アンケートとインタビューで明らかになった」とありました。実際の声を集めて、ことばづかいについて言及している本は珍しいと思い、読みました。 第一刷:2019年3月1日 発行元:株式会社 大修館書店 著者:遠藤 織枝・三枝 令子・神村 初美 内容:利用者と家族は何を望んでいる?アンケートとインタビューで明らかになった“介護される側”の声を多数紹介しながら、介護現場の心地よいコミュニケーションのありかたを考察。(Amazonより) 「介護者はこんなことばかけをするとよいで

高齢の母と、お店と、食べ物のかたさ

90歳の母と買い物に行き、思ったことがあります。 店で、食べるものを選ぶ時、その硬さを知ることはできないものだろうか。 母はずっと家に閉じこもりがちでしたが、最近、車椅子で一緒に買い物に行けるようになりました。 「何食べたらいいかわからん」と言っていた母が、お店でおいしそうなものを見ると選べるようになり、私は嬉しく思っています。 しかし、母はやってはいけないことをつい、してしまうのです。 それは、おかずのパックや袋づめされたパンなどを、指で押すのです。 (お店の方、申し

ユニバーサルマナーについて再び

先日、ユニバーサルマナー検定1級の受講をし、最後のレポートを提出したところだ。 私の記録としても、今考えているユニバーサルマナーについて、再び記事に書こうと思う。 前回の記事はこちら。 「ユニバーサルマナー」とは「多様な方々へ向きあうためのマインドとアクション。”自分とは違う誰かの視点に立ち行動する”ことを特別な対応ではなく、『こころづかい』の一つと考える。」とある。 ユニバーサルマナー、ユニバーサル検定については、以下を参照してください。  このユニバーサル検定の受講

母との関わりをユニバーサルマナーの視点で見直す

「ユニバーサルマナー」とは「多様な方々へ向きあうためのマインドとアクション。”自分とは違う誰かの視点に立ち行動する”ことを特別な対応ではなく、『こころづかい』の一つと考える。」とある。 ユニバーサルマナー、ユニバーサル検定については、以下を参照してください。 ユニバーサル検定(ミライロ主催)のため、「つながるUDーハレの日とUD」というセミナーを受講した。 車椅子ユーザーと聴覚障害者が、自分たちなりの表現を活かし、結婚式・披露宴を作り上げたエピソードを聞いた。グループワー

89歳の母とテレビのよい関係

89歳の母は、テレビを見たり本を読んだりして大半の時間を過ごしています。 母とテレビのことで少し考えることがありました。 「年老いてテレビばっかり見てると認知症になりやすい」と複数のメディアでよく伝えられています。 最近読んだ本にも次のように書かれていました。 「ふん、ふん、その通りだなあ」と思って読んでいました。 テレビダラダラ→心も体もダラダラ→頭も体も動かない→考える力が育たない、もしくは力が萎える こういう図式は、年老いた人だけではなく、成長期の子どもや大人

【読書日記】 「老いた親を愛せますか?それでも介護はやってくる」を読む

著者の岸見一郎さんの「介護のためのアドラー心理学入門」を先日読み、非常に共感しました。自分を見つめ直したく、さらに一冊手にとりました。 第1刷:2015年12月10日 発行元:株式会社 幻冬社 著者:岸見 一郎 内容:私たちにとって幸福とは何か? 70万部のベストセラー『嫌われる勇気』の著者にしてアドラー心理学の第一人者が、ありのままの家族の関係を提言。 「愛せますか」「それでも」・・・タイトルが衝撃的「老いた親」というとマイナス面ばかり思い浮かんでしまいがちです。 「動

【読書日記】 「看る力 アガワ流介護入門」を読む

気になっていた本をようやく手に取り、一気読みしました。著者の阿川佐和子さんの著書「聞く力」が大変面白かったことと、最近高齢の母と接する時間が増え、「介護」という言葉に反応したことから手に取りました。 第1刷:2018年6月20日 発行元:株式会社 文藝春秋 著者:阿川佐和子 大塚宣夫 内容:介護経験豊富なアガワと高齢者医療の第一人者である大塚医師の二人が語る親&伴侶の正しい介護法、理想的な老後の生活術ー。 アガワ流介護で明るくなれた 阿川さんと大塚先生の対談で介護の話が

89歳の母の「自己選択」について再び考えてみる

閉じこもり(*)の生活を送っていた母が、車椅子に乗ることで、好きなものを選び、自分で決める機会ができつつあります。「母らしさ」が垣間見られ、嬉しく思っています。 (*)外出したがらず家の中にいる高齢の方をを「閉じこもり」と表現している書籍がありました。母の様子を表すのには「引きこもり」よりも「閉じこもり」の方が合っていると思いました。 タイトルに「再び考えてみる」とあります。1回目に考えてみた記事は以下の通りです。よろしければご覧ください。 母とのエピソードをもとに、「自

年老いた母が「自己選択」をする

年老いた母は、自分で選んだり、決めたりする機会がほとんどありませんでした。最近、車椅子に乗るようになり、母なりの自己選択の機会が増えました。私にとっても嬉しい経験でした。 膝が痛いから引きこもる それなら痛くない方法で外に出よう 母は、まさに「閉じこもり」。家の外には全く出ません。介護サービスも使いません。人と接することもほとんどありません。体のあちこちが痛く、動くのもやっと。家でじっとしている、の悪循環でした。 車椅子がやってきた 母に「お出かけしよう」と言っても「い