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『九龍ジェネリックロマンス』80話感想

思い出した記憶、お札、九龍の秘密


【あらすじ】

香港に出かけた時の記憶を取り戻した楊明。
彼女はそのことをグエンに伝える。

楊明はユウロンから聞いたお札のことや
蛇沼グループの噂についてグエンに尋ねるが
グエンは意味深にはぐらかす。

楊明はグエンの態度から彼がまだ何か
隠していることを疑問に感じる一方、
鯨井にどこまで話せばいいか悩む。

一方、鯨井Bのメガネを掛けていた鯨井は
彼女が九龍に貼られているお札を差し出し
薬を受けとる光景を見るのだった。

【感想】

①記憶を取り戻した楊明さん

冒頭のジェネテラちゃんによる
あらすじ紹介が面白かったです(笑)。

遂に記憶を取り戻した楊明さん。

香港で出会った人や元九龍住民のおじさんから
第二九龍が取り壊されたのは事実だと
聞いたことを思い出します。

鯨井Aの存在を証明するはずが
かえって現在のG九龍がであることを
強調する結果となってしまいました…

②このまま九龍に住み続けるの?

話を聞いたグエンは楊明さんに
「九龍から出た方がいい」と忠告します。

楊明さんは実在している存在だし
もう実在していないこのG九龍に
これ以上住むべきではない。

さらにグエンは、楊明さんに

「『絶対の自分』を目指していると
話していたが、今の生き方は本当に
『絶対の自分』になる為のものなのか

と尋ねます。

その問いに楊明さんは答えに窮します。

グエンは彼女に

「大切な人の為に動く事は悪い事ではないが
自分の人生なんだから、自分のやるべき事や
やりたい事を見失ってはダメだ」

と諭します。

③お札の謎

さらに楊明さんは
元九龍住民のおじさんから聞いた
蛇沼グループの噂話を打ち明けます。

この時、楊明さんはユウロンさんから

九龍内の至るところに貼られているお札が
蛇沼グループの隠蔽したいものと関係する

と聞いていたことが判明しました。

このお札は一体…?

やはりあの太極図のお札、
蛇沼グループと関係あるものだったんですね。

グエンもお札の件は知っていたようですが
蛇沼グループと関係していることについては
初耳だった模様。

ただ、お札の話を聞いたグエンは
「この世界が工藤の意識内なら、あのお札は
存在しないはずだ」と呟いてます。

グエンは楊明さんに
「あのお札は危ないから近づくな」と
警告します。

楊明さんは最後、G九龍内が
ずっと真夏であることもグエンに告げますが…

グエン、貴方はやっぱり気づいてたんですね。

このグエンの表情がなんとも…

④楊明さんの苦悩

記憶を取り戻した楊明さんですが
鯨井にどこまで事実を伝えるべきか
苦悩します。

また、グエンから指摘された
自分のやるべき事について
楊明は改めて考えます。

九龍の謎を解くことは
果たして本当に自分のやるべき事なのか。

グエンと別れたあと
ふと広場を見た楊明さんは

香港で出会ったあの元九龍住民のおじさんが
いることに気づきます。

香港で出会ったおじさんがG九龍にも…

外の世界にオリジナルがいて
G九龍に第二の存在がいる
という事実に
彼女もさすがに怯えてしまいます…

⑤お札と薬

一方、お札を調べて回る鯨井は
令子さんのメガネを掛けてみて
ある光景を目にします。

ポストのようなところに
令子さんは太極図のお札とお金を差し出し、
小さな袋に入った丸薬を受け取っていました。

お札を投函すると…?

この光景から、令子さんが
汪先生の処方した薬とは
別の薬も飲んでいた可能性が高まりました。

今回受け取っていた薬が
令子さんの『本当の死因』に繋がっている
と思います。

この薬は一体何なのか…

【余談】楊明の今後

グエンが楊明さんにすべて話さないのは
彼女を危険に巻き込ませないためでしょう。

グエンは楊明さんに
「九龍から出た方がいい」と忠告してました。

グエンの言う通り
現在のG九龍は実在していないモノ。

そして、主人公の鯨井Aもまた
本来なら存在しない人間です。

今回、楊明さんは
自分と鯨井Aは違う存在である
この事実を改めて突き付けられました。

鯨井Aは75話で「工藤の傍にいたい」と
呟いてましたが…

いずれ彼女自身も
自分が工藤や楊明とは違う存在であることを
突き付けられるだろうと思います。

楊明さんに残っている問題と言えば
母親・楊麗(ヤンリー)です。

楊明さんは大女優・楊麗の娘ですが
自分を人形扱いする母親に嫌気がさし

『このままだと自分が無くなる』不安から
新しい自分になるべく
家出して全身整形しました。

今回グエンから、今の生き方が本当に
『絶対の自分』になる為のものか指摘された
楊明さん。

おそらく今回のエピソードは
楊明さんにとって転換点になると思います。

幻の存在でしかないG九龍に住み続けることや
G九龍・鯨井Bの謎を解くことは

本当に『絶対の自分』になる為のものとして
必要なのか。

鯨井Aは自分やG九龍の存在理由を知るべく
令子さんやG九龍と向き合い始めました。

楊明さんの場合は
母親の問題と向き合うことに
なりそうですね。

そして、おそらく工藤さんも蛇沼も
それぞれの過去と向き合っていく展開になる
と思います。

鯨井Aと友情を育んできた楊明さんですが

今後もG九龍に暮らし続けるのか
それとも外の世界で暮らすのか

どちらを選ぶのか気になります。

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