漫画と他ジャンル作品を比較して恋愛の表現の違いや変化を知る

●日本の漫画と洋画の恋愛観の比較 
 
 洋画のジャンル→恋愛が絡む洋画
 漫画のジャンル→同上

 ピックアップする洋画→有名な洋画のタイトル(興行収入・映画賞から判断)
 ピックアップする漫画→有名な漫画タイトル(発行部数・メディア化から判断)

 ターゲット層との関連性→日本の漫画でオマージュ・翻案されるケースもある

 <考察>
  
 洋画:ラブロマンスの傾向
 漫画:学園・青春の傾向

 →洋画市場と漫画市場の狙う層は異なるが共通する恋愛観が存在する
  ex) 身分差 一目惚れ 

 <年代別分類>

 ・90年代→タイタニック(1997)H2(1992)
    

    ・00年代→スパイダーマン(2002)ちはやふる(2008)

 ・10年代→寄宿学園のジュリエット(2015)ロミオとジュリエット(1968)

●日本のドラマと日本の漫画の恋愛観の変遷の比較 

目標:日本の高視聴率ドラマと人気漫画の恋愛表現の比較

比較対象について
視聴率の高い恋愛ドラマ:比較的に恋愛ドラマが多い
人気漫画:比較的に少年漫画が多い

ターゲット層
ドラマ:子供から高齢者まで非常に広い
漫画:その漫画に興味を持った人

作品数
ドラマ:少ない (12作品*4クール=48作品/年)
漫画:多い

出版、放映までに関わる人の数
ドラマ:多い
漫画:少ない

1作品あたりの製作費
ドラマ:2000~3000万円
漫画:120万円/1万部(印刷所見積もり)(https://news.mynavi.jp/article/20120604-a066/

考察
 ドラマ 大衆に受け入れられるようなものが目指されており、多くの人が体験していたり     理想を感じていたりする恋愛の形が表現されていると予想
 漫画  漫画全体では、様々な恋愛の形が描かれているが、人気漫画ではドラマ同様に大     衆的な恋愛が描かれているだろうと予想

実際にはどうなのか
ドラマ
 90年代
 ロングバケーション 王道の恋愛
 101回目のプロポーズ 高嶺の花的女性へのアプローチ
 00年代
   花より男子 理想の恋愛
  結婚できない男 個性的な男性の恋愛
 10年代
  おっさんずラブ BL
 逃げる恥だが役に立つ 既存の恋愛や結婚を崩す形

漫画(その年代に始まり連載終了したもの)
 90年代
  幽遊白書 主人公がヒロインを好きという典型
  スラムダンク 同上
 00年代
    BLEACH 同上
  鋼の錬金術師 同上
    NARUTO 同上
   10年代
    チェンソーマン 異質な恋愛。主人公が恋愛を理解してない。
  鬼滅の刃 恋愛要素ほぼなし
  呪術廻戦 恋愛要素なし

まとめ
テレビ
  若者の恋愛を描く大衆的で王道の表現、もしくは個性的な男性の恋愛を描いた  ものが多い。
 →LBGTQを肯定的にとらえたり、結婚というもののあり方を捉え直すなど、多様      な恋愛観を表現。
漫画
  主人公が恋をする。多様な形の恋愛を表す漫画も存在するがヒット作にはそう  いった要素は取り入れられてない。
 →ヒットした少年漫画において、恋愛要素がなくなるかもしくは非常に特殊な形  で描かれるようになる。
 

●長編アニメと日本の漫画の恋愛観の比較    

条件:主人公が女性であること。
アニメ:広い世代の年齢の人が見る。
漫画:その漫画に興味がある人が読む。

90年代:アニメと漫画の恋愛観に共通点が多い時代
アニメ:『リトルマーメイド』『美女と野獣』『耳をすませば』
    ・人間とは違う生物という要素がある(人魚・野獣)
    ・第一印象が良くない
    ・女性が主人公ではあるが、台詞量が男性と比べて少ない。

漫画:『フルーツバスケット』『花より男子』『ママレードボーイ』
   ・人間とは違う生物という要素がある。(十二支)
   ・第一印象が良くない。
   ・主人公(女性)がよく喋る。

00年代:アニメと漫画の恋愛観が分かれ始めたた時代
アニメ:『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』
    ・魔法などの架空の設定がある。
    ・主人公(女性)が特徴的。(年齢が高齢又は若い)
    ・呪いなどからの解放。(元の年齢へ・人間へ)

漫画:『花より男子』『のだめカンタービレ』『君に届け』
   ・主人公(女性)が特徴的。
   ・ヒーロー(男性)はもれなくイケメン。
   ・第一印象が悪い。

10年代:アニメも漫画も多様な恋愛観が求められた時代
アニメ:『塔の上のラプンツェル』『コクリコ坂から』
    ・主人公が特的徴(髪が長い・珍しい環境で育つ)
    ・今までの環境から飛び出すことでヒーローとの関係が深まる。

漫画:『L・DK』『ストロボエッジ』
   ・珍しい(ほぼあり得ない)環境。
   ・重要なのは行動?(壁ドン)
   
まとめ
90年代から現代までの間に長編アニメと漫画とでは視聴者や読者に求められるものが変化していることが分かる。

長編アニメ:大人から子どもまで幅広い世代の人に主人公の境遇や人柄などから生み出さ      れる物語を楽しんでもらう。

漫画:その漫画(ここでは女性主人公で恋愛要素がある)に興味がある人をいかにときめ   かせることができるか。

類似点としては、現実離れした世界観を大切にしている点と、物語の世界観・登場人物の人柄・恋愛など、複数のテーマが絡まっているという点が挙げられる。

相違点としては、長編アニメは恋愛をテーマにしていても二人が結ばれる過程に重きを置いているのに対し、漫画は二人が結ばれる過程だけでなく結ばれた後の描写にも重きが置かれているという点が挙げられる。


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