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岐大生のための外部大学院合格への現実的な戦略|大学生活編

はじめに

この度、岐阜大学から外部の大学院に合格しました。
ここでは2つの記事に分けて、私の院試受験体験記も兼ね、今後外部大学院進学を考えている岐大生に向けてその戦略をお話しします。


自己紹介

名古屋の某進学校出身。大学入学時TOEICは730点。大学時代はロボコンサークルでロボット製作に励む。趣味は音楽。
岐阜大学電気電子情報工学科出身。
名古屋大学大学院工学研究科電気系専攻合格(暫定)

※ 注意点

  • 「過去問をください」といった連絡等は断固お断りします。

  • 理想的な戦略を上げれば上限がないので、可能な限り大学生活も謳歌できるような戦略を考えます。


3年前期までの好ましい過ごし方


|講義の取り方

可能な限り早い段階で多くの単位を取っておくことを強く勧めます。理由は3年後期の履修を極力減らしてTOEIC対策に注力できるようにするためです。

また、大学の研究でやりたいテーマが決まっていても幅広く講義はとっておくことを勧めます。より理想的には行きたい大学院の募集要項および試験出題科目などをチェックして、取るべき講義を工学部便覧などにメモしておくと良いです。これは、院試では問題が選択科目の場合が多く、またそれぞれの科目によって難易度のバラつきがあるので、自分の知識分野の幅を広く持つことで難問を解かなければいけないリスクを低減できるためです。

(例:名古屋大学院工学研究科電気専攻の出題範囲)

引用:2025年度向‗志望する諸君へ_掲載版(2025)

|日頃の講義の受け方

よく先生が「大学講義の板書ノートは将来も研究で使うからとっておけ」と言いますが、院試においても至極その通りです。院試勉強を始める際に範囲の復習の効率が5倍くらい上がります。
しかし、保管場所の問題などもあるので、最低でも期末試験前に勉強した際のまとめプリントだけでも残すと良いです。なお、パワポスライドなどの電子ファイルよりは少しでも手書きの跡があるものが良。見返した時に圧倒的に思い出しやすかったです。

|GPAの目安

多くの大学院では推薦受験(あるいは筆記試験免除)があります。これは多くの場合、GPAと志望理由書、TOEICスコアおよび面接で合否を決めるものです。

推薦(名大では筆記試験免除)ではGPAは超重要です。私も友人も3.2でしたが落ちていました。ネットでは目安3.5以上と言われているが真偽は不明です。
一方、筆記試験アリの一般大学院入試で受けるならGPAは全く関係ないです。しかし、そもそも卒研配属で院試勉強のための休み期間をくれないような研究室に配属されないように、3以上はとっておくのが無難でしょう。

|サークル活動について

大学や資格などの勉強を1,2年からガチるべきと思うかもしれないですが、学生生活の充実のためにも、そこは遠慮せずサークルなどに入りましょう。私の場合は個人的に「せっかく工学系なのに何も作れるようにならずに卒業するのはもったいないよなぁ」という思いから当初は1年で辞める気持ちでなんとなくロボコンに入りましたが、そこからなぜかハマって部長になって3年夏までロボット製作をしていました。
なお、結果的にこの経験はやりたい研究テーマとつながり、願書(志望理由書)を書くときにネタとして使えるなど院試では有利に働きましたが、一般的には大学院進学の情報収集の段階でいろんなものに興味は湧くので別に問題ないと思います。

余談ですが、岐阜大学ロボコンサークルは全岐大生に本当にお勧めです。所属学部、男女問わずいろんな先輩がいて、私はここで本当に充実した学生生活と、一生モノの知識・経験・友人を得ることができたと思っています。
後から振り返っても、岐大に来た意味はロボコンにあったと思うほどには魅力あるサークルです(※ 実は名大にはロボコンサークルはない)。
ロボットに興味はないから敬遠している人も、入学時には一度見に行くと良いと思います。

全くの初心者からでも、充実した環境でいろんなものが作れるようになりました。
岐阜大学ロボコンサークル(@gifu_robocon)/ X

|就活について

3年前期からは周りはインターンをはじめとした就活準備が始まります。
私のように大学院進学しか考えていない人でも合同企業説明会(リクナビ)などに行き就職の雰囲気に少し触れる経験は大事です。スーパーなどの企業説明を聞いたりしてみると世界の違いに刺激をもらえたりします。十分に時間的精神的余裕があればどこかしらのエントリーシートを書いてみたりしても良いでしょう。自己分析の経験は院試の志望理由書の作成にとても生きます。
なお、1,2年の人の中には「大学院落ちたら就職すればいいや」と考えている人もいるかもしれないですが、基本的に大手企業への就活と旧帝レベルの大学院勉強は両立できないと思った方が良いです。これは両者の時期がかぶるからで、精神的にかなり負担が強いられます。
確かに落ちたら最悪就職すれば良いのですが、入試落ちてから就活しても大手企業へ行くのはまず難しいと思った方が良いかもしれません。


3年後期からの過ごし方(進路選択と受験準備)

|大学院の調査

3年10月くらいに一度大学院情報収集をすると良いです。興味のある研究分野がない場合はとりあえず志望している大学院の学科のHPから研究室一覧をみてみると興味が湧くと思います。湧かない場合は湧くまでひたすらサーフィンする。無理やりにでも湧かせる。
興味のある研究が見つかれば、同じような研究トピックを扱う研究室を他の大学院たちから探す。例えばパワー半導体に興味を持ったらそれを扱う研究室を名大、東北大、阪大とかから探してみる。
これらをおこなって、大まかに進学してみたい大学院(滑り止めも含む)の2つ以上アタリをつけておきます。ちなみに、この段階では卒研の研究分野も決まってないと思います、実は卒研の研究分野と希望大学院の研究室の研究分野は全く異なっていても入試において大きく不利になることはなく、むしろよくある話で、志望理由書などで多少話の筋を合わせるのに苦労するといったレベルです。ただし、大学院に実際に進学した際についていけるかの問題は少し考えた方が良いです。

|院試情報収集

アタリをつけた大学院の過去の募集要項から以下の点もメモしておくと良いです。

  • 過去の大学院入試説明会日程 …春休み早々にあることがあるので注意

  • 過去の試験日程 …どの大学で併願可能かのおよその推定をしておく

  • TOEICは何点で英語満点扱いになるか

  • 試験範囲 …万が一、履修しなかった科目があれば早急に勉強をする

またその大学院の入試において問題の傾向がある可能性があるので、ネットで多少調べておきましょう。

参考サイト例:

|TOEICの勉強と受験

大学院(工学科)の試験は一般に「英語(TOEIC,TOEFL)」「筆記試験(基礎教養と専門)」で構成されます。
そのなかで外部進学勢はTOEICのスコアは非常に重要です。筆記試験は内部生の方が圧倒的に有利である一方、TOEICは内部生(旧帝レベル)でも意外と高くないことが多いため、外部受験勢は時間をかけてでも高得点を取っておけば、筆記試験当日の運に左右されない大きなアドバンテージを得られます。
さて、大学院試験ではTOEICは2年生の4月~4年生の4月までのものが有効であることが多いです。
元々の英語力にかなり依りますが、英語が得意な人はTOEICの勉強は10月を目安に受け始めればよいでしょう。私は実際、スコアは10月665→12月710→3月770→4月860まで上げることができ、名大院試験ではほぼ満点扱いで非常に有利に望むことができました。勉強法については受験編の記事で述べます。
なお、正直に言えば数学が特別得意でない場合、旧帝大学院受験はスコアは800以上ないと筆記試験当日の問題運ゲーになりやすいので、そこはがんばりどころ。実際、TOEICが700前半の友人は筆記試験で同じような出来でしたが第一志望研究室は落ちていました。

|卒研配属先の決め方

先述したように、卒研の研究分野と希望大学院の研究室の研究分野は異なっていても大きく問題はないので自由に決めればよいですが、院試休みを取らせてくれるか否かは聞いておくべきです。院試休みをとれるかどうかは勉強時間に大きく差が出るため、研究室選択で悩んでいる場合は、やはり現実的に院試休みがある研究室を選ぶことをお勧めします。期間は1か月半くらいあれば良いかと思います。
また例外的ですが、まれに研究室が来春からなくなるなんて場合もあるので、自研究室を滑り止めとする場合にはその点を確認しておくことを強く勧めます(1敗)。

3年春休みの過ごし方|研究室訪問

3月のカレンダー

3年の春休みには大学院の研究室訪問に行きます。研究室訪問では先生や学生に会って話を聞くと同時に過去問をもらいます。詳しくは「大学院 研究室訪問」で検索しましょう。
このとき注意する点は同じ大学院でも可能なら2つ以上の研究室を見ておく点です。これは入試結果によっては第2希望以下の研究室に配属する可能性があるためと同時に、もらえる過去問は解答が少ないことが多いため、複数の研究室から過去問をもらってその不足分を補完するという意味があります。
ちなみにこのとき、志望研究室の院生の連絡先をもらって、入試に関して気軽に相談できる人のつてを作れるととても良いです(1勝)。内部で使っている教科書などを知れます。外部受験は情報戦でもあります。
なお、大学が開催する"研究室見学"と一般的な"研究室訪問"は意味が違うので注意。名大院工学電気系では3月に研究室見学会があったりしますが、その時は院生などと話すことができないことが多いため、日を改めてもう一度研究室にいって過去問をもらいます。

4年春の過ごし方|出願と志望理由書

推薦出願はおよそ5月末と早い時期ですが、願書と書類作成をします。志望理由書は意外と熟考するので早めに準備します。

なお推薦も出すか否かですが、滑り止めの併願大学がある場合は必ずしも推薦で出願する必要はないと個人的に思います。これは例えば名大院工学研究科の場合、推薦出願の志望理由書は一般出願より2倍の記述を必要としそれが重荷になりやすいほか、1次書類選考が通った場合のことも考えて口頭試問の対策をする必要が出るからです。
しかし、一応推薦出願しておくことで、仮に落ちていた場合にも、早期に出願を終え、それ以降受験に集中できる利点も意外と大きいためそこは要検討です。

(実のところ、私はやや雑な志望理由書で推薦出願してしまったのですが、結果的に1次書類選考が通った場合も考えることなく、早期に出願を終えられるというメリットだけを享受できたため、図らずもずる賢いやり方だった気がしています…)

おわりに

熱心な学生像

以上、大学生活に関して長々と述べてきましたが、合格のために特に重要だと思うポイントは以下の2つです。

  • 単位は早めに。いろんな講義を受けよう

  • 英語苦手な人は絶対に克服しよう。

これらは絶対に必須です。外部大学院を強く検討している場合は少し意識しておくと良いでしょう。

次の「受験編」の記事では4年次からの受験期の過ごし方とお勧めの勉強計画や対策法を述べるので、そちらも参考にしてみてください。

では、よい岐大生活を!

参考サイト

名古屋大学院工学研究科 入試情報

名古屋大学航空宇宙系の院試体験記

東北大学院工学研究科 入試情報

名古屋工業大学院 入試情報


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